Alphabetの2018年Q1の純利益が約1兆円(94億ドル)を記録:Alphabet2018年Q1の決算報告から

Alphabetの2018年Q1の純利益が約1兆円(94億ドル)を記録:Alphabet2018年Q1の決算報告から

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2018年Q1の売上は323億ドル(約3.38兆円)を記録

2018年4月24日(日本時間)、Google の親会社であるアルファベット社は2018年第1四半期(1−3月:以下「Q1」)の決算を発表しました。

 

 

アルファベット社の2018年Q1の売上高は323億ドル(約3.38兆円)を記録し、昨年比で+26%を記録しました。売上を牽引しているのは引き続きモバイル検索ですが、クラウド、ハードウェア、Google Playなどの領域でも売上が拡大しているとしています。また、2018年Q1の当期純利益は94億ドルで、日本円に換算して約1兆円を記録しています。

Image: Alphabet Investor Relations
 

2017年Q4には米国の新しい税制に関連した費用として90億ドルの損失を計上しており、全体としては30億ドル(約3300億円)の赤字を計上していました。また、2017年6月にはEUからEU競争法(独占禁止法)違反として24億2000万ユーロ(約3000億円)の制裁金を支払うように命じられていました。

 

こうした背景が純利益の増加に影響していることが推測されますが、データセンターの開設や、R&Dの強化、ニューヨークのチェルシーマーケットの買収など投資のスピードを緩めている様子は見えず、引き続き投資すべきエリアには積極的に投資をつづけていくことが予想されます。

 

モバイル検索が成長を牽引

 

内訳を見ますと、検索、Map、YouTube などの Google が保有するドメインを指す “Google properties” 経由の売上が$219億ドル(約2.4兆円)。ディスプレイ広告やプログラマティック広告などをはじめとするGoogle 以外のドメインを指す”Google Network Members’ properties” 経由の売上が46億ドル(約5050億円)となり、2018年Q1の Google の広告全体の売上は266億ドル(2.89兆円)となりました。

 

Image: Alphabet Investor Relations
 

Google Cloud や Google Home などのハードウェア, Google Play などの広告以外の売上は46億ドル(4735億円)を記録しています。昨年比で35.7%の成長し、全体の売上の約14%を占めています。Other Betsに含まれていたGoogle HomeなどのIOT機器を開発するNESTは今期から、これまでのOther Betsでの計上からGoogleでの計上に移っています。

 

アルファベット社の CFO の Ruth Porat 氏によれば、これらの成長を牽引したのは2017年Q4に引き続き、主にモバイル検索であると述べていますが、下の図の Google Properties 上での広告クリック数は2017年Q4には昨対比で48%の上昇でしたが、2018年のQ1は59%と約10%ほど上昇しています。

 

Image: Alphabet Investor Relations
 

これらの牽引はやはりショッピング広告などによって広告の専有面積が広がっていることや、広告を表示させるためのトリガリングレートの向上などが影響しているものと考えられます。

 

一方で、全体のクリック単価は-19%とマイナス成長ではありますが、新興国経由のクリック数の増加や、為替の影響などもありますし、テキスト広告に比べて比較的単価の低いショッピング広告経由のクリックの割合の増加などが影響していると考えられるため、特にこのマイナス成長がアルファベットの先行きを暗くするものとは考えにくいでしょう。

成長率ではAPACがトップ

 

地域別に見ますと、US:+20%、EMEA:+29%、APAC:+33%、Other Americas:+19% となり、日本を含むAPACの成長率が最も高い結果となっています。

 

Image: Alphabet Investor Relations
 

ケンブリッジアナリティカやFacebookなどの影響でプライバシーや個人情報の取扱い方について世界的に関心が高まっており、特に直近ではGDPR(EU一般データ保護規則)の施行が話題になっていますが、GoogleのCEOサンダー・ピチャイは18ヶ月前から取り組んでいたと述べています。特に検索連動型広告においてはキーワードを中心としており、限られた情報しか利用していないため、広告主への影響もほとんどなく、ユーザーにベネフィットのあることなので最終的にはパブリッシャーも納得し、ポジティブな影響を及ぼすだろうとの見方を示しています。

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