チケット再販業者への審査が厳格化
2018年2月7日(水)、Google はチケットの再販業者の広告出稿に関する審査ポリシーを強化したことを発表しました。
これまで Google は、 AdWords を通じて多くのスポーツイベント、音楽イベント、演劇のチケットに関する情報を、ユーザーのもとに正しく届けることができるように努めてきました。
しかしながら、一部のチケット再販業者による広告に表示されるチケットの価格などの正確性や、透明性に問題がある事例が散見され、ユーザーのチケット購入体験や、チケット販売に関するエコシステム自体が著しく損なわれる可能性があることから、チケット再販業者の広告出稿に関する審査ポリシーの強化に踏み出しました。
今後、チケット再販業者は Google から認定を受けた業者のみ広告の出稿が可能となります。申請は下記の申し込みフォームから行うことができ、審査を受ける必要があります。
具体的な審査の基準としては「事業内容について明確に開示する」ことと、「正確な価格情報を提供する」ことの2点を主眼に下記の項目が審査基準としてあげられています。
- チケットの再販業者であることの明示
- ウェブサイトやアプリ上で一次販売業者ではないことを明確に提示
- 価格が額面価格(第一次販売業者が提供する価格)よりも高いことを顧客に明示
- 顧客が支払い情報を提供する前に、価格に含まれる手数料や税金の明細を提示
- 再販業者は販売価格とともにチケットの額面価格を同じ通貨で表示
(2018年3月から)
広告の審査に大きな投資をしてきた Google
2017年のブランドセーフティ関連の話題から、広告の配信先や品質に関してバッシングを受けやすい立場にある Google ですが、数ある広告ネットワークの中で Google はその黎明期から広告の審査に大きく投資を続けてきました。
元々AIを作ることを念頭に入れて Google が設立されたという経緯もあり、広告の審査には早くから機械学習の力をフル活用して自動で広告のポリシーに違反したおそれのある広告を検出できるような仕組みを整えており、それでも判断がつかない場合は人の目で審査しています。Google の肩を持つ訳ではないですが、Google ほど広告の審査に力を注いできたアドネットワーク事業者はいないのではないでしょうか。
また、2008, 2009年頃まではアルコール、特にビールに関する広告の出稿に関しては創業者の意向もあり、法律よりもさらに厳しく規制をかけていたことを筆者は記憶しています。AdWords の配信地域が増えるに従いこれらのポリシーもそれぞれの国・地域に合わせて改訂が続けられていますが、依然、厳格な基準を持っていると言うことはいえるかと思います。
普段日の目を浴びることのない広告審査チームという縁の下の力持ち的な存在がいて、健全な業界の発展がありますので、今回のような自主的な規制の強化に関する発表はとても重要なことだと思います。