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高まるブランドセーフティへの関心に対応して
2018年1月16日、Google は、YouTube のクリエイターが動画を投稿し、表示される広告などから収益を受け取るためのプログラム「YouTube パートナープログラム」(以下 YPP) をアップデートしたことを発表しました。
YouTube は今や世界中のクリエイターが魅力的なコンテンツをアップロードすると同時に、何千ものブランドがユーザーとつながることが可能になるプラットフォームに成長しました。
一方で、2017年は、 P&G 社が IAB (Interactive Advertising Bureau) のイベントで、メディア業界全体の数字の不透明さや不正を批判したり、YouTube 上で不適切な動画に広告が表示され、ブランドセーフティの観点から多くの広告主が YouTube への広告出稿を停止するなど、デジタル広告によるブランド価値毀損への懸念がより浮き彫りとなった1年となりました。
このような状況に対応するため、Google は YPP の参加要件の厳格化をはじめ、下記の3つに対応していくことを表明しています。
1.YPP 参加要件の厳格化
YouTube では、2018年2月22日から YPP の参加基準が新しくなります。これまでの YPP への参加資格は、チャンネルの合計視聴回数が10,000回に達していことが要件でしたが、今後 YPP に参加するためには、過去12か月間の総再生時間が4,000時間以上、かつチャンネル登録者数が1,000人以上であることが必要となります。加えて、コミュニティのストライキ、スパムなどを厳重に監視し、ポリシーに準拠していることも評価されるなど、これまでよりも厳しい基準の下で評価されたチャンネルにのみ YPP への参加資格が与えられることになります。
2.Google Preferredを手動で審査
YouTube の人気チャンネルに動画広告を予約出稿することができる Google Preferred は、米国では2014年から、日本では2016年から提供されていますが、Google Preferred に選出されたチャンネルは手動で審査され、ガイドラインに準拠していることが確認された動画のみ広告が掲載されるようになります。米国以外の市場では2018年3月末までに Google Preferred に選出されたチャンネルと動画の手動審査が完了する予定です。
3.Integral Ad Science(IAS)社などとの連携の強化
また、すでにデジタルメディアの品質評価・広告検証事業のリーディングカンパニーである、米 Integral Ad Science 社(以下IAS社)に加え、新たに DoubleVerify 社と協力して、YouTube のブランドセーフティやアドフラウドの検証を進めていくことも表明しています。
運用型広告に携わる者として、引き続きブランドセーフティにまつわる動向をチェックしていくとともに、自分が関わる案件の中で配信先レポートを見たり、ターゲティングをより精緻化するなど、身近なところから気をつけていきたいですね。