以前好調を維持、アナリスト予想を上回る売上
2017年第二四半期(4−6月:以下「Q2」)の決算報告によれば、今期の売上高は93.2億ドル、1株あたりの利益は1.32ドルで、アナリスト予想の92億ドル/1.13ドルを上回り、依然好調を維持しています。
リンク:
北米以外の地域で過去最高の売上を記録
Q2はグローバルで過去最高の売上となり、地域別に見ると北米地域が2016年のQ4とほぼ同額だったのに対し、北米以外の地域が過去最高の売上となっています。
特にアジアは一度もマイナス成長を見せておらず、プロダクト開発やコミュニティ支援などの結果が表れているのではないかと思います。
ユーザーの増加率はややダウン傾向
売上は過去最高を更新し好調を維持した一方、ユーザーの増加率はややダウンしました。
2017年Q1では19億3,600万人だった月間アクティブユーザー数(Monthly Active Users:以下「MAU」)を、Q2では +3.6% の20億600万人と大台を突破したものの、前四半期の + 4.1% からは伸び率が鈍化しています。
2017年6月に CEO のマーク・ザッカーバーグ氏がミッションの変更を発表し、「making the world more open and connected」から「give people the power to build community and bring the world closer together」に一新しました。
ミッションの変更に際し、ザッカーバーグ氏は「人々につながるためのツールを提供すれば世界は自然と良くなっていくと考えていたが、社会はいまだに分断されており、単に世界をつなげるのではなくそのつながりをより強めるための努力が必要」とコメントしていましたが、コミュニティ形成と同時にユーザーの母数をどのように増やしていくのか、注目したいと思います。
日本における事業ハイライト
2017年9月14日に開催されたプレス向けのラウンドテーブルでは、Facebook Japan 代表取締役の長谷川晋氏から日本のフォーカスとして以下の3点がアナウンスされました。
- 利用者・コミュニティをエンパワーする
- ビジネス成長のベストパートナーとなる
- テクノロジーを活用して日本社会に貢献する
まず1のハイライトとして、グローバルのMAUを発表した後、2016年12月時点では2,700万人だった Facebook の MAU が約2,800万人と約100万人増加したことが発表されました。Instagram のアップデートについては2017年10月3日に開催予定のイベントで発表されるとのことですので、レポートでお伝えしたいと思います。
2のセッションでは Instagram Stories の新しい広告フォーマットとしてキャンバス広告が適用されたことが発表されました。Stories の動画を下にスクロールするとキャンバスが表示される仕様で、ベータテストに参加したゼクシィでは下図のように高いパフォーマンスが確認されたとのことです。
3のハイライトでは2017年5月に日本でも正式ローンチされた Workplace と使った働き方改革への貢献を実際の導入事例をもとに紹介され、地方活性のへの取り込みについて長谷川氏から語られた後、Facebook Japan 執行役員の井上英樹氏から、より具体的な中小ビジネスに向けての取り組みについて発表されました。
セッションの序盤では中小ビジネスが抱える「販路の拡大」や「資金と人が限られる」という問題に、Facebook 広告が適切なソリューションとなった事例として以下の例が紹介され、モバイルに強く細かなターゲティングが可能な Facebook ならではの成果が出ているのではないかと思います。
セッションの後半では「デジタル広告に興味はあるがやり方がわからない」、「海外市場に関心がある (インバウンド 越境ECなど)」の声に答え、いくつかのソリューションが紹介されました。
まず Facebook 広告のハウツーは無料で提供されている「Facebook blueprint」の他、「Facebook for Business」、「Instagram for Business」などのリソース集に加え、「Facebook agency directory」というパートナー(広告代理店)を紹介する新しいページが開設されています。
Facebook agency directory に掲載されているパートナーは、取扱高や blueprint の学習有無等で判断しているとのことです。
また、Facebook 主催の中小ビジネス向け広告活用セミナー「Facebook Marketing Bootcamp」が2017年10月末に東京、大阪、福岡、金沢などで開催予定とのことですので、詳しい日程が分かり次第こちらでもご紹介できればと思います。
最後に、中小ビジネスがより Facebook 広告を使いやすくなるよう、ローンチから要望の多かった「サポート窓口」と「支払い方法」の拡充が発表されました。銀行振込での支払いが加わったことで、これまでコーポレートカードが無く出稿を断念していた広告主の利用が増えるのではないかと思います。
過去最高の売上を記録した中、門戸を広げサポートも充実させてきた Facebook ですが、ミッションの変更がプロダクト開発にどのように影響するのかに期待して今後も注目したいと思います!