1日あたりの予算が最大で2倍まで超過するGoogle 広告(旧AdWords)の仕様変更に関する反応

1日あたりの予算が最大で2倍まで超過するGoogle広告(旧AdWords)の仕様変更に関する反応

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1日あたりの予算の最大2倍まで広告が掲載

Googleは、2017年10月4日(日本時間で10月5日)より、AdWords キャンペーンで1日あたりの予算の2倍まで広告が掲載できるようになったと発表しています。

参考: Google+ での発表

参考: 詳細が説明されたヘルプページ

これまでも、キャンペーンの1日あたりの平均予算は、設定の20%まで超過する可能性がありました。今回の変更は、その上昇分が100%まで拡大されたということになります。

変更後も、これまでと同様に実際に請求される額が1ヶ月の請求額(1日の平均予算に1ヶ月の平均日数30.4日を掛けた額)の上限を超えることはありません。また、費用の少ない日の余剰予算を繁忙日に自動的に回せるようになるため、これまで以上に機会損失を防ぐことができるようになります。(万が一1ヶ月間の費用が計算上の1ヶ月の予算額を超えてしまった際は、超過分はクレジットとして払い戻されます)

物議を醸した変更

そう考えると、通常のキャンペーンであれば広告主側では取り立てて騒ぐ必要はないように思えますが、発表が Inside AdWords ではなく Google+ での(ある意味そっけない)発表であったことや、「1ヶ月未満のキャンペーンはどうなるんや!」といった問い合わせが殺到したらしく、後日 AdWords Community 上で追加の説明が行われるなど、今回の変更は物議を醸しました。

参考: AdWords Community での追加説明

本件に関するコメントで目立つのは、大きく分けて 「なぜ予算設定は日次(Daily Budget)以外の選択肢がないのか」 と 「短期キャンペーンの予算コントロール」 の2つに集約されます。

前者の「日次予算以外の選択肢」については、上記リンクでの説明後半で「月次予算設定はできません(Currently, you can’t set a monthly budget within AdWords.)」と一刀両断しています。

現在のAdWordsの仕組みを考えると、30日間の需給バランスを読んだ上で配信が途切れないように調整するのは至難の業ですから、これは仕方がないかなと思います。むしろ月初数日で予算が枯渇して広告が出ない、といったような不幸なケースをあらかじめ排除している分、Googleは他の広告プラットフォームより良心的だというのが筆者の意見です。(上記の説明でも “Overdelivery provides flexibility during traffic fluctuations and isn’t intended to spend your budget quickly.” と記載されており、予算消化を意図したものではないことが伺えます)

気にするとすれば後者で、今回の発表を運用上で危惧するとすれば、1ヶ月間に満たない短期でのキャンペーンで、予算があらかじめ厳格に決まっているケースでのコントロール方法ではないでしょうか。

例えば10日間限定の大規模キャンペーンで、ある程度の量のコンバージョンが見込めるような場合、Googleが”質のよいトラフィック”を短期間で学習できれば、1日の予算を大幅に超過する日が続く可能性があるため、そのままキャンペーンが終了を迎えた場合、当初広告主側が想定していた予算を越えてしまうような事態が起きるかもしれません。

予算を超過しないための方法

このようなケースに当てはまる広告主はそれほど多くないかもしれませんが、いざその状況になったとき、どうすればいいのでしょうか。 ここでは、自動化ルール、AdWords Script の2つを利用したやり方を考えてみます。

(1)自動化ルールでキャンペーン予算をモニタリングし、自動停止

自動化ルールとは、指定した設定や条件に応じて自動的にアカウントに変更を加えることができる機能です。自動化ルール内でモニタリングの頻度が設定できるため、予算が超過した場合にキャンペーンが停止するように、1時間ごとにルールを設定することができます。

自動化ルールの設定例

1つのルールに対して1つの時間帯しか設定できないため、(面倒ではありますが)モニタリングが必要な時間帯分だけルールを作成する必要があります。真面目に設定すると23ルールを同一キャンペーンへ設定することになってしまいますが、深夜番組でスパイクする、というようなケースでもない限り、早朝で予算超過することは考えにくいので、1日の後半から設定してもよいかもしれません。

(2)AdWords Script で自動停止

自動化ルールが面倒、という方は、AdWords Script を使ってみてもよいかもしれません。 AdWords Script は AdWordsの管理画面で JavaScript を使用して変更を加える機能で、1度書いてしまえば自動化ルールよりも複雑な処理が自動で可能になります。

AdWords のギークで有名な Frederick Vallaeys 氏 が、既に本件に関するスクリプトを公開しています。ゼロから書くと難しいですが、サンプルコードを編集するのであれば進めやすいですね。

参考: Free AdWords Scripts.com で提供されたサンプルコード

上記のスクリプトは、先ほどの自動化ルールと同様に、1時間ごとにキャンペーンをモニタリングし、一定のコストを超過したキャンペーン(超過の許容量は変数で設定可能)を停止するという挙動になるようです。

なお、この記事で紹介した自動化ルール、 AdWords Script ともに、そのままでは停止するだけで再開しないため、翌日に切り替わったタイミングでキャンペーンをアクティブにし直すルールを設定し忘れないようにお気をつけ下さい。

正直に言えば、よほど厳格に管理しなければならないキャンペーンを除き、実際には使うことはあまりない設定かもしれません。ですが、これを機会に自動化ルールや AdWords Script に挑戦してみるというのもいいかもしれませんね。(慣れれば意外とかんたん、ということに気づくはずです)

おまけ:超過分レポート

AdWordsでは、その日に使った費用と実際の請求額の差を、一括のレポートとして出力することができます。

超過分レポートの場所
管理画面の上部の「レポート」タブから「基本」>「超過分」と進むことで、日別の掲載料金と請求額を確認することができます。超過分があった場合はメモしておき、次回の請求画面でクレジットが適用されているか確認することができます。超過があることは(通常の運用であれば)稀ですが、一度確認してみてもよいかもしれません。

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