コンバージョンウィンドウは、広告セットで設定したターゲットのうち、実際に広告を配信するユーザーの決定要因の1つであるコンバージョンデータを任意で変更させることができる重要な項目です。
ただ、公式ブログ等ではあまり言及されることがなく、リソースも見つからないため、コンバージョンウィンドウが2017年3月中旬(詳細日程は不明です)にアップデートされたということもあり、この機会に設定方法や注意点、Tips をご紹介したいと思います。
まず、今回のアップデートでは最適化するコンバージョンごとに期間を設定することができるようになりました。
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現在は複数のコンバージョンウィンドウをテスト中のため、一部の項目は利用できない場合があるということですが、現状でフルローンチされているアカウントではコンバージョンごとに以下の通りに設定可能です。
● コンバージョン
- クリック後7日間
- クリック後1日間
- 表示後1日間とクリック後1日間(統合)
- クリック後28日間
● アプリイベント
- クリック後7日間
- クリック後1日間
● アプリのインストール
- クリック後1日間
- 表示後1日間とクリック後1日間(統合)
コンバージョンウィンドウは広告セットまたはパワーエディタから編集可能で、[最適化と配信] セクションから編集できます。
なお、コンバージョンウィンドウは配信システムに影響を与える要素のため、不用意に設定を変更してしまうとパフォーマンスの低下を招く可能性が考えられますので、設定を変更する際は以下の Tips を参考にして頂ければと思います。
1. コンバージョンウィンドウを切り替える時
配信システムがウィンドウに適応するために、数週間期間を設けることが推奨されています。週単位のコンバージョン数が少なくとも15-25件獲得できるようになるまで設定を変更せずに待つことで、新しいウィンドウでどうすれば広告セットのパフォーマンスが向上するかを学習します。
適応期間が終了したら、さらにもう1-2週間同じ設定のまま広告セットをアクティブにすることで、新しいウィンドウに適応した後の結果を確認できます。全てのデータを取得するにはより長い時間が必要なため、より長いコンバージョンウィンドウに切り替える際に特に重要です。
2. 週単位のコンバージョン数が目安をショートしている場合
最適な結果を得るには(特に[7日間]のウィンドウを適用している場合は)、1週間ごとに15?25回のコンバージョンを獲得できるように広告セットを最適化しておく必要がありますが、コンバージョン数が目安に達していない場合はコンバージョンポイントを「購入」から「カートに追加」などマイクロコンバージョンに変更することが推奨されています。
広告セットのコンバージョン数が少ないと配信にムラが出たり、平均CPAの変動が大きくなることがあります。
3. ウィンドウを変更する際のヒント
実績を根拠にコンバージョンウィンドウを変更する場合、コンバージョンレポートのアトリビューションウィンドウで利用者が広告をクリックした後1日間と7日間でそれぞれコンバージョンの発生数を確認します。1日間のコンバージョン数を7日間のコンバージョン数で割り、結果が0.7以下であれば7日間のウィンドウを採用することが推奨されています。
つまり、日単位のコンバージョンの発生数が曜日などの影響で不安定な広告セットに1日間のウィンドウを採用すると、適切な判断が行えず配信にムラが出るが、7日間のウィンドウを採用すると1週間を通して安定的にコンバージョンを獲得できるように配信される、と言い換えることができます。2016年10月からは日予算を週間予算へ換算し、コンバージョンの最大化を図る予算アルゴリズムに変更されておりますので、7日間のウィンドウとの相性も良いのではないかと思います。
参考:
※コンバージョンレポートのアトリビューションウィンドウを変更する方法は こちら をご参照ください。
4. コンバージョンウィンドウのA/Bテストを行う際の入札設定
コンバージョンウィンドウの変更によるコンバージョン数の変化をテストする際は、正確な結果を出すために極力他の要素は同じ条件にする必要がありますが、特に入札設定は同額で設定するようにしてください。
アカウントごとに編集できる内容には差があるようですが、以上のポイントをご考慮頂きながら最適なコンバージョンウィンドウを探って頂ければと思います!