これまでのダイナミック広告はウェブサイトカスタムオーディエンスを使ってユーザーが閲覧したページ情報をもとに動的にリターゲティング広告を生成・配信する広告プロダクトでしたが、ウェブサイトに未訪問の新規ユーザーにもリーチできるようアップデートされます。
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具体的にどのような仕様で新規ユーザーへリーチすることができるのか、ヘルプページの例では以下のように説明されています。(※太字は筆者強調)
For example, let’s say Sally’s been surfing the web looking for a new pair of tennis shoes, and on Facebook, Sally likes Pages for footwear brands and clicks on ads featuring shoes. Facebook can work behind the scenes to find people who, like Sally, are interested in products similar to your own, even if they’ve never visited your site. To reach these people, you’ll set basic ad targeting like age, gender and location, and Facebook will help match your products with people who are likely interested in them.
(たとえば、Sallyというユーザーが新しいテニスシューズを探してネットサーフィンしていたとしましょう。SallyはFacebook上ではシューズブランドのページをいいね!して、シューズの広告をクリックしています。 この場合、広告主のウェブサイトにアクセスしたことがなくてもSallyのような自社の類似製品に興味を持っているユーザーをFacebookが探し出します。これらのユーザーにリーチするには、年齢、性別、地域などの基本的なターゲティングを設定します。この設定によって、Facebookが自社の製品に興味を引く可能性が高いユーザーと商品を一致させるのに役立ちます。)
なお、他のターゲティング機能同様にウェブサイトカスタムオーディエンスがあればウェブサイトに訪問済みのユーザーは除外して配信することも可能ということですので、従来の動的リターゲティングとはキャンペーンや広告セットを分けて設定することでターゲットの重複を避けられますが、新規ユーザーの一部をターゲットに含めることで新規ユーザーを選定する精度が向上するようです。
また、ヘルプページでは “It’s also recommended you not use a Lookalike Audience or other interest-based ad targeting.(類似オーディエンスやその他の趣味・関心に基づく広告のターゲット設定は利用しないことをおすすめします。)“ と記載されており、左記のターゲティングを加えることでターゲットの選定にノイズが含まれてしまい、配信が制限されるものと思われます。
新規ユーザーをターゲットに設定する際のTips
ターゲット設定以外にもいくつかの推奨事項がありますので、設定時は参考にして頂ければと思います。
ターゲット設定:
- 地域や利用者層データなどの広告ターゲット設定オプションを使用する
- 類似オーディエンスや行動や趣味・関心に基づく詳細ターゲット設定は使用しない
除外ターゲット設定:
- 製品セットの商品を購入済みのユーザー除外する(除外対象のユーザーはルールを設定可。例:過去10日間に自社の商品を購入したユーザー など)
- ウェブサイトのビジターをすべて除外することは非推奨。新規顧客にリーチできるよう新規ユーザーをターゲットに設定している場合でも、訪問済みユーザーの一部をターゲットに含めることでダイナミック広告を表示するユーザーが決定される際に利用されるモデルの精度が向上
製品セット:
- 1,000点以上の商品を含む製品カタログのみで利用推奨(これより小規模な製品セットを利用すると、広告の配信に問題が生じる可能性がある)
広告素材アセット:
- 新規ユーザーと関連性の高い広告素材で広告を作成する
- 製品セットの全商品に関連するものであれば、静的なカードも利用可能。製品セットの規模が大きい場合は静的なカードの利用は非推奨
- テストしていない画像は利用しない
入札価格の設定:
- 広告をイベントのコンバージョンに向けて最適化するよう設定(現在は「購入」、「カートへの追加」、「登録」が最適化可能)
その他の考慮点
本機能は徐々に展開中ということで、現在は全てのアカウントでは利用することができませんが、利用可能になると製品カタログを使って掲載するキャンペーンタイプが追加されます。
また、本機能のパフォーマンスは性質上製品カタログの構成によって左右される部分も多いと思いますので、実施する前に製品カタログに問題がないか確認することが推奨されています。製品カタログの [概要] ページに赤や黄色の三角形が表示されている場合は広告のパフォーマンスに影響を与えるエラーが発生している可能性がありますので、あらかじめ確認するようにしましょう。
なお、以上の Tips は今後更新されていく可能性があるということですので、最新情報や推奨事項が変更され次第こちらでもご紹介致します!