Google AdWords(Google 広告)の2016年主要アップデートまとめ

Google AdWords(Google広告)の2016年主要アップデートまとめ

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モバイルファーストが進んだ1年

2015年Google は、グローバル全体でモバイルの検索数がデスクトップを上回ったことをきっかけに、モバイルファーストの世界に合わせてプロダクト開発を進めることを発表しました。2016年はその宣言通り、様々なプロダクトがモバイルファーストの世界に向けてアップデートされた1年だったのではないかと思います。

 

2016年に実施されたAdWords の主要なアップデートについてまとめましたので、振り返りたいと思います。また、参考としてFacebook の2016年のアップデートのまとめ記事もあわせてご確認いただければ幸いです。


参考記事: Facebookの大型アナウンス・アップデートまとめ【2016年版

 

1. 検索結果右側の広告枠廃止

2016年2月、デスクトップの検索結果右側の広告枠が廃止されました。本格的に到来したモバイルファーストの世界を踏まえて、「モバイルに表示形式とユーザー体験を合わせるため」の変更でした。

 

この変更に伴い、一部のコマーシャルクエリに関しては上位に広告枠が4枠まで表示されるようになりました。その結果、検索結果面における広告の専有面積が広がり、広告表示オプションの設定を含め、しっかりと検索連動型広告へ対応していくことがますます重要になりました。

 

2. デバイス別入札単価調整比

2016年5月に行われたGoogle Performance Summit 2016 (以下GPS 2016)で、デバイス別入札単価調整比が発表されました。今回の変更に伴い、調整比の上限も+900%(10倍)にまで拡大となりました。

 

参考記事: 2016年5月版アドワーズ新機能発表と、その詳細解説

 

2013年2月にエンハンストキャンペーン(Enhanced Campaign)がローンチした際はスマートフォンがまだ普及段階にありました。モバイル用のウェブサイトやアプリのユーザーインターフェイスは試行錯誤が続いていた時代で、コンバージョン率がデスクトップに比べて低かったため、あくまでも補足的にモバイルデバイス(タブレットを除く)に限り入札単価調整比が設定できるといった仕様でした。

 

あれから3年が経ち、モバイル経由のコンバージョン数がデスクトップを上回ることもけして珍しくない時代になりました。今回の変更は、モバイルファースト、マルチデバイスの世界を象徴するアップデートと言えるのではないでしょうか。

 

3. 拡張テキスト広告(ETA)

拡張テキスト広告も2016年5月に行われたGPS 2016で発表されました。テキスト広告の表示形式をモバイル最適化するため、下記のような形式に変更になりました。

 


参考記事: AdWordsの拡張テキスト広告が正式に開始 〜広告フォーマットもモバイルファーストへ

 

eta-adwords

 

—————————————————
見出し(タイトル/Headline)
半角25文字(※)×1行  ※日本では半角30文字

半角30文字x2行

 

広告文(説明文/Description)
半角35文字(※)×2行  ※日本では半角38文字

半角80文字x1行

 

表示URL
表示URLを手動で設定

最終ページURLのドメインが自動的に適用(ドメイン以下のパスは追加変更可)
—————————————————

 

タイトルに記述できる文字数が長くなり、説明文が一つにまとめられるなど、AdWords が今のかたちになって以来約15年間続いていたテキスト広告の形式が大幅に変更され、テキスト広告の文字数は従来より1.5倍になりました。

 

なお、拡張テキスト広告(ETA)への完全移行は2017年1月31日までとなっていますので、移行がお済みでない方は1月末までに移行しておくことをお勧めします。

 

4. レスポンシブ広告

同じくGPS 2016 で、レスポンシブ広告も発表されました。モバイルによって、ユーザーがアクセスできる場所はウェブサイトのみならずアプリやソーシャル、動画など、様々な場所に広がっています。それぞれの場所でそれぞれのサイズやトーンに合わせて手作業でバナーを作成していくのはほぼ不可能な状況になっていましたので、レスポンシブ広告の登場によってかなりの工数と機会損失が減ったのではないでしょうか。

 

gps-responsive

画像:Inside AdWords
 

必要なテキストや画像などを登録しておくことで自動的にどのようなサイズの広告も生成できることから、クリエイティブが、データフィードに近い存在となってきていると言えるのではないでしょうか。

 

5. 検索広告向けデモグラフィックターゲティング

2016年9月、ディスプレイ広告で可能だったデモグラフィックターゲティングが検索広告でも使用可能になりました。デモグラフィック情報(年齢/性別)に合わせて、入札の強弱や個別の設定ができるようになりました。

 


参考記事: AdWordsのデモグラフィックターゲティングが正式に検索連動型広告でも開始へ【2016年9月】

 

今回の変更によって、男性/女性に限定して広告を配信できるようになったことで、これまで獲得効率の観点から手が出しづらかったビッグワードに対しても配信がしやすくなったのではないでしょうか。配信結果はユーザーリストタブから確認することができます。

 

6. メッセージ表示オプション

2016年10月、「メッセージ表示オプション」が開始されました。「メッセージ表示オプション」とは、広告に表示されたメッセージ表示オプションのアイコンをユーザーがクリックすると、広告主アカウントが指定した電話番号に直接テキストメッセージが送られる機能です。

 

click-to-message-ads

画像: Inside AdWords
 

今はテキストメッセージの送付のみという仕様ですが、様々なメッセージングアプリと連携していく過程で、Chatbot などと連携していく可能性も垣間見え、今後の展開が期待されます。

 

参考記事: AdWordsに「メッセージ表示オプション」が追加

 

7. ショッピング広告の進化

2016年前半から、モバイルデバイスにおける配信規模が大きく広がりました。モバイルデバイス上では、ショッピング広告はテキスト広告よりも上に掲載されることもあり、EC系広告主にとってショッピング広告はますます欠かせない存在になりました。

 

mobile-organic-serp
 

また、「スニーカー」や「ドレス」などのまだ具体的に商品が絞られていない一般商材名系の検索クエリに関しては、ショーケース型の広告が表示されるようになるなど、ますます配信規模が拡大していくことが予想されます。

 

showcase-shopping-ads
 

2016年の米国のバーゲンシーズンでは、モバイルだけでなくデスクトップでもショッピング広告がテキスト広告を上回る傾向が確認され、データフィードのマネジメントがますます重要になってきていると言えるのではないでしょうか。


参考記事: 2016冬のバーゲンシーズンはショッピング広告がテキスト広告を逆転。予算シフトはほぼ完了か

 

8. リマーケティングのクロスデバイス対応

2016年9月、リマーケティングがクロスデバイスに対応したことが発表されました。今まで、Google のリマーケティングでは、cookie 単位(ブラウザ単位)でユーザーを認識していたため、モバイルで広告主のサイトを訪れたユーザーに対し、デスクトップでリマーケティング広告を表示させることができませんでした。

 

今回の変更では、デバイスごとに分かれていたcookie をGoogle のID などで紐付けることで、モバイルで広告主のサイトを訪れたユーザーに、デスクトップやタブレット上でリマーケティング広告を表示させる、といったクロスデバイス配信が可能になりました。

 

cross-device-remarketing

画像: Inside AdWords
 

今回の変更は検索、ディスプレイ両方に対応しています。今後、ますますデバイスを意識せずに広告を配信できる仕組みが整備されていくことが予想されます。

 

9. ユニバーサルアプリキャンペーンの進化

コンバージョンオプティマイザーとの相性も良いことも相まって、2016年ユニバーサルアプリキャンペーン(以下UAC)はアプリプロモーションには欠かせないキャンペーンとなったと言えるのではないでしょうか?

 

UAC でまず土台を作りつつ、足りない部分を検索、ディスプレイ、動画でそれぞれ個別に補っていくといった運用スタイルが定着してきたように思います。2016年は、iOS アプリ面への配信領域の拡大や、Google Play内での検索結果への広告表示、アプリ内イベントを基にしたコンバージョンオプティマイザーの登場など多岐に渡るアップデートがありました。

 

Google I/O で発表されたFirebase の登場によってアプリ内の行動を基にした広告配信がますます活発になっていくことが予想されます。また、同じくGoogle I/O で発表された、Progressive Web Apps の登場によって、アプリとウェブの垣根が低くなっていくことも予想されますので、引き続きUAC を中心としたアプリ関連プロダクトは注視しておく必要があるでしょう。

 

10. リマーケティングの第三者配信

こちらも2016年5月に行われたGPS 2016 において発表されましたが、この発表の本質的なインパクトのわりにさらっとしか発表されなかったので、つい見逃してしまった方も多いのではないでしょうか?

 

参考記事: 2016年5月版アドワーズ新機能発表と、その詳細解説

 

これまでAdWordsでは、 AdSense/DoubleClick Ad Exchange の広告枠へのみディスプレイ広告の配信が可能でした(Admobなど買収した他の広告ネットワークは除く)が、リマーケティングキャンペーンに限り、DSP を使わずとも複数のアドエクスチェンジのオークションに参加できるようになりましたので、GDN 以外の枠へもリーチが拡大されます。

 

この変化は、ただ単純にリマーケティングキャンペーンの表示機会が増加するという話に留まらず、AdWords と主要なSSP (Supply Side Platform)との接続が完了していることを意味します。AdWords の管理画面から第三者配信が出来るようになる可能性を秘めているという意味で、モバイルファーストとの文脈とも少し異なった変更点だったのではないかと思います。

 

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まだまだここには書ききれない様々なプロダクトアップデートがたくさんありましたが、これらのアップデートのひとつひとつにいち早く対応されてきた運用者のみなさま、2016年は本当にお疲れ様でした。例年同様、来年もまた大きな変化の1年になるかと思いますので、しっかり英気を養って来年をむかえましょう!

 

来年も引き続きよろしくお願い致します!

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