2016年11月1日、動画アドテクノロジー企業のアンルーリーは、動画コンテンツ評価ツール「アンルーリーEQ™」のリリースを発表しました。
オフィシャルサイト:アンルーリー
本ツールは、感情分析サービスのアフェクティバ社(本社アメリカ)、そして音楽データ解析のパイオニアであるムードエージェント社(本社デンマーク)と提携することで、革新的な動画コンテンツ評価を実現するとのことです。
音声検査でより詳細に動画コンテンツを評価
アンルーリーは、2015年11月にアンルーリーEQ™の前進「ShareRank™」を日本でリリース。ShareRank™では動画視聴中のフェイシャルコーディング(顔表情分析)と動画視聴後のアンケートにより動画コンテンツを評価することが可能でしたが、今回のアンルーリーEQ™では、さらにオプションとして音声検査を加えることで、動画コンテンツへの感情反応の変化や、広告効果への影響をより詳細に検証出来るようです。
具体的には、人工知能(機械学習)が音声信号から感情要素を自動的に解読し、動画コンテンツのサウンドトラックが人をどんな感情にするかを秒単位で分析出来るといいます。
アンルーリーEQ™のリリースに際し、ムードエージェント社CEO(最高経営責任者)ピーター・バーグ・スフェテンセンは次のように述べています。
ターゲティングの成功には、正確な感情分析が欠かせません。ムードエージェントでは、どのような音楽でも分析でき、アンルーリーEQ™が提供する動画コンテンツ分析の精度を高めます。アンルーリーとアフェクティバとの提携で、より深い感情分析とインサイトを提供出来ることを嬉しく思います。人を動かし、エンゲージする広告キャンペーンの新たな基準作りを目指します。
100万人の心理反応と3兆ビューのビッグデータ
実際にアンルーリーEQ™で動画コンテンツを評価する流れは下記の通りとなります。
? 動画に対して視聴者が抱く感情など心理反応と強度を検証
? 動画への心理反応に基づき、購入意向、ブランド好意度、シェアされやすさを分析
? 市場、業種ノーム値と比較した動画評価により、動画コンテンツが持つ課題を抽出
? データに基づくクリエイティブ改善策と配信戦略を提示
上記評価の結果に基づき、広告主は広告キャンペーン効果の予測、動画コンテンツの最適化をすることが可能となります。また、アンルーリーは消費者100万人の動画コンテンツへの心理反応と3兆ビューの動画のビッグデータを保有しており、これらのデータを活用して動画コンテンツのシェアされやすさを分析することも可能です。
ターゲット層を意識したコンテンツ作成が可能に
例えば、以下動画コンテンツをアンルーリーEQ™で評価したところ、ターゲット層に該当する18歳?34歳の男性は動画の23秒~25秒あたり(男性たちが踊りながらPuppymonkeybabyについて部屋を出ていくシーン)で最も笑顔となり、全体平均(ターゲット層含む調査サンプル全体の平均)と比較しても反応が高いという結果が出たといいます。
このことから、上記シーンによりフォーカスをするなどといったコンテンツ改善案が明らかになります。これはフェイシャルコーディングによる分析結果の一例ですが、このように事前にアンルーリーEQ™で動画コンテンツを評価することで、よりターゲット層に響く可能性の高いコンテンツの作成が可能となります。
動画コンテンツは制作コストがかかるケースが多く、短期間でPDCAを回すことが困難であるかと思います。そのため、配信前の動画コンテンツを客観的なデータに基づき評価し、コンテンツのパフォーマンス最大化を図れることは、広告主にとって大きなメリットとなるかもしれません。動画コンテンツの配信を検討している広告主は、アンルーリーEQ™による動画コンテンツ評価を一度検討してみてもよいのではないでしょうか。