2016年10月12日、Yahoo! JAPANはYahoo!プロモーション広告「スポンサードサーチ」(以下、Yahoo!スポンサードサーチ)の大幅な機能改善を発表いたしました。
リンク:【スポンサードサーチ】スポンサードサーチ機能改善のお知らせ
2016年8月の大幅な機能追加(参照:Yahoo!スポンサードサーチが大幅な機能追加を発表 〜テキスト補足オプションやレポートの拡張など)に続いて、またしても大型アップデートです。
リリース予定日は2016年11月中旬から下旬となっていますが、重要なアップデートを含みますので、内容をしっかり把握し、対応の準備を進めておきたいですね。
以下、アップデートの内容です。
1.「拡大テキスト広告」の登場
広告掲載フォーマットに新しく「拡大テキスト広告」が追加されます。
拡大テキスト広告を利用することで、既存のスポンサードサーチの広告よりも長いタイトルや説明文が設定でき、広告領域が広くなるため、インターネットユーザーに対してよりアピールすることが可能です。
文字数や仕様などの詳細は発表が待たれますが、こちらの名称と説明から察するにGoogle AdWordsの「拡張テキスト広告」と似た機能になると考えられます。
現状では既存の広告フォーマットを今後も作成できるのか、作成できなくなるのかも不明ですが、Google AdWordsでは拡張テキスト広告がデフォルトになり、既存の広告フォーマットは2017年1月31日以降新規作成できなくなることが発表されていますので、Yahoo!スポンサードサーチでも同様に完全移行する可能性が高いように考えられます。完全移行となっても慌てないよう、早めに入稿の準備を進めておくと良いでしょう。
また、注意すべきはYahoo! JAPANの検索結果において、デスクトップの右側広告枠は現在も表示されているという点です。
Googleの検索結果では2016年2月よりデスクトップの右側広告枠は廃止されており、検索結果の中央のみが広告表示枠となっているためテキストの文字数が増えても視認性が保たれていました。(文字数によっては一部が省略されてしまうこともありますが)
Yahoo!スポンサードサーチでは今後もデスクトップの右側広告枠を継続するのか、継続するのであれば拡大テキスト広告の表示仕様はどのようなものになるのか、要注目です。
参考:
・AdWordsの拡張テキスト広告が正式に開始 〜広告フォーマットもモバイルファーストへ
・ETA(拡張テキスト広告)のサンプル表示と、表示タイトルの省略について
・ETA (拡張テキスト広告) への完全移行が2017年1月31日に延期
2.コンバージョン測定機能の改善
(1)計測方法や自動入札への利用有無、計測期間の詳細設定が可能に
広告管理ツール上でコンバージョン測定を設定する際に、以下の項目を追加します。
・計測方法(「初回のみ」「すべて」から選択可能)
・自動入札への利用(「する」「しない」から選択可能)
・計測期間(7?90日間で設定可能)
リード獲得系のコンバージョンなど、重複を排除したい場合は計測方法を「初回のみ」、自動入札への利用を「する」と設定することで、ユニークなコンバージョンデータを基にした自動入札が実現できるようになります。
逆に、中間コンバージョンなど自動入札のデータ参照元として含めたくないコンバージョン設定がある場合にも、自動入札への利用「する」「しない」が選択可能になるのは有用でしょう。
(2)「ユニークコンバージョン」「総コンバージョン」が消え、「コンバージョン数」「すべてのコンバージョン数」が登場
広告管理ツール上の項目について以下の項目を削除し、「コンバージョン数」「すべてのコンバージョン数」の項目を追加します。
・ユニークコンバージョン数
・総コンバージョン数
・上記の値を基に算出している項目
今まで「ユニークコンバージョン数」で担っていたユニークカウントの機能が(1)の「計測方法」の選択に移行し、これに合わせて項目も変更すると思われます。
さらに「計測方法:すべて」を選択した場合の「すべてのコンバージョン数」の意味について考えると、クロスデバイスでの計測、ないしはアトリビューションを加味した計測対応への布石とも考えられるのではないでしょうか。
詳細は不明ですが、期待が高まります。
3.デバイス別入札価格調整率設定機能
これまでスマートフォンのみ入札価格調整率を設定可能でしたが、スマートフォン以外のデバイス(パソコン、タブレット)においても個別に入札価格調整率を設定可能になります。
特にタブレットからの流入や獲得が多いアカウントにおいて、細やかな調整変更が可能になるのはありがたいですね。
さらに入札価格引き上げ率の範囲が最大+900%(10倍)まで拡大されますので、より柔軟に調整できるようになります。
また、設定可能な入札価格調整率の引き上げ率の範囲を以下のとおり変更します。
(変更前)0%?300%
(変更後)0%?900%
※引き下げ率はこれまでどおり100%、および1%?90%の範囲で設定できます。
4.一部表示項目の削除
広告管理ツールおよびパフォーマンスレポートにおいて、以下の表示項目を削除します。
・平均CPM
・最大CPM
驚くべきは2016年8月に追加されたばかりの「最大CPM」がもう削除されるという点です。「平均CPM」と合わせてCPM系の項目がすべて消えることになります。
以上が現時点で発表されているアップデートの内容です。
特に「拡大テキスト広告」は詳細が発表され次第準備が必要ですし、コンバージョン項目やCPM系表示項目の削除はレポートに利用している場合改修が必要になります。
作業に直結するアップデートが多く含まれていますので、注意して準備を進めることをおすすめいたします!