これまでFacebookのアプリインストール広告では、クリックベースのアトリビューションのみ計測可能でしたが、今後はインプレッションレベル、つまりビュースルーでのアトリビューションを提供するとデベロッパーブログで発表しました。
リンク: View-through Brings More Flexible Attribution to Developers
Facebookの調査によると、表示された広告をクリックせずアプリをインストールするユーザーが多いことが明らかになったそうで、クリックスルーだけの計測では広告の価値を正確に把握することが難しい現状を踏まえてのアップデートのようです。「ビュースルーアトリビューションを使うことでより素早く、確信を持ってキャンペーンに変更を加え、広告を最適化していくことができます」とコメントしています。
なぜビュースルーが重要なのか
発表では「いくつかのトレンドがビュースルーインストールの上昇に寄与している」とし、ビューで完結しクリックされることが比較的少ない動画広告や、Wi-Fiが普及していない新興国の場合は通信環境が重要な要素になるなど、広告フォーマットと消費者行動の変化はより精度の高いアトリビューションモデルに必要という判断で開発されたようです。
ビュースルーアトリビューションがどう機能するか
インストールに関連する Facebook 内のクリックが発生すると、Facebookはクリックから24時間以内にユーザーがモバイルアプリインストール広告を見たかどうかをまずは確認します。インストール広告のビューがあった場合、Facebook はビューやインストールの情報をメジャメントパートナーに一旦渡し、パートナーを経由してエンドクライアントが確認するという流れになります。
モバイルアトリビューション解析、ツール、プラットフォームを提供しており、Facebook のメジャメントパートナーである AppsFlyer で Director of Partner Development を務めるBen Roodman氏は以下のようにコメントしています(意訳)。
我々は、ユーザーが自社のアプリを見つけられているのかという広告主の疑問に対して、より包括的なソリューションを提供できることを嬉しく思っています。今回追加されたビュースルーアトリビューションのデータは、マーケターにより深い Facebook キャンペーンのインサイトと、モバイル、オムニチャンネルがどれだけROIにインパクトを及ぼしているのかを示唆することができます。
2016年10月現在では以下のベンダーがメジャメントパートナーとして登録されています。
ベータテストの結果
ベータ版を導入した Pocket Gems で Director of UA を務めるChris Luhur氏のコメントが紹介されています。
“We partnered with the Facebook team to run a lift study and understand the effects of view-through attribution. What we found was that we were under-attributing installs by 18% when only using a last click attribution model. We always understood the effect of FB advertising, but this really helped quantify the overall impact. We’re very excited about view-through attribution as it enables us to better understand the effects of our advertising.”
(我々はビュースルーアトリビューションの影響を理解するために、Facebook のチームとリフト調査を実施したところ、これまで採用してきたラストクリックアトリビューションモデルのインストール数が18%下回りました。この結果を受け、我々は Facebook 広告の効果を実感しましたが、インストールに限らず全体への影響を定量化するヒントになったころが最大の収穫でした。ビュースルーアトリビューションによって、我々はの広告効果の全体像を正確に掴むことができました。)
モバイルのキャンペーンにおいては広告クリエイティブの最適化が非常に重要なポイントとなりますが、文中にもある通り広告フォーマットが増え、ユーザーも多様化が進む今クリックスルーでのインストール計測だけではサンプルサイズが足りず、広告クリエイティブのPDCAがなかなか回せないというケースもあるかと思います。
まずはメジャメントパートナー経由限定での利用開始となりますが、今後 Facebook のインターフェースでもローンチされることを期待して注目したいと思います!