日本国内では2011年6月から店舗へチェックインした時の特典として提供され始め、その後2012年4月から広告フォーマットとしても適用された Facebook クーポンがアップデートされました。ずいぶん昔から導入されてきた機能ですが、アップデートされるのは実に4年ぶりになります。
今回のアップデートでよりモバイルに最適化されたインターフェースへ一新されました。クーポンはオンライン用と店頭用の2種類が準備されており、広告として利用するだけでなくオーガニックのページ投稿としても利用できますので、ユーザーによるシェアでオーガニックリーチの拡大も期待できます。
アップデートされたクーポン広告をテストしたファッションブランドの Maurice’s は、一律$15の割引を宣伝するクーポン広告を配信し、ROASを31%向上させたそうです。
今回発表された4つのアップデート
1. クーポンブックマーク
クーポンを取得すると新しく追加された「クーポンブックマーク」という場所に自動的に保存されるようで、取得時に使用しなかった場合でもブックマークからすぐに呼び出して使用できるそうです。
2. リマインダの表示
クーポン取得後、使用しないまま離脱したユーザーにはデバイスを問わずリマインダが表示されるようになります。また、保存されたクーポンの有効期限が切れる直前にもリマインダが表示されます。
3. オンラインでのクーポン利用
UIも改善したようで、これまでより利用が簡単になります。Facebook 上でオンライン用クーポンを取得すると、広告主のウェブサイトに直接移動し、ウェブサイトを離れることなくクーポンコードをコピーしたり、利用規約などの詳細情報にアクセスできますので、クーポンコードやその他の詳細を暗記/メモする必要が無くなります。店頭用クーポンを利用する場合は、モバイル機器の画面に表示したクーポン(バーコード or QRコード)を会計時に提示するだけです。
4. 個別クーポンコード(近日発表予定)
現時点では1つの Facebook クーポンに対してき1つのクーポンコードまたはバーコードのみ発行されますが、特定のユーザーに値引率を変えたいなどの要望を見越して個別クーポンコードを開発中とのことです。「クーポンが広範囲にわたり配布されるのを防ぎたい場合」も想定しているようですので、1つのクーポンコードを利用できるユニークユーザー数の上限なども設けられるようになるかもしれません。
なお、発表があった2016年8月31日(日本時間)時点ではオンライン用クーポン広告のみ利用可能で、Facebook ページの [クーポンを作成] 画面または広告インターフェイスで作成できます(確認するとパワーエディタには対応していませんでした)。店頭用のクーポンは「数週間以内に広告インターフェイスで利用できるようになる予定です」ということですので、こちらもまずは広告マネージャのみ対応するようです。
クーポン広告の作成手順
まずは広告マネージャで [広告を作成] をクリックし、[クーポンの取得を増やす] を選択します。
Facebook ページとコンバージョンポイントを選択し、画面をスクロールすると下図のセクションが表示されますので、遷移先のURLやクーポンのタイプを設定します。固定の金額を設定する場合、デフォルトの通貨が米ドルになっていますのでご注意ください。
なお、ここで設定した [クーポンのタイトル] が広告のヘッドライン(サムネイル下部に大きく表示されるテキスト)に採用されます。[説明] はマウスオーバーすると「このテキストは、近況アップデートのようにクーポンの画像の上に表示されます。」という補足が表示されましたが、実際にはこの後に設定される [広告素材] セクションで決める仕様になっていました。
あとは従来の広告フォーマット通り、広告を配信するターゲットやプレースメント、予算・掲載期間を設定します。なお、クーポンはあくまで Facebook 内でのみ取得可能なため、広告のプレースメントでも Instagram とオーディエンスネットワークは選択できません。
最後に広告素材を決めて設定完了です。クーポンにもカルーセル形式のフォーマットが適用されており、最大10枚まで画像を登録できます。セール対象の商品の中で人気商品をピックアップして画像を並べるなど、1枚の画像より工夫の余地がありそうです。
上図右側にプレビューが表示されていますが、広告セットの [クーポンのタイトル] で設定した内容が赤枠、広告の [テキスト] で設定した内容が青枠に反映されます。視認性が高く、CTRへのインパクトが大きいのは赤枠のヘッドラインであることが多いため、各プレースメントでどのような見え方になるのかプレビューを確認しながら作成しましょう。
右側広告枠はヘッドラインの上限文字数がデスクトップに比べてシビアですので、配信した際文字が切れて語尾に「…」と表示されないようあらかじめ調整するか、文字数を削れない場合は右側広告枠の停止、または広告セットを別途作成して専用の広告を入稿した方がよいでしょう。
長くアップデートの無かったクーポン広告ですが、大幅アップデートを携えて第一線に復帰しました。ここ最近力を入れているローカルビジネス関連の広告製品開発や、ダイナミック広告を駆使したEコマース業界の躍進が関係しているように思います。新規顧客の獲得やセール期間中など、クーポンが活躍する場は多いにあるかと思いますので、今後の動向にも注目していきたいと思います!
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