データフィード時代の広告運用を考える:FeedTech 2016 に参加して

データフィード時代の広告運用を考える:FeedTech 2016 に参加して

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FeedTech 2016

2016年9月6日(火)、株式会社フィードフォース(以下フィードフォース)が主催する FeedTech 2016 が御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで開催されました。2015年10月に行われた FeedTech 2015 に続いて、今回が2回目の開催となります。

 

昨今注目が集まるデータフィードに特化したイベントとあって、1000人規模の参加者が集まり、大盛況のイベントとなりました。

 

参考リンク: FeedTech2016 熱狂の一日、再び | 国内最大級のデータフィード専門イベント

 

データフィードが欠かせない存在になった

フィードフォース代表の塚田さんがオープニングトークで述べた通り、この1年でデータフィードを取り巻く環境は大きく変化したと感じます。

 

2016年前半から Google の検索結果におけるショッピング広告の割合が、モバイルを中心に急速に増加し、ディスプレイ領域では、Facebook ダイナミック広告への対応も定着するなど、運用者にとってデータフィードが欠かせない存在となったように思います。

 

2015年の FeedTech では、「そもそもデータフィードとは」といった内容が中心でしたが、あれから1年経った2016年は、データフィードに関する具体的、実践的な内容が多かったことも象徴的だったように思います。

 

参考記事: データフィードの祭典「FeedTech 2015」を終えて

 

ボトルネックが取り除かれた

個人的にはフィードフォースさんの4つの取組みの中で発表された、データフィード最適化セルフツールのリリースはとても大きな発表だったと感じます。

 

参考リンク: フィードフォース、実績No.1データフィード統合管理サービス DF PLUS データフィード最適化セルフツールを年内に提供開始

 

今までは、自社の商品マスターデータを各プラットフォームの求めるデータの形に、下図のように個別に変換する必要がありました。

 

bottleneck

 

商品点数が少ない場合は手作業での対応も可能ですが、ある程度規模が大きくなってきた場合には商品マスターデータを管理するエンジニアの力を借りる必要があり、リソース状況次第では着手までにかなりの時間がかかってしまうケースも多々見受けられました。Google Merchant Center の「フィードのルール」のように、プラットフォーム側で変換できる機能もありますが、すべてのプラットフォームが高度な変換機能を備えているわけではありません。

 

今回のデータフィード最適化セルフツールが登場したことで、データの変換に関わるボトルネックが解消され、運用者自身でデータフィードを手軽に最適化することができ、工数の大幅な削減が期待できます。

 

selfmanagementtool

 

また、Google のMerchant Center をはじめとするプラットフォームの突然の仕様変更への対応も、ある程度このセルフツールで吸収できるようになるかと思いますので、仕様変更の度にエンジニアリソースを割かれる必要がなくなり、セルフツール側のマッピング機能で各プラットフォームへの個別対応がしやすくなるのもメリットだと思います。

 

今後、データフィード広告をローンチするプラットフォームが増えるごとにこのセルフツールが順次対応していくと思われますので、このようなツールの役割は今後ますます重要になってくるでしょう。

 

広告主が爆発的に増える予感

また、データフィード・アライアンス・プログラム「Beyond(ビヨンド)」の発表にも大きな意義を感じます。

 

参考リンク:フィードフォース、データフィード・アライアンス・プログラム「Beyond(ビヨンド)」を発表

 

各EC プラットフォーム機能を提供する各ASP事業者が持つ商品マスターデータを、「DF PLUS」を通じて各広告プラットフォームの形式に簡単に変換できるようになりました。

beyond

 

「Beyond」のパートナーのサービスを使ってECサイトを運営している企業は、自社サイトや商品マスターデータを改修することなく、手軽に各広告プラットフォームを利用することができるので、今後ますますデータフィード広告を始める広告主が増えていくでしょう。

 

各チャネルを横断した分析がしやすくなってきた

このように様々な面でインフラが整いつつあるデータフィードですが、運用者の視点からすると、データフィード広告が様々な配信面に広がることで、チャネルを横断した分析が容易になってきたと感じます。

 

ECサイトの商品詳細ページは、商品マスターデータの情報をフィードして動的に生成されているケースが多く、ある意味でデータフィードの一種だと言うことができます。

 

このように考えると、商品詳細ページをランディングページとするSEO、PPC も、下図のようにひとつの商品マスターデータの派生物として捉えることができ、各アイテムごとのトラフィック、コンバージョン数、ROI を、各チャネルを横断して分析しやすくなっているように思います。

 

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データフィード時代だからこそ、検索連動型広告のキャンペーンを見直す必要がある

上の図の中で唯一、キーワードを利用した検索連動型広告(PPC)だけは、運用者自身が広告キャンペーンの構成を考え、整える必要があります。PPCでも、AdWordsの「広告カスタマイザ」のようにデータフィードを活用した手法は今後増えていくと思いますが、それも適切な設計と運用があってこそ実現するものです。

 

今後ますますデータフィードが広告に活用され、分析においても垣根がなくなっていくことを踏まえると、検索連動型広告においてもウェブサイトの構造と広告の粒度を統一するために、下図のような形で広告グループと商品を対応させる形でキャンペーン構成を整えておくと良いと思います。

 

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AdWordsの場合は、キーワードと動的検索広告はひとつの広告グループにまとめて登録できますので、キャンペーンが分かれている場合は統合しておくと良いでしょう。

 

参考記事: 動的検索広告(DSA)のキャンペーン構成を考える

 

各商品のURL には商品マスターデータに由来するアイテムID (図の1234)が振られているかと思いますので、広告グループ名にアイテムID を入れておくと、あとで分析する際に便利だと思います。

 

今後、各プラットフォームがますますデータフィードに本腰を入れ始め、対応するメディアの増加や、仕様変更の頻度も上がっていくことが予想されます。今回フィードフォースさんが発表されたようなセルフツールを契機に、広告運用者がデータフィードを当たり前のように活用していく未来が、また一歩近づいたのではないかと感じています!

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