目次
品質スコアをよりわかりやすくするために
2016年9月12日週より、AdWords の管理画面で表示される新規キーワードの品質スコアが、デフォルトでnull値 (ブランク)になることが Google+ のAdWords ページから発表されました。
参考リンク: Providing more transparent Quality Score reporting
Google は2015年7月にAdWords 管理画面で表示されるキーワードの品質スコアを刷新し、統計情報のない新規キーワードにはデフォルトで 6 と表示すると発表していましたが、統計情報のないキーワードの品質スコア 6 と、統計情報があるキーワードの品質スコア 6 との混同を避けるため、null に変更したと考えられます。
また、品質スコアが null になっても、実際にオークションに入るときの品質スコアはアカウント内の最も近しい数値が参照されますので、実際に品質スコアが null または 0 になるというわけではありませんのでご注意ください。
参考リンク: The most significant part of the change is that keywords without traffic will now, by default, receive a score of 6
品質スコアについてはクリック単価に直結する数値なだけに、これまで様々な憶測や噂が飛び交ってきましたが、以下に誤解しやすい点を2つまとめておきます。
?管理画面の品質スコアと実際の品質スコアは別物
管理画面でキーワードに表示される品質スコアはオークションの際に使用される実際の品質スコアとは別物です。
クリック単価に影響する実際の品質スコアはデバイスやOS、地域、時間帯など様々な「要素」を考慮してオークションごとに計算されます。この「要素」は自動入札でコンバージョン率を予測するために使用している「シグナル」と近しいと考えられます。
?実際の品質スコアは広告に紐づく
また、管理画面上ではキーワードに紐付いて品質スコアが表示されるので、品質スコアはキーワードに紐づくものととらえられがちですが、オークションで使用される品質スコアは広告に紐づいています。
以上の点からも、管理画面に表示される品質スコアはあくまでも目安としてとらえておくと良いでしょう。では、その目安となる品質スコアはどのような時に使用するとよいのでしょうか?
下記に事例を2点紹介します。
?自動でキーワードを大量に入稿している場合
ネット通販系広告主の中にはサイト内検索のクエリをキーワードとして登録しているケースが多いかと思います。商品点数の多いモール系通販サイトの場合はAPI を利用して自動入稿システムを開発しているケースも少なくなく、ひとつのアカウントに数十万のキーワードが入っていることも珍しくありません。
その場合、すべてのキーワードの良し悪しを目視でチェックすることは不可能です。品質スコアの数値を利用し、品質スコア1 ~ 3 のキーワードは自動的に削除する、などのルールを設けて削除していくと良いでしょう。
?母国語でない言語のアカウントを運用する場合
グローバルにサービスを展開している企業の場合、母国語以外の言語のアカウントを担当するケースも出てきます。キーワードが拾ってきた検索クエリを入稿することも母国語以外の言語では判断が難しいでしょう。
その場合、ある意味でGoogle のアルゴリズムを信頼し、管理画面の品質スコアを目安にしてキーワードの取捨選択を行うと、良いかと思います。もちろんその国の言語がわかる人がチェックできることがベストですが、そうでないケースの場合は上記の方法を試してみることをお奨めします。
管理画面の品質スコアは1日に1回しか更新されませんし、時系列のレポートにも対応していません。AdWords のヘルプページに「品質スコアは有用な診断ツールだが、主要パフォーマンス指標(KPI)ではない」とあるように、あくまでも目安として利用することをお奨めします。
参考リンク: AdWords の品質スコアについて