2016年7月20日、Yahoo! JAPANはYahoo!プロモーション広告「スポンサードサーチ」(以下、Yahoo!スポンサードサーチ)の大幅な機能追加を発表いたしました。
リンク:【スポンサードサーチ】スポンサードサーチの機能追加について
今回の機能追加はGoogle AdWordsを強く意識したアップデートになっており、今まで「Google AdWordsにはあるけどYahoo!スポンサードサーチにはなかったこと」を解消する内容が中心です。リリース予定日は2016年8月3日(水)ですので、それまでに内容を把握し、対応の準備をしておきましょう。
以下、アップデートの内容です。
目次
1.広告表示オプションの機能追加
広告表示オプションに新たに「テキスト補足オプション」が追加されます。
具体的な仕様(文字数や表示方式など)は詳細の発表が待たれますが、オプションの名称から察するにGoogle AdWordsの「コールアウト表示オプション」と非常に近い仕様になるのではないかと考えられます。
▲参考:Google AdWordsの「コールアウト表示オプション」(赤枠内)
2.対象外キーワードの共有機能の提供
キャンペーンまたは広告グループごとに設定している対象外キーワードを「対象外キーワードリスト」にまとめ、複数のキャンペーンで共有できるようになります。
※従来通り、キャンペーンまたは広告グループに個別の対象外キーワードを設定することも可能です。
こちらは運用者待望の機能なのではないでしょうか。今までYahoo!スポンサードサーチでは対象外キーワードを設定する際、一つ一つのキャンペーンまたは広告グループごとに登録する必要があり、複数キャンペーンにまたがって、あるいはアカウント全体で除外したいキーワードがある場合、運用負荷のかかる作業となっていました。これを共有の「対象外キーワードリスト」として一括適用が可能になります。
Google AdWordsでいうところの [共有ライブラリ] > [キャンペーン除外キーワード] と同様の機能です。
たとえば無関係なサービスの名前や競合名など、複数キャンペーンで共通して除外したいキーワードは共有機能を使用し、商材別に分けたキャンペーン同士でのキーワード除外、掛け合わせキーワードのコントロールなどにはキャンペーン(または広告グループ)で個別の対象外キーワードを設定するといった使い分けをおすすめいたします。
参考:リストを使って複数のキャンペーンからキーワードを除外(AdWordsヘルプ)
3.レポート機能の拡張
パフォーマンスレポートで作成できるレポートに、以下の表示項目・条件が追加されます。
(1)キーワードレポート
・インプレッションシェア
・完全一致のインプレッションシェア
・インプレッション損失率
・最大CPM
インプレッションシェアまわりのレポートはキャンペーン、広告グループ単位でしか取得ができませんでしたが、(レポートのダウンロードという形とはいえ)キーワード単位で取得ができるようになります。
これにより、具体的にどのキーワードでのインプレッションシェアが低いのか、どの程度表示機会を損失してしまっているのかを確認し、対策を打つことが可能になりますので、Yahoo!スポンサードサーチの運用にとって非常に重要なアップデートです。
また、目新しいのが「最大CPM」の項目です。
Yahoo!スポンサードサーチはクリック課金制ですが、クリックの前にはインプレッションがあります。これはそのインプレッションの価値を指標化するという意味でインプレッションシェアと同じくくりとして追加される項目と考えられます。
(2)検索クエリーレポート
・キーワード
具体的にどのキーワードでどのような検索クエリーとマッチングしているのか、は検索連動型広告を運用する上で重要な視点ですが、今までスポンサードサーチでは、これを確認するには管理画面で1キーワードずつ選択し、[検索クエリーを表示] > [選択したキーワード] と進んで確認しなければならない(パフォーマンスレポートでは検索クエリーの一覧はダウンロードできるものの、どのキーワードで引き当てたか分からない)仕様でした。
今後は、キーワードと検索クエリーのマッチングがより確認しやするくなるため、広告運用の精度を担保しやすくなります。こちらもYahoo!スポンサードサーチの運用上、非常に重要なアップデートだと言えるでしょう。
(3)地域別レポート
23区分割で表示し、以下の表示項目を追加
・市・区・郡
地域別レポートの最小単位は「都市」だったものが、より細かい単位で取得できるようになります。
(4)パフォーマンスレポート全般
レポートを作成する際、レポートに含める内容を「全て」または「インプレッションが発生していない情報を除く」のいずれかから選択可能になります。
※ただし、以下のレポートは除く。
・検索クエリーレポート
・最終リンク先URLレポート
・地域別レポート
キャンペーンレポートなどでインプレッションが発生しているもののみにデータを絞るか、インプレッションが発生していないデータも含めるかを選択できるようになります。
除外対象のレポートはそもそもインプレッションが発生しないと取得できないレポートのため、選択は不可能ということですね。
4.広告表示の最適化の選択項目追加
1広告グループに複数広告が入稿されている場合、どのような広告をより多く表示するかを設定できる「広告表示の最適化」設定にて、「最適化して配信(コンバージョン率の高い広告を優先的に配信)」を選択することができるようになります。
掲載目的がコンバージョンでコンバージョン数が一定量あるもの、また自動入札でコンバージョンを指標とする設定にしている場合、広告表示もコンバージョン率を加味して最適化配信することで相乗効果に期待できるでしょう。
5.自動入札設定の機能追加
自動入札設定「クリック数の最大化」で「目標予算」を設定できるようになります。
詳細の発表が待たれますが、Google AdWordsと同様の機能であれば、この自動入札設定を共有するすべてのキャンペーン、広告グループ、キーワードに分配される予算となります。
複数キャンペーン横断で設定する際に有効な機能です。
参考:クリック数の最大化による入札について(AdWordsヘルプ)
以上が現時点で発表されているアップデートの内容になります。
それぞれの詳細はリリースを待つ必要がありますが、おおよその内容についてはGoogle AdWordsの現機能から推測が可能です。リリース予定日まで余裕を持って準備を進めておきたいですね。