Google 広告、2016年末に向けたショッピング広告のアップデートを発表。ショーケース表示や動画広告のオプションも追加

グーグルのショッピング広告が正式に画像検索にも掲載開始。ローカル在庫広告の強化でオフラインとの接続も進むか。

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ホリデーシーズンに向けたショッピング広告の更新

2016年7月12日、Google は、AdWords のショッピング広告(旧:商品リスト広告)を中心にしたEコマース向け広告のアップデートを発表しました。

リンク:Inside AdWords: Making Travel and Shopping Easier for the Seasons Ahead

サイバーマンデーやブラックフライデー、クリスマスのギフト需要など、一般にEコマースの最大の需要は11月後半から始まります。そのため、ここ数年は毎年のように、第3四半期(7-9月)にショッピング広告の大幅なアップデートが発表されています。2016年もその例に漏れず、幾つかの重要な更新が発表されました。

「2016年5月版アドワーズ新機能発表と、その詳細解説」という記事でも触れていますが、Googleの今後の製品アップデートは基本的にすべてモバイルを中心に(あるいはモバイルのみで)設計されており、今回の発表もモバイルショッピングを前提とした内容になっています。今回は重要な3つのアップデートがありますので、順を追ってご紹介します。

ショーケース型の広告表示

今回の発表で最もインパクトがあるのは、ショッピング広告表示のショーケース化だと思います。

showcase-shopping-ads

上記は、「サマードレス(summer dress)」で検索した際の検索結果ですが、カルーセル型でショッピング広告が現れ、タップしたあとに関連商品がショーケースで表示される二段構えの表示方式になっています。

ただし、全てのショッピング広告でこの表示形式が採用されるわけではなく、どうやら一般的な商品検索クエリに限って表示されるようです。品番や具体的な商品名そのものを表す場合はショーケース型ではなく商品そのものを表示した方がユーザーにとって利便性が高いため従来の表示形式が優先されますが、例にあるような「夏用ドレス」「リビングの家具」「レディース カットソー」といった特定の商品を示さない、曖昧な商品検索ニーズを吸収するために、検索者のイメージを具現化するような段階的な広告表示になっています。(アドワーズブログには表示イメージが分かりやすいアニメーションgifで表示されていますのでご確認下さい)

グーグルによると、製品検索クエリの約40%はこういった曖昧なニーズを表す一般用語が占めているとのことで、そういったユーザーの具体化していないニーズを受け止めるために、具体的な商品をいきなり提示するのではなく、リストとして提示するというのは理に適っているように思います。表示形式がウェブディレクトリを掘り下げていく体験に近いので、検索全盛になる前のウェブを現代的なデバイスで見るような、不思議な感覚になりますね。(オッサンの発言)

残念ながら今回の更新はアメリカ、イギリス、オーストラリアから近日中に先行スタートとなり日本は含まれていませんが、近い将来適用される可能性はあると思います。ショーケース型になることで以前にも増して画像の影響度は大きくなることが予想されますし、データフィードの一般用語に関する記述は、ダイレクトに広告効果に影響してくるのではないかと思いますので、いずれにせよデータフィードの品質向上には継続的に取り組んでいきたいですね。

TrueView for shopping に2つのオプション

TrueViewで配信する広告動画にショッピングカードが付与できる TrueView for shopping の自由度が向上しました。以下の2つの機能が追加されています。

Trueview for shopping companion banner

1. コンパニオンバナー
コンパニオンバナーといえばインストリーム動画広告ですが、TrueView for shopping にも付与されることになりました。動画のすぐ後に、商品イメージが表示されたインタラクティブなバナーが配信されます。

2. 商品ピッカー(優先度設定)
Product picker(商品ピッカー)という、動画に表示される商品カードに優先順位をつけられるようになりました。これにより動画に表示させる商品フィードのコントロールがしやすくなり、キャンペーンごとに個別の商品を割り当てることが可能になります。

上記2つの機能は、TrueView for shopping が利用できるキャンペーンであれば全世界的に適用されているようです。モバイル表示ではカードやコンパニオンバナーは想像より目立つ仕様になっていますので、もし商品の動画展開がこれからという企業があれば、これを機にスタートさせてみるのも良いかもしれません。

通貨表示の自動変更

ショッピング広告上で表示される金額を、検索者に合わせて異なる通貨で自動併記させるテストを行なっているようです。越境ECが可能なショッピングサイトでは常識になっている通貨の表示対応ですが、それを広告上で行う取り組みですね。

Currency conversions

こちらは、オーストラリア、スイス、カナダ、イギリスで先行スタートしており、2016年夏には地域と通貨を増やして展開していくとのこと。この表示変更に合わせたリンク先サイト上での表記変更は行う必要はないとのことなので、広告を見ているユーザーが実際の支払いをイメージできるようにするための施策と捉えればよいかと思います。


ここ数年で夏場から秋にかけてのショッピング広告の大幅アップデートは風物詩化しており、こういう記事を書くと、いよいよ下半期に入ったなあという気がします。

2016年のホリデーシーズンの主役はモバイルコマースであることは間違いありませんので、ショッピング広告を中心にぬかりなく準備していきたいものです!

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