拡張テキスト広告が正式開始
2016年7月26日(日本時間で7月27日)、Google は、AdWords のテキスト広告の文字数を大幅に拡げた、拡張テキスト広告(Expanded Text Ads)の正式公開を発表しました。現在はすべてのアカウントで拡張テキスト広告が利用できます。
リンク:Inside AdWords: Available today: three ad innovations for a mobile-first world
2016年5月に行われた Google Performance Summit で発表された拡張テキスト広告は、これまで正確な開始時期は明示されず、ホワイトリストされた一部の広告主から実施されていましたが、今回の発表によりすべてのアカウントで正式にスタートしたようです。
「モバイルに表示とユーザー体験を合わせるため」と説明されていた2016年の2月のデスクトップ検索右広告枠廃止は、今回の拡張テキスト広告を実施するための環境整備であったと言えます。現在のテキスト広告は AdWords が始まった15年前から基本的には同じ仕様でしたが、モバイルファーストになった世界に合わせて、広告文の情報構造自体を変えてきた、ということだと思います。
拡張テキスト広告の仕様
拡張テキスト広告は、従来のテキスト広告の文字数の約1.5倍になります。事前のベータテストでは多くの企業が従来の広告テキストより高いクリック率となっているようですし、リリース文でも ”It’s important for advertisers to take advantage of expanded text ads as soon as possible” と書かれているように、可能な限り早くテストを進めるのが良さそうです。AdWords Editor もVer.11.5から対応しています。
拡張テキスト広告の仕様は以下になります。
見出し(タイトル/Headline)
半角25文字(※)×1行 ※日本では半角30文字
↓
半角30文字x2行
広告文(説明文/Description)
半角35文字(※)×2行 ※日本では半角38文字
↓
半角80文字x1行
表示URL
表示URLを手動で設定
↓
最終ページURLのドメインが自動的に適用(ドメイン以下のパスは追加変更可)
今回の変更はすべてのアカウントが対象になる大規模なものですので、Google側もガイダンスを提供しています。以下のガイドページに詳細が載っていますので、編集を行う前にご一読頂くのがよいかもしれません。
リンク:拡張テキスト広告のガイド – AdWords ヘルプ
なお、2016年10月26日以降は、従来のテキスト広告の作成や編集ができなくなります。それ以降はすべて拡張テキスト広告の使用が必須となりますので、この夏から秋にかけて、拡張テキスト広告に移行しながらテストを重ねていくことをお勧めします。仮にその時点で従来のテキスト広告を残していたとしても、編集ができなくなる2016年10月26日以降も広告の配信は継続されるようです。
続々と広がるアップデート
拡張テキスト広告以外にも、レスポンシブ広告のネイティブ対応や、デバイス別入札の開始などもこのタイミングで改めてアナウンスされています。いずれも2016年5月の発表時に言及されていた機能で、確実に開発ロードマップを履行していることが伺えます。
なお、デバイス別については、自動入札の機能改善に合わせて目標単価(ROAS)を別々に最適化する機能もこの夏から秋にかけて実装されることが発表されていますので、これらの一連のアップデートによって、ユーザーの視認性や情報量の向上と、機械学習における RPM の向上を同時に達成しようとする狙いが見て取れますね。
広告運用者にとっては慌ただしい日々が続きますが、環境の変化へ適切に対応していくことによって、道が拓けると思います。頑張りましょう!