2016年7月20日(日本時間で7月21日)、Google は、AdWordsでコールコンバージョンのインポートが可能になるアップデートを発表しています。
リンク:Measure the true value of calls with imported call conversions
本アップデートは数週間のうちにすべての広告主が利用可能になる予定とのことです。
アップデート内容詳細
これまでのコールコンバージョンは、以下3種類のトラッキング方法に限られていました。
1. 広告からの電話問い合わせ(日本未対応)
2. ウェブサイト上の電話番号への電話(日本未対応)
3. モバイルサイト上での電話番号のクリック
上記1と2に関しては、通話をコンバージョンとしてカウントするための最短通話時間を設定することで、上記3の方法よりも正確に実際にコンバージョンに繋がった通話を計測することが可能です。しかし、最短通話時間を超える通話すべてが実際にコンバージョンに繋がったかを確認する術はなく、実際にコンバージョンに繋がっていない通話もコンバージョンとしてカウントしてしまうケースも発生してしまいます。
コールコンバージョンのインポートが可能になることで、広告主が自社で保有しているセールスコールのデータとAdWordsのコールコンバージョンデータをAdWords上で突合し、正確にコンバージョンにつながったコールを計測、コールコンバージョンにつながったキーワードや広告の入札調整を正確に行うことが出来るようになります。
すでにコールコンバージョンのインポート機能を活用している企業の事例も紹介されています。例えば、米国の保険会社Nationwideの事例について、エージェンシーパートナーであるPerformance DigitalのJordan Jonesは以下のように述べています。
Nationwideのエージェンシーパートナーとして、新規顧客を効率的に獲得するためにコールセンターにユーザーを集客することを重要視している。これまでは個々のクリックとコールコンバージョンを突合出来なかったため、検索においてNationwideのプレゼンスを最大化出来ていなかった。コールコンバージョンのインポートはAdWordsの計測レベルを向上させ、我々は現在コールセンターへの電話問い合わせにより発生した実際の売り上げをAdWordsにインポート出来ている。これらのデータを活用することで、マーケティング予算の配分、キーワードの入札や優先順位、キャンペーンの最適化に関してより良い決断を出来るようになった。まだそこまで時間は経っていないが、コールコンバージョンのインポートをキャンペーンの最適化に活用することにより、電話問い合わせにつながるパフォーマンスの良いキーワードに3倍の費用を充てることが出来ている。これはサーチクエリからの新たなキーワードの抽出にも寄与しており、コールコンバージョンのインポートを活用することによって投資を増やした結果である。
待たれるAdWords 専用転送電話番号の日本対応
コールコンバージョンをインポートするには、以下7つのデータ(1?4は必須)が必要になります。
1. Caller’s phone number:電話番号
2. Call start time:通話開始時間
3. Call duration(秒):通話時間
4. Conversion name:コンバージョン アクションの名前
5. Conversion time(オプション): コンバージョンが発生した日時
6. Conversion value(オプション): コンバージョンに設定する値
7. Conversion currency(オプション): コンバージョン値を表示する際の通貨
リンク:コール コンバージョンのデータをインポートする(AdWordsヘルプ)
上記6「Conversion value」をインポートすれば、目標広告費用対効果(ROAS)による自動入札機能も利用可能になります。
しかしながら、ここまでの説明ならびに上記インポートに必要となるデータを見てお気付きの方もいらっしゃると思いますが、AdWords専用転送電話番号に対応していない日本では本機能を活用することが出来ないのです!
Googleによれば、米国におけるスマートフォンからの年間電話問い合わせ件数は、2019年までには1兆6200億件近くまで到達すると予測されており、これは2015年より73%多い年間件数とのことです。電話問い合わせによるコンバージョン獲得を重要視している日本の広告主にとって、本アップデートは喉から手が出るほど欲しい(活用したい)機能でしょう。まずは AdWords 専用転送電話番号の日本対応を期待したいと思います!