広告表示オプションに「価格表示オプション」が追加
2016年7月18日(日本時間で7月19日)、Google は、AdWords の広告表示オプションに、新たに「価格表示オプション」を加えることを発表しています。
リンク:Inside AdWords: Showcase your services and range of products with price extensions
これにより、広告表示オプションで商品やサービスの価格訴求が可能になります。頻繁にセール情報などが更新されるEコマースでは、利用しやすいオプションではないかと思います。
広告表示オプションの詳細
2016年7月時点では英語かつ特定の通貨(日本円はまだ利用不可)での設定のみとなっているため、日本語アカウントではまだ設定がしにくい状況ですが、言語が日本語のアカウントでも価格表示オプションの存在自体は確認可能です。「広告表示オプション」タブからプルダウンで、価格表示オプションを選択することができます。
広告文は半角25文字まで設定可能で、価格については「〜円から」「最大〜円」といったように、単に単価を記載するのではなく、セールの表現に沿った表示をすることが可能です。
構造化スニペットオプションのように記載するジャンルを分けて表示するため、「商品カテゴリ」や「ブランド」、「場所(店舗)」ごとにオプションを作ることになります。商品だけでなくサービスの価格も表示できるため、Eコマース以外でも展開ができます。通常の価格表示オプションと同様にスケジュール設定が可能なため、期間限定のセールでも表記も可能です。
なお、価格表示オプションは少なくとも3本を設定する必要があり(最大は8本)、モバイルで1位で表示されたときのみ表示されます。
モバイルファーストを後押し
価格表示オプションのポイントは、ここ最近のアップデートに共通する「モバイルのみ」を前提にした機能拡張である、ということです。
価格表示オプションのリリースに際しては、モバイル表示、かつ1位表示のみでの記載ということで、平均CPCの高騰を気にする声が挙がっていました。
ただ、リリースに
make sure the information is relevant to your keywords and consistent with the types of products or services you’re advertising.
という記載があるとおり、おそらくは価格に意識的な検索クエリをトリガーとして表示されることが予想されますし、広告表示オプションは元々検索クエリと広告にマッチングし、広告ランクが高くないと表示されにくいため、入札だけを強化しても価格表示オプションの恩恵は受けにくいと思います。結果的には、価格系のクエリでしっかりマッチングできているか、というのがポイントになりそうです。
アメリカなどではショッピング広告(旧商品リスト広告)の配信比率が急激に高まっており、既に一般の商品検索語では検索連動型広告とのバランスが悪くなっているという指摘もあるため、価格表示オプションによってキーワード側に引き戻す、という背景もあるかもしれません。
なお、WordStreamではこの発表前に価格表示オプションのベータテストの結果を公開しており、かなり CTR が高くなったという結果が出たとのこと。仮にこの CTR が本物で、売上等の結果につながっているのであれば、平均CPCの高騰は限定的で済むかもしれませんね。
参考:NEW AdWords Price Extensions Rolling Out of Beta | WordStream
最終的には、「どういう情報がユーザーにとって価値があるのか?」という問いに帰結すると思いますので、価格に優位性がある商品/サービスであったり、ユーザーの意思決定において価格が重要だと思われるタイミング(モーメント)に合わせられる設定であれば、積極的に活用していくのがよいと思います!
【2016年11月11日更新】
2016年11月より、表示できる言語/通貨が大幅に増え、日本円でも作成が可能になりました! モバイルコマースを強化しているアカウントは、ぜひトライしてみて下さい。