カスタムラベルとは
Googleのショッピング広告(旧:商品リスト広告)を管理するショッピングキャンペーンでは、広告表現やターゲティングの精度がマーチャントセンターに登録されたフィード情報によって決まります。そのため、Google 広告の管理画面上で設定する商品グループの分割基準は、自然と入札調整とセットで考えられることが多いと思います。
2016年4月の時点では、商品グループとして分割可能な属性は、「カテゴリ」、「ブランド」、「ID」、「状態」、「商品タイプ」、「カスタムラベル」、「ショッピングチャネル」、「チャネルタイプ」の8種類(カスタムラベルは5種類可能なので計12種類)になります。
乱暴に言えば、この8種類の属性に合わせてGoogle 広告側で入札調整をするのが基本的な考え方になります。
ただ実際には、取り扱い品目が膨大な企業はさておき、品数が把握できる規模の一般的なEコマース企業の場合、「カテゴリ」や「ブランド」の数はそれほど多くなく、商品グループとしては変化がつけにくくなります。かと言って、「ID」だと基準が細かすぎて、商品点数が多い場合は入札作業は煩雑になってしまうでしょう。
そこで利用されるのが、「カスタムラベル」です。カスタムラベルとは、マーチャントセンターにある各レコード/SKUを任意の値でカテゴライズできる属性で、各商品レコードに最大5つ(0-4)まで作成が可能です。商品グループとして分割したい基準を決め、それを商品フィードの各レコードに属性として入力することで、商品別にカテゴリ情報を付与し、Google 広告側で分割が可能になります。
カスタムラベルの考え方
Google 広告のヘルプにもあるとおり、カスタムラベルは、季節限定商品、在庫処分品、売れ筋商品など、マーチャントセンター内で規定の属性を持たないものの、販売する上では重要となる指標を定義することが一般的です。
リンク:ショッピング キャンペーンでカスタムラベルを使う – Google 広告 ヘルプ
これは言い換えれば、商品データベースに販売や営業的な情報を付加するということでもあります。商品グループはGoogle 広告管理画面上でモニタリングしたり、レポートや入札の基準にもなりますので、大げさに言えば、「5種類のカスタムラベルをどう定義するか」は、そのまま「オンラインでの販売戦略をどう考えるか」につながると言ってもいいかもしれません。
では、カスタムラベルは実際にはどのような基準で設定すべきなのでしょうか。 “べき論” は企業の事情によってさまざまですが、一般的な設定は、Googleのヘルプにある以下のサンプルが参考になります。
上記の図の ステップ1: にある「定義」の列は、実際の属性としては存在せず、あくまで参考情報になります。この定義を最大5種類決めたうえで、その定義に沿った値を設定していくことになります。
それぞれのカスタムラベルに指定できる値の数は1つの商品につき1つですが、最大で5種類までカスタムラベルが設定できるため、各カスタムラベルの値を埋めていくことでその商品アイテムの詳細なカテゴライズができます。 ステップ2: でいえば、「カスタムラベル0」は商品の季節性に関する項目になりますので、例えば アイテム#3 の商品が季節性のない通年商品の場合、「カスタムラベル0」は空欄にする、ということになります。(もちろん「通年」という値を入れてもいいんですが、商品グループとして個別入札調整するより広告グループのデフォルトCPCで対応した方が効率がいいので、入れない方が現実的な対応です)
カスタムラベルの設定パターン一覧
実際の設定パターンをまとめると、おおむね以下のようになるのではないかと思います。すべてを使えばいいというわけではなく、商品の量や種類、キャンペーン設計などに合わせて考えるのがよいと思います。
■季節性
販売期間や、商戦期がはっきりしているような、商品にシーズナリティがあるもの。春、夏、秋、冬、お中元、クリスマス、など。
■製品特性
製品の色、サイズ、グレード、対象年齢・性別など、製品情報によって明示的にカテゴライズできるもの。「男性-LLサイズ以上」のように、商品展開によってターゲットが明らかな場合に組み合わせて使うことも。
■価格・利益率
販売商品に価格幅や利益幅がある場合、「ある一定金額以上」「高利益率」など、入札に差別化が必要なもの。商品ラインナップに合わせ、ラベルの項目に段階(テーブル)を設けることで入札と連動しやすい。
■セール・バーゲン
価格に変動があったり、在庫処分的に売り切りを目的としたもの。通常商品に後からフラグ立てすることが多いため、項目の更新に合わせてタイトルや価格なども同時に変えた方がよい。
■実績・戦略商品
よく売れるものや代表的な商品など、パフォーマンスや内部事情に合わせて設定するもの。「ベストセラー」「低CVR」「2016年注力」など、便利な反面、項目ルールを決めておかないとカオス化するおそれあり。
■バージョン・時期
製品のバージョン管理や販売年などを管理する目的のもの。レポートで経年変化を見ることもでき、アウトレットセールなどにも展開しやすい。
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ラベリングをある程度構造化できると、ショッピングキャンペーンの入札管理の自由度はグッと広がります。もちろん、ラベル付けにこだわりすぎて管理が煩雑になってしまっては元も子もありませんが、入札側でも成果を出すために、カスタムラベルからデータフィード管理を考えてみてはいかがでしょうか!