プログラマティック取引はディスプレイの3分の2を占める
米eMarketerは2016年4月5日、プログラマティック取引のディスプレイ広告が、2016年には全ディスプレイ広告の3分の2を占めると予測するレポートを発表しました。
リンク:More Than Two-Thirds of US Digital Display Ad Spending Is Bought Programmatically – eMarketer
レポートによると、2016年のアメリカのプログラマティック取引のディスプレイ広告費は、前年対比39.7%増の221億ドルに達し、全デジタルディスプレイ広告の67%を占めることになるようです。
更に、2017年にはその比率は72%にまで達し、広告費も274億ドルまで伸びると予想されています。
牽引しているのは、やはりモバイルと動画
プログラマティック取引の成長を支えているのは、もうしつこいくらいですが、モバイルです。2016年のモバイルディスプレイ広告のうち、プログラマティック取引の売上高は前年同期比で59.6%増の154億ドルに達しており、PCはとうに抜き去って、ディスプレイ広告全体の69%を占めています。
モバイルが市場を牽引していることは上記のグラフからも明らかで、2017年にはプログラマティックディスプレイ広告費の78%がモバイルになり、モバイルだけで前年の2016年度のプログラマティックディスプレイ広告費と同じぐらいを稼ぎだすと予測されています。
そして、もう一つのキーワードは、これもしつこいですが、動画です。
モバイルと動画は蜜月の関係にあり、動画のプログラマティック取引はモバイル経由が急成長しています。ただ、上記の予測はややコンサバティブになっており、2016年のプログラマティック動画広告費は55億ドルですが、内訳ではまだPCが上回っています。(PC:30.3億ドル、モバイル:24.8億ドル)
動画プラットフォームは今後ますますモバイルメインになっていきますし、昨今のソーシャルメディアの動画への力の入れよう(例:Facebookのライブ動画など)を考えると、この調査が及んでいない範囲でモバイル動画広告はもっと急成長をしているのではないか、と思ったりしますね。
いずれにせよ、プログラマティック取引の成長のみならず、2016年の時点で、モバイルをプライマリ、PC/デスクトップをセカンダリとして捉えてプランニング・運用をしないと現実にそぐわないという事実があることが再確認できるレポートだと思います!