これまで Instagram のホーム画面では、フォローしているアカウントの投稿を全てタイムライン形式で表示されておりましたが、Facebook のように関心度が高いであろう投稿に厳選して表示させる仕様にアップデートする旨アナウンスしました。
リンク:See the Moments You Care About First
アップデートに至った経緯を、今回の発表では以下のように説明しています。
“You may be surprised to learn that people miss on average 70 percent of their feeds. As Instagram has grown, it’s become harder to keep up with all the photos and videos people and businesses share. This means people often don’t see the posts they might care about the most.”
(ユーザーは平均して 70% のフィードを見逃しているという事実を知ると驚かれるでしょう。Instagram はアカウント数も増え、全ての写真・動画をチェックすることが難しくなりました。これは、本来そのユーザーにとって最も興味のある投稿を見逃していることを意味します。)
2016年3月4日、同年2月にソーシャルメディアの分析・レポートを行う Locowise が Instagram のエンゲージメント率が低下していると発表したレポートをご紹介(※)致しましたが、やはりタイムライン形式で全ての投稿を表示させることに限界が来たのでしょう。
※関連記事:Instagramのエンゲージメント率が広告のインプレッション増加に伴い低下 ─Locowiseのレポートより
発表の中で紹介されている例として、「今後セール情報や新製品情報を投稿すると、フォローしているアカウントが多いユーザーだろうと、タイムゾーンが異なる場所に住んでいて時差が発生するユーザーだろうと、それぞれが目を覚ますタイミングを待ってフィードに登場します。」と伝えています。
個々のユーザーに対して最適化され、関連度の高い投稿が厳選して並ぶようになればユーザーの利用率/時間はさらに改善するでしょうから、企業側にとっても決してネガティブなアップデートではないかと思います。ただし、当然ながらユーザーの関心度が低いと判断されればユーザーに表示される機会は減少しますので、これまで以上にユーザー目線に立ったコンテンツ制作が必要になるでしょう。
ちなみに、Facebook の投稿は、EdgeRank(エッジランク)というアルゴリズムをベースにスコアリングされています。EdgeRank は2010年4月に開催された開発者向けカンファレンスの F8 でエンジニアのRuchi Sanghvi氏とAri Steinberg氏が仕組みを詳しく説明しています。
エッジランクを決める主要素は3つで、?Affinity Score、?Weight、?Time Decay から構成されています。
●Affinity Score・・・「投稿元との親密度」。メッセージをはじめとする双方向のアクションや、プロフィールのページを見に行く等単方向のアクションの回数や頻度を総合的に評価したものです。
●Weight・・・「アクションタイプ別の重み」。例:コメント 100件 > いいね! 100件
※具体的な各アクションのスコアリング方法は公表されていません。
●Time Decay・・・「投稿の鮮度」。公開されてから新しい方が基本的には優位性を持ちます。
ただし、エッジランクの仕様は不定期でアップデートされていますので、Facebook newsroom の更新情報をチェックしましょう(最新情報は当メディアでも取り上げます)。
なお、本アップデートは今後数ヶ月かけて徐々に展開し、フィードバックを得るための時間を設けるそうです。日本でも急激にユーザーを増加させている Instagram の非常に大きなアップデートですので、引き続き注目してまいります!