2016年1月5日(日本時間で1月6日)、米オラクルがソーシャルプラグインの AddThis の買収を発表しました。買収額は不明ですが、TechCrunchによると2億ドル程度とのこと。
AddThisは、ソーシャルプラグインを通じて様々な(ほとんど全ての)ソーシャルメディアとパブリッシャーを結びつけたパイオニア企業です。最近はそのベースを応用して Smart Layers などのパブリッシャー向けサービスを提供していました。一時期より勢いはなくなってきたとはいえ、1,500万を超えるサイトに設置され、月間18億人分のエンゲージメントをトラッキングすることによるデータの蓄積は膨大な量になると思われます。
今回の AddThis の買収によって、オラクルは、かつて BluKai や Datalogix を飲み込んで大きくなった自身のデータサービス Oracle Data Cloud が「前代未聞のレベル(unprecedented levels)の分析基盤を擁することになると伝えています。
かつてのDatalogixの買収(参考リンク)がそうだったように、AddThisは多くのブランドや広告プラットフォームにとってはデータサプライヤーという顔を持っており、ユーザー行動やエンゲージメントでは非常に有用なデータを保持しているプレイヤーの一つです。それらが Data Cloud に統合されることによって、マーケティングのためのデジタルデータがオラクルにどんどん集まる構造が出来上がりつつあります。
ここ数年の投資状況を見ても、現在のオラクルにとって Data Cloud は最も力を入れているサービスだと思われます。今回の AddThis の買収によってその方向性がより強化されるとともに、これまで買収した Eloqua、Responsys といったマーケティング・オートメーション関連サービスの精度も更に上がってくるかもしれません。オラクルさん、激しいですね!