2016年1月19日、Facebook は自社の公式ブログで、テレビ番組がどれだけ話題になっているかを Twitter のデータを利用して測定する Nielsen の「Twitter TV Ratings」に Facebook上のユーザーの会話データが追加され、新たに「Social Content Ratings」としてリリースされたことを発表しました。
リンク:Introducing Nielsen’s Social Content Ratings
そもそも「Twitter TV Ratings」とは
Nielsen が提供する Twitter ユーザーがどれだけテレビ番組について話題にしているかを、デモグラフィックデータまで取得して視聴率を計測するソリューションです。計測出来るデータは年齢や性別のほか、「だれが実際にツイートしたか」や「だれがそのツイートを見たか」、「Twitterがテレビのリーチをどれだけ補完できたか」などの数値が確認できます。
多くのユーザーがテレビ番組のツイートをすることにより、平均50倍のユーザーの目に触れていることも確認されています。
Nielsen との提携に際して
Facebook の Media Partnerships Director を務めるNick Grudin氏と、Media Research Manager を務めるBrian Robinson氏は本ニュースの冒頭で以下のようにコメントしています。
“Television fans today no longer passively watch their favorite shows. They use their phones and tablets to actively discuss and engage with content about the shows they love while they air and throughout the week between episodes. Facebook plays host to a global TV conversation in part because fans enjoy discussing shows with the people who matter most to them.”
(今日では、テレビを受動的に見ている視聴者は少なく、スマートフォンやタブレットを使って積極的に自分の好きな番組の話をしたり、コンテンツにエンゲージメントしています。それも、放映の直後だけではなく1週間を通してそのような傾向が出ています。そんな状況の中、Facebook はユーザー同士がテレビ番組の会話を行うホストの役割を担っています。)
“Facebook has also become one of the best places for TV networks and show creators to connect with and build a community of fans. That’s why we’re pleased to announce a new alliance with Nielsen as they work toward an industry-standard metric that captures the total social conversation around television.”
(Facebook はテレビ番組の制作サイドと視聴者がコミュニティを形成する上で格好の場になっています。だからこそ今回我々は Nielsen との新しい提携を発表し、従来の視聴率計測だけではなくソーシャルネットワーク上でどれだけ反応があるのか把握できるようにしたのです。)
「Twitter TV Ratings」から「Social Content Ratings」に名称を変更した本ソリューションでは、当該のテレビ番組の放映時間だけではなく、1日24時間、週単位での計測が可能になり、今後は Instagram でも同様の計測が実施できるよう準備中だそうです。
Facebook とテレビの親和性
8月の調査では、米国における Facebook ユーザーのログイン率はテレビ番組の視聴率がピークに達するゴールデンタイムと重なっていることが分かりました。ブログ記事では、「1週間で何人のユーザーがゴールデンタイムに Facebook でアクティブだったかハイライトで確認できるインサイトをリリースした」と記載がありましたが、特に新しい項目が追加されているのを確認できませんでしたので、現状限定リリースなのかもしれません。
いくつかの国のゴールデンタイムをチャートで表したグラフも公表されています。
Source:Facebook
ユーザー間の会話を持続させる
先述しましたが、Nielsen の Social Content Ratings では、放映時間だけでなく番組終了後もデータを収集できます。放映が終えたあともその番組に関する会話は Facebook 上で続いており、一例として米国の放送会社 American Broadcasting Company で放映していた『Scandal』(邦題:『スキャンダル 託された秘密』)というドラマが例に出されています。
米国でシーズン5が始まったのが9月24日ですが、放送日に関する会話が約2ヶ月に渡って続いているのがわかります。このような会話がもたらす相互作用は、実に47%が非放送日に発生していたとのことです。
また、別のブログ記事では『Empire』(邦題:『Empire 成功の代償』)という別タイトルのデータも公表されており、エピソード毎の時間別会話量を確認することができます。
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前回の記事(こちら)では検索連動型広告との相性の良さを証明した Facebook ですが、今回はデジタルの枠を超えてテレビ番組との共生を目指した内容の発表でした。以前からもテレビとの相性の良さを発表してきた Facebook ですが、今後ますますその流れは加速するかもしれません。引き続き注目していきたいと思います!