モバイル計測の日本市場における可能性:AppsFlyer大坪直哉さんに聞く

モバイル計測の日本市場における可能性:AppsFlyer大坪直哉さんに聞く

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スマートフォンを中心としたモバイル?用が生活の中心になっている今、モバイル計測は明らかにマーケッターの課題の一つ。グローバルでアプリのSDK解析ツールプラットフォームを提供するイスラエルのAppsFlyerのカントリーマネージャーに就任した大坪直哉さんに、日本市場におけるモバイル計測の可能性、日本における戦?についてお話を伺いました。

 

イスラエル発、世界でもっとも使われているSDK

杉原:まずは簡単に会社紹介からお願いします。

 

大坪:AppsFlyerは、モバイルアトリビューション解析、ツール、プラットフォームを提供し ている会社です。4?前の2011?にイスラエルで設?されました。オーレン・カニエルがCEO を務めていて、世界で8ヶ国にオフィスがあります。1200以上のパートナーとパートナーシップを結んでいます。トラフィックは一日あたり50億以上あります。アプリのSDK解析ツールプラットフォームとしては世界最大のデータ取扱?を誇っており、世界で最も使われているSDKになります。

 

日本でもオフィシャルに参入する前から大手企業さんを含めたクライアントさんが結構いらっ しゃって、AppsFlyerのSDKを導入してくださっています。イスラエルに日本人が1人おり、これまでは彼?がリモートでサポートしてきました。イスラエルとの時差は6時間なのですが、彼女は日本時間に合わせて朝7時半には出勤しているので、それほどタイムラグがなくサポートできています。イスラエルにいるにも関わらず、サポートが非常に素晴らしいと多くの代?店さんから評価いただいていました。

 

杉原:そういう人が1人でもいるととても強いですね。

 

大坪:うちのサポートページを?ていただけるとわかりますが、彼?が現地でローカライズし て、ほぼ全てのドキュメントが日本語化されています。

 

中国でのマーケットシェアが70%以上

大坪:日本は10月1日に、恵比寿にオフィスを開設しました。海外ではすでにDeNA、LINE、SEGAなどに導入いただいていて、特に中国では、Alibaba、IGG、Tencent、Baiduとメジャーなプレーヤーが弊社のSDKを導入しており、中国でのマーケットシェアが70%以上あります。個人的には同じようなことをぜひ日本でも実現したいと思っています。

 

杉原:海外でそんなにトラクションがあるという主な理由は何でしょう?

 

大坪:いろいろありますが中国で大きな要素としては、弊社のサーバーが非常に堅牢であること、加えて非常にわかりやすい??体系という点があげられると思います。他社のSDKだと、サーバーが不安定であったり、また価格体系が分かりにくかったり、固定費が発生したり。クリックさ れただけでも課金されてしまうケースがありますが、うちの場合は、99.95%のサーバー稼働率を保証していますし、またノンオーガニックのインストールにのみ課?しています。逆にいうとキャンペーンをやっておらず、オーガニックの?入だけでもうちのレポートをずっと無?で使っていただけます。

 

杉原:良心的ですね。

 

大坪:中国のユーザーはかなりパフォーマンスとコストにセンシティブなので、それが一番の?由になっている のではないかと思います。

 

その次にアメリカも今頑張っています。大手百貨店のメイシーズ、WallStreetJounalなどで使われています。

 

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独立系のプロバイダーであること

杉原:独立したSDKプロバイダを求めていたということでしょうか?

 

大坪:そうですね。それは非常に大きいです。代?店さんだけじゃなくて、クライアントさん からも聞きますね。今までは日本は代?店系のSDKプロバイダが市場を獲得してきたところがあるんですが、他の代?店視点で?るとビジネス的にはやりづらい部分もありますし、クライアントさん的にも運用に柔軟性がなくなる面もあります。代?店さんとしてもそこはどうにかしたい と思ってて、海外ベンダーのOEMをやったり、自社開発しようとしたところも多かったみた いなんですが、うまくいかずに今に至っているというのがここまでの経緯としてあります。

 

そこに海外からうち含め、adjust、TUNEが日本に参入してきて、代?店的にもクライアント的にも選択肢が増えてきている状態です。

 

杉原:大坪さんが参加するに至った経緯は?

 

大坪:前職のCriteoで、2013?くらいから少しずつユーザーがアプリに移り始めていて、もうアメリカ、韓国の8割以上でアプリが使われているという状況でした。アプリでリターゲティングができるようにしたいというニーズは多かったんですが、なかなか進まず。そう言って いる間にアプリのトラフィックがどんどん増え、自分の主戦場をウェブからアプリに移したいなと2014?くらいから思っていたんですね。Criteoの中でそれができればよかったんですが、じゃあ他の会社で試してみようと思ったのが、この仕事を受けた?由でした。AppsFlyer は技術?も非常に高いし、OEMでもなく自社で開発をしているというのと、Facebook、Twitterの認定パートナーになっていることもあったので決めました。

 

5つの特長

杉原:なるほど。サービスの特長についてもう少し教えてもらえますか。

 

大坪:大きく分けて5つあります。

 

まず1点目。クライアントさんやエージェンシーさんに一番初めに話しているのは、システムが堅?で安定していますよ、ということです。社外のユーザーに対して99.95%の稼働?、ア ップタイムを保証しています。過去7日間でアップタイム、レスポンスタイムが、グローバルで?たときにどうなっているのかを対外的に公表しています。会社としてはかなりシステムの稼働?に自信を持っています。使っていただいてもシステムがダウンしているようでは、?えばクリックコストだけかかってインストールが発生しないということも起こってしまうので、ここは非常に重要だと思うんですよね。ダウンタイムが発生するようなSDKでは代理店としても売りにくいと思うんですよね。

 

2つ目は、先ほども述べた通り??体系が明確でリーズナブルだということです。ノンオーガニックのインストールにしか課?しない。固定費や他のユーザーアクションへのインアップイ ベントへの課?は一?ありません。固定費があるとエンタープライズレベルでないと使いにくいですよね。

 

3つ目が、ユーザー視点で設計されたインターフェースです。まずデータがリアルタイムで?られます。オーガニックもノンオーガニックもリアルタイムでデータを取り込めます。Push APIと呼ばれるものがあって、インストールがあった瞬間にデータをサーバーに飛ばす設計になっています。そのため実装のテストをするときも、1回クリックして1秒程?で反映されるので非常に実装がスムーズですね。それから、ローデータをエクスポートできます。最近は自社でBIチームをお持ちの企業も増えていますが、そういったところはプラットフォームでデータを?るのではなくて、データを取り込んで自社が持つ別のデータとマッシュアップして自身でデータを管?・分析することが できます。この機能は結構喜んで使っていただいていますね。それから、ユーザー視点で?たときに、日本のような代?店が強いマーケットで活きてくる機能ですが、代?店アカウントが設定できるんです。いわゆる子アカウントですね。大きなクライアントさんの場合、代?店を複数使い分けることがあると思います。このキャンペーンのときはA社、このときはB社といったように。その際、特定の人にしか?えない権限設定をした子アカウントを作ることができます。これは他社にはない機能です。

 

4つ目が業界最大の提携パートナー数です。現在1200以上、日本でもほぼすべてのネットワークと接続済みです。Facebook、Twitterとも公式認定パートナーになっています。自分たちはここのネットワークを使って出稿しているけど繋がっていますか?と聞かれることもあるのですが、ほとんどの場合、「そこ繋がっています」ということになります。

 

5つ目が、日本人による日本語のサポートです。

 

日本における実績、戦略

杉原:中国でシェア70%という話がありましたが、日本での実績はどうですか?

 

大坪:日本ではKONAMIさん、SQUARE ENIXさん、Baiduさん、KINGSOFTさん、日本ロレアルさんなど約30のクライアント様にすでにご導入いただいています。それ以外にも現在非常に多くの案件が進行中です。現在は日本発のゲームディベロッパーさんも、世界をマーケットに闘われていますが、国内のSDKベンダーの場合、彼らが世界に出ていこうとしたとき、繋がっていないネットワークが結構出てきてしまう。中国、ベトナムなどの東南アジアで接続ネットワーク数が非常に少なくて困っているという話をクライアント様からも耳にします。日本のデベロッパーが世界に出て行けば行くほど、グローバルで1つのプラットフォームでやりたいというニーズが彼らの中で高まってきていて、そういった意味でも世界でほぼすべての主要ネットワークと繋がっているAppsFlyerの需要がここ日本でも高まってきているんだと思います。

 

杉原:今後の展開、戦略はどうですか?

 

大坪:プロダクト的には今はまだアプリ内での解析が中心なのですが、スコープをどんどん広げてオムニチャネルに対応していきたいと思っています。実際店舗でのトラッキングなどにはすでに 対応していて、アメリカでは大手百貨店メイシーズなどが店舗で買い物をしたお客さんにアプリを?せてもらい、カスタマーIDで連携してそのお客さんがどのネットワーク経由でアプリをインストールしたか、真のライフタイムバリューをオフラインにまで拡大して?られるようになっています。これをアプリの中だけなく、ウェブまで拡張できるよ うにプロダクトを開発中で、来?のどこかでローンチできるのではないかと考えています。そうな るとウェブからアプリ、オフラインの現場まで、かなり広い範囲で本当のライフタイムバリューが可視化できるようになります。

 

販売チャネルとしては、今は特に限定はせずに、来るものは拒まずというか、そういう風に言える?場でもまだないですので、うちと付き合っていただけるような代理店様とは分け隔てなくお付き合いさせていただきたいと思っています。もちろんクライアントのニーズによってはクライアント様と直接ご契約させていただく場合もあります。

 

求められるパートナー像

杉原:AppsFlyerパートナーになるための条件はありますか?

 

大坪:AppsFlyerに対するパッションがあるのかどうか、というのが実際にお話をしていると 重要なんだなと思いますね。単に1ツールとして紹介したいというのではなく、本当に?いと思ってくださっているところは最初の打ち合わせの時点でかなり予習してきてくださっていて、「これはこう?解しているんですけどあってますか?」と。逆にそうじゃないところはこちらから説明して「あ、そうですか」という感じで、そのアプローチは代理店の方がクライアントとミーティングしたときにも出てしまうと思うんですよね。可能であれば、AppsFlyerのプロダクトの魅?をきちんと?解して惚れてくださっている方と積極的に協業させていただきたいと思っています。

 

あとは日本でのローカルのサポートを充実させていきたいので、人は 積極的に採用していきたいと思っています。短期的にまず3人は採用したいですね。お客様が増えてくるに従ってさらにヘッドカウントは獲得できますので、積極的に人材獲得に投資していきたいと思っています。現在はイスラエルにだけ技術関連の人間がいるんですが、アジアパシフィック、できれば東京にそういった人間を置きたいなとも思っています。

 

杉原:楽しみですね。最後に何かメッセージはありますでしょうか。

 

大坪:今Google Playで150万くらい、App Storeでも140万くらいのアプリがあって、1つのスマホに平均42個のアプリが入っていると言われています。アプリ提供者からすると、数あるアプリの中からまずどうやってインストールしてもらうか、インストールしてスマホの5インチの一等地に入れてもらった後にいかに使ってもらうか、というところにポイントがあると思います。AppsFlyerは戦場と化しているアプリ市場の中で、ライフタイムバリューの高い、本当に使ってくれるユーザーをどうすれば連れて来られるのか、そしてその後のリテンションを高められるのかという点でソリューションを提供していきます。そしてその先のお客様のビジネスの成功を丁寧なサポートで実現していきますので、いまアプリの広告効果に悩まれている方はぜひお気軽にご連絡いただければと思います。

 

杉原:本日はありがとうございました。

 

《対談者プロフィール》
大坪 直哉(おおつぼ なおや)
AppsFlyer
Country Manager, JAPAN

2015年9月にモバイル広告効果測定プラットフォーム業界のリーダーであるAppsFlyerにJapan County Managerとして入社。日本市場における同社サービスのローンチを今まさに行っている。同社入社以前はCRITEOにおいて4年間アジア太平洋地域のミッドマーケットチームの立ち上げとビジネス拡大にあたる。それ以前は今や伝説となっているOvertureで、ダイレクトセールスチームを立ち上げ、その黎明期から検索連動型広告ビジネスに従事。SEMからリターゲティング広告、そしてアプリにおけるアトリビューション計測と、インターネット広告およびアドテクノロジーのトレンドを一足先に読み、新しい市場の創造に貢献してきた。
AppsFlyer
https://www.appsflyer.com/jp/

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