Upcast
DSPのパイオニアであるMediaMathが買収先として選んだUpcast。その実力をMediaMath株式会社のカントリーマネージャー横田祐介氏、プラットフォームソリューションズ・ディレクター手塚充男氏、シニアマネージャー新井博子氏にお話を伺った。
MediaMathはDSPがメインのビジネスだが、提供しているプラットフォームを総称してデジタルマーケティングのオペレーションシステムという言い方をしている。配信や分析、レポーティングの中のひとつに、ソーシャルのツールであるUpcastがあるという位置付けである。常にデマンドサイドのソリューションにフォーカスしてきており、DSPにおいては最適化エンジンBrain、高い透明性、300社以上のアドテクノロジーパートナーと連携してきたオープンAPI、5000人以上受講してきたプログラマティックについての教育などを強みにビジネスを伸ばしてきた。
UpcastはMediaMathが機能面を中心に50社以上を検討の結果、2014年に買収した会社のツールで、それまでも広告代理店で使われてきたツールという。
Upcastは、ログインすると全てのクライアントのデータがシングルログインで見れる。毎回データをダウンロードすることなく、一回ログインすれば全ての情報を見ることができる。切り替えた時点でクライアントのデータがダウンロードされるので、一回一回ダウンロードする必要がない。ツールによってはデータの同期で時間を取られることがあるので作業効率化につながる機能だ。
サードパーティのトラッキングも自動で連携。クリエイティブに自動的にDoubleClick for Advertisers(DFA)、Google Analytics、MediaPlexのタグが挿入される。
ターゲティングに関しては、スプリット機能で男女、年齢、場所、プレースメントなどを細かく区切り、組み合わせについても作業の手間をかけず一気に作成が可能。作成したターゲティングは保存でき、あとで使い回しができる。保存する際の名前も自動でついて複数保存される。保存すると、マスターのターゲティングの下に細かく分けたものが自動で生成される。キャンペーンを作成するときに紐付けられるので、使う使わないを選ぶことができる。
最大の特長は、バルクキャンペーン作成機能。複数のキャンペーンを一気に作ることができる。
広告イメージの組み合わせも可能。事前にデータをアップロードしておき、イメージ番号とメッセージのコピーペーストで何百通りのコンビネーションが作成され作業時間が短縮できる。配信したくないものを手動で選んだり、デイパート機能で配信時間も細かく指定できる。
フリーケンシーキャップを設定可能なのも興味深い機能だ。Upcastではオークション形式で「約何回」という形で買う。例えば合計で5回配信したら自動的に止めることができる。
ルールベースの自動最適機能を使えば、例えば1日に12回、クリック率が0.1%を下回る広告セットを自動停止するといった設定ができる。
独特の機能としてはウェザーストラテジーという、天気を条件設定に使える機能だ。5分おきに、openweather.comという天気のAPIのツールと連携しているため、例えば東京で天気が晴れ/雨、気温が〜度以上、湿度が〜%、降雨量が〜の場合はどのような広告を出すか、動画を流すか、などが設定できる。
事例としては、ドイツの靴小売最大手のDeichmann社が、Upcastを使ってダイナミックプロダクト広告のリターゲティングキャンペーンを実施したところ、効率的なキャンペーン管理と最適化でCPO(Cost per Order)を84.5%削減できたという。
ツール名 | Upcast |
提供会社 | MediaMath |
特長 | ・シングルログインのクライアントダッシュボード ・サードパーティトラッキング(DFA、GA, Mediaplex) ・Splitでターゲティング作成 ・バルクキャンペーン作成 ・デイパート ・フリーケンシーキャップ ・UI上でピボットテーブルが組める ・DPAをUI上で設定 ・ルールベースの最適化戦略 ・天気APIを使ったアクション条件設定 ・オーガニックpage postを自動で広告出稿 ・page postをバルクで作成 ・Interest mining ・Twitter、iAd管理(日本ではベータ提供中) ・ウェブQuery機能。ログインせずにエクセル作成 |
提供価格 | 応相談 |
提供先 | 広告代理店および広告主 |
URL | Upcastのサイトへ |
事例 | ドイツ小売最大手Deichmann社がUpcastでDPAを実施しCPOを84.5%削減 |
連絡先 | MediaMath株式会社 jp-team@mediamath.com |