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広告レポート業務を改善する3つのテクニックを考察
運用型広告の運用者の仕事のなかでも、かなりの時間を占めているひとつに、広告レポート業務があります。広告レポート業務は、広告レポート作成と広告レポート分析で構成されます。どちらも重要な業務であり、手を抜くことはできません。
ここ最近では広告レポート作成ツールが普及し、定型化可能なレポートの作成の時間や工数は大幅に削減されてきているように感じます。しかし、定型化が難しいレポート作成は、運用者が作成していることが多いと思います。一方、広告レポート分析は運用者にとって、分析作業は自分自身が施した施策の結果を真摯に受け止める大切な業務であり自動化はできません。
このように広告レポート業務は、運用型広告の運用者にとって欠かせないものです。しかし、未だに広告レポート業務に多くの時間を割いていることも事実です。広告レポート業務に、どれくらい時間を割いていくのかは、運用型広告とは切っても切り離せない問題です。
少し前になりますが、Marketing LandにコラムニストMatt Umbroが、広告レポート業務を改善する3つのテクニックを考察したコラムがありました。今回は、このコラムを参考にし、広告レポート業務について考えたいと思います。
リンク先:The 25% Rule For Reporting And Why It Matters
広告レポート作成&分析業務は25%までに抑える
運用型広告を成功させるために、詳細な広告レポートを作成し分析することは、とても重要です。しかし、複数の詳細な広告レポートの作成に多くの時間を使い、アカウントの最適化に手が回らなくなってしまうことが、よくあります。特にキーワード数の多いアカウントや、多商品ECサイトの運用では、この傾向が強く出ます。
では、広告レポート業務にどれくらいの時間を割けばいいのでしょうか?
Matt Umbroは、広告レポート業務は業務全体の25%までに抑えるべきだと指摘します。
広告代理店の運用者の方、インハウスの運用者の方でも、午前中がレポート業務のみで終わると、少し広告レポートに時間を割きすぎている感覚があるのではないでしょうか。例えば、1日に8時間の業務と考えた場合、25%は2時間になります。9時から開始して11時に終わり、残り1時間で具体的な施策を考え、午後の業務に備えることをイメージして頂ければ、腑に落ちる方が多いのではないでしょうか。
見るべき、報告すべきポイントに絞る
代理店の運用者は広告主へ、インハウス運用は社内やマネージャーへの報告会のレポートだけではなく、日々の運用でも詳細な部分に注目しがちです。特に検索連動型広告は変数も多く、さまざまな角度から分析が可能です。しかし、日々の分析業務や全ての広告レポートで、さまざまな角度のデータを落とし込む必要はありません。
過去の経験上、詳細なレポートを作成したとしても、ほとんど見られない部分が多く、議題にならないことがよくあります。Matt Umbroもコラムのなかでも、見られない部分は削除すべきだ、と指摘しています。
では、日々の運用や報告会のレポートで何を見るべきなのか?
アカウントが改善する影響度が大きい部分を見るべきだと思います。ここで指す影響度とは、コンバージョン数と費用が多い、キャンペーン、広告グループ、キーワードです。コンバージョンと費用の80%は特定のキャンペーン、広告グループ、キーワードで構成されていることが多く、その部分をしっかりと確認していくことが重要です。
Matt Umbroもコラムのなかで、コンバージョンやクリックなどが多いTOP30のキーワードを見せることを考えるように勧めています。あくまで想像ですが、Matt Umbroの経験上、さまざまな指標のキーワードTOP30をから確認すれば、アカウントの状態は把握できるということなのかもしれません。
広告レポート業務だけではなくアカウントの最適化を実施する時も同じですが、影響度を考慮して施策を実施しなければ、時間を掛けても改善が進まない場合もあります。広告レポート業務もアカウントの最適化も、影響度を考えることが重要です。
広告レポート作成を自動化できることは自動化する
繰り返しになりますが、ここ最近は広告レポート作成ツールが普及し、定型化可能な広告レポートの作成の時間や工数は大幅に削減されてきているように感じます。しかし、定型化が難しい広告レポート作成もあり、運用者から広告レポート作成作業はなくなることはありません。
しかし、広告レポートの作成、保存、スケジュール設定などの管理画面の機能を活用することで、ちょっとした時間を削減することは可能です。確認する頻度は少ないけれども、週に1回、月に1回確認しておきたい広告レポートのスケジュール設定はおすすめです。
また、運用型広告の運用経験や知識が豊富な広告主企業の担当者も増加しており、広告レポートの作成、保存、スケジュール設定などの管理画面からのメール送信を受け入れてくれる場合もあります。広告主にとっても、広告レポート作成業務に時間が取られ、アカウントの最適化が進まないことにメリットはありません。また、近年は、DSPなど出稿媒体も急激に増加し、広告レポート業務に時間がかかってしまう傾向にあります。これからは代理店、広告主企業の担当者がしつかりと話し合い、効果を出せる状況を一緒に作ることも大切ではないでしょうか。
まとめ
今回は広告レポート業務について考えてきました。黎明期からレポート業務は運用型広告の運用者、広告代理店にとって大きな課題です。広告レポート自動化ツールの普及により、以前に比べ広告レポート作成業務の負荷は大幅に減っている印象があります。その結果、分析や具体的な施策を考える時間は増加傾向にあると思います。
しかし、自動的に広告レポートが作成されるようになり、あまりに詳細な広告レポートやほとんど見ない広告レポートを作っていることに出会うことがあります。広告レポートを確認し分析する時間も広告レポート業務時間と考え、直感的に分析や具体的な施策に落とし込める広告レポートが重要ではないでしょうか。