Merkle|RKGのコラムニストAndy Taylorは、Googleのスマートフォン検索結果画面に広告が3つまで表示された影響をデータから分析し、その結果を共有しています。
リンク先:The Early Impact Of Google Adding More Ads To Mobile SERPs
最近、Googleのスマートフォン検索結果画面で広告が3つ表示される検索クエリもある、という報告がありました。
リンク:Google Confirms Three Mobile Text Ads Showing On Some Queries
Merkle|RKGはデータ分析から、Googleがスマートフォン検索結果画面に3つ目の広告を追加したことを裏付けるような変化を見つけたようです。
また、Merkle|RKGはデータを分析した結果から、Googleのスマートフォン検索結果画面に広告が3つ表示させることは、広告主にとってメリットがあると考えているようです。
下のキャプチャーが、スマートフォン検索結果画面に3つ目の広告を追加された例です。
今までは、商品リスト広告(PLA)のカルーセルが表示される場合も含めスマートフォンの検索結果には2つまで広告が掲載されていました。しかし、上記のように3つまで広告が表示される場合もあるようです。
Googleのスマートフォン検索結果の1ページ目に広告が掲載されれば、クリック率が高く、多くの流入が見込めます。しかし、広告は2つまでしか表示されないため、激しい入札競争になっているようです。
Googleのスマートフォン検索結果画面に広告が3つまで表示される変更によって、激しい競争が緩和される要因になるのではないでしょうか。
目次
■平均掲載順位が下がり、表示回数が急増
スマートフォン検索結果画面で広告が3つ表示された影響を知るために、一般的な規模の広告主のデータを分析をしたところ、6月下旬から7月上旬にかけスマートフォンのみ、表示回数の大幅な増加がみられたようです。
また、スマートフォン検索結果画面に3つ目の広告が表示されるということは、今までより低い掲載順位でも1ページ目に広告が表示されることになります。このことから全体的に平均掲載順位のデータは下がっていることが予測されます。
実際のデータを見ると平均掲載順位は6月下旬まで変動はほぼみられないのですが、6月下旬以降にスマートフォンのみ、平均掲載順位が下がっていることがデータから読み取れるようです。
データ分析の結果から、6月下旬以降に表示回数の大幅な増加と平均掲載順位が下がったことが読み取れます。この変化から、Googleがスマートフォン検索結果画面に表示される広告を2つから3つを表示する仕様に変更したことを裏付けられるのではないか、と考えているようです。
スマートフォン検索結果画面に表示される広告が2つから3つになり、今までよりも低い掲載順位でも1ページ目に表示されるようになったことがデータからも読み取れます。スマートフォンでの表示回数が急激に伸びた場合は、表示回数が伸びたキーワードを特定し、実際に検索結果を確認したほうがよさそうです。
■商品リスト広告の表示は減っていない
商品リスト広告とテキスト広告が同時に表示されている場合は、このように表示されるようです。
今回の変更で商品リスト広告は、テキスト広告が2つだけ表示された場合のみ表示される仕様になり、表示回数が減少してしまうことが懸念されます。
しかし、商品リスト広告のデータを確認すると表示回数は減っていないようです。4月以降に表示回数は増加しており、スマートフォン検索結果画面に3つ目の広告を追加されたと考えられる6月下旬以降は、さらに表示回数が増加しているようです。
ここまでの分析から、商品リスト広告を含め、スマートフォンにおいて表示回数の大幅な増加や平均掲載順位が下がる傾向が確認されました。しかし、表示回数の増加や平均掲載順位の変動は落ち着いてきているようです。
Googleは、スマートフォンのほとんどの検索結果に商品リスト広告を含む、広告を表示させていることも考えられ、、データが示している表示回数の増加のすべてが、スマートフォン検索結果画面に3つの広告が表示されるようになった影響であると言い切ることは難しいかもしれません。
日々、スマートフォンからの検索は増加しており、検索数が伸び続けていることは想像できます。しかし、今回の分析結果から得られた商品リスト広告を含めた表示回数の大幅な増加の原因が、ユーザーの行動だけでは説明しきれない、と考えているようです。
また、今回のスマートフォンでの分析結果は、少し前にMerkle|RKGが発表した報告(Is Google Showing Fewer Ads Per Search?)で、PCではFirst Page Bidの見積もりやブランド・非ブランドのキーワードのクリック単価の高騰、クリック数の減少とは対象的な結果になっていることも指摘しています。
■平均クリック単価の動きは?
検索結果画面に表示される3つ目の広告は、他の2つの広告よりも平均クリック単価が低く、スマートフォンにおける全体の平均クリック単価を下げる要因になると考えられます。
スマートフォン検索結果画面に3つ目の広告が表示されたことにより、スマートフォンの平均クリック単価にどれほど影響しているのかについて、2015年2Qのデータを確認すると2015年1Qとの比較であまり大きな変化は見られていないようです。
しかし、今後すべての検索結果で広告が3つ表示されるようになれば、スマートフォンとPCの平均クリック単価の差は広がるのではないかと考えているようです。
スマートフォンでは、広告を上位表示させなければ何も結果が得られないため、平均クリック単価が上がってしまう傾向にあります。今回の変更で平均クリック単価が下がっていくかどうか、注目したいと思います。
■スマートフォンからの流入は増加しているが、成果率(CVR)は維持
当然ながら、表示回数増加にともないクリック数も増加しているようです。
一方、成果率(CVR)は4月以降は徐々に下がっている傾向が見られます。しかし、スマートフォン検索結果画面に3つ目の広告を追加したと推測される6月下旬以降も、大きな変化は見られないようです。
表示回数、クリック数共に大幅に増加しているにも関わらず、成果率(CVR)に変化がないという素晴らしい結果だと思います。しっかりと、ユーザーにとって意味のある広告が表示が拡大された結果ではないでしょうか。
■自然検索からの流入との関係
2015年2Qのデータでは自然検索からの流入が12%上昇し、スマートフォンが44%伸びたことが全体を成長させていた要因のようです。
しかし、スマートフォン検索結果画面に3つ目の広告を追加することで、2015年3Qはスマートフォンの自然検索結果からの流入の成長は鈍化すると予測しているようです。
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■まとめ
Googleがスマートフォンの検索結果に広告を3つ表示させた影響をみてきましたが、表示回数、クリック数、成果率(CVR)の変化や商品リスト広告、自然検索への影響など様々な面に影響を与えているようです。
検索結果の表示は変化しても、運用の中心である、ユーザーにとって有益な情報を提供すること変化はないと思います。変化に惑わされず、何が重要であるかをしっかり見極めて日々の運用に励みたいと思います。