利用状況やスマートフォン対応について
清水:全てのサービスは、代理店経由からも申し込みができ、クライアントからも直接申し込んで使えるのでしょうか?
石黒:はい、問題ありません。他の申込スキームとして、成果報酬型で行っていますので、ASPからクライアントを紹介いただき、ASPの一媒体として参加するという形もあります。トラッキングもASPのシステムを使わせてもらっています。
イギリスなどでは6割ほどがASPから紹介してもらい、ASPと我々の仕組みを合わせて使っていただいています。
清水:VeJapanのプロダクトを利用されている業種でいうと、やはりEコマースのクライアントが向いているのでしょうか?
石黒:数的にはそういうクライアントが多いのですが、旅行関係も結構多いですね。例えばエティハド航空では、航空チケットの予約時に途中で離脱すると、予約したチケットの情報を入れたメールが送られるようになっています。世界中の言語対応も弊社で行っており、かなりの効果を生み出しています。
他にはホテルのブッキングや、クレジットカード、保険会社などもあります。何かしらコンバージョンが必要なサイトであれば、お使いいただけます。
清水:スマートフォンは対応しているのでしょうか?
石黒:現在はメールと広告に対してはスマホ対応ができています。ポップアップに関してはまだですが、この夏には対応できるように準備中です。ただ、離脱するタイミングがPCと違い、スマホだと制御できる範囲が少ないので、ある程度決まった動作だけでポップアップがどう出るか、デザインをどうするかといった課題は多いかなと感じています。
清水:最近では、CriteoやFacebookなど自社でクロスデバイス間をトラッキングさせる仕組みをリリースしていたりしますが、御社ではクロスデバイスというテーマについてはどうお考えですか?
石黒:そこは重要だと考えています。まだ実現はできていないのですが、できるような仕組みを考えて開発に取り組んでいます。
さらなるCVR向上へむけて
清水:その他に注力されているテーマやビジョンはありますか?
石黒:開発中のプロダクトがいくつかあります。タグさえ入っていれば、弊社がサービスを開始したときに使うことができるのですが、クライアントとパートナーとなるには、せっかくサイトにやってきたユーザーに満足して購入してもらえるような仕組みを作るべきだと考えているので、そこを中心に取り組んでいきたいですね。
多くの費用を出して誘導を買ってくるわけですが、直帰率が9割を超えることがざらにあると思います。そういうことを減らして今のコンバージョンレートを上げていき、広告に頼らずにクライアントの売上を上げることに注力していきます。なるべく無駄なくコンバージョンに繋げられるようにするのが我々の役割かなと思っています。
清水:ぶっちゃけ、競合他社はいるのでしょうか。
石黒:例えばポップアップを出したり、メールを送る個々の仕組みを持っているところは何社かありますね。でも我々のようにタグを入れるだけでいろいろなサービスが使える点と、成果報酬であるという点では、同じタイプの企業はないと思います。
これは世界中のECサイトの15%の情報を取得しており、1日あたり1.2億人ほどのコンシューマーデータです。商品を見てカートに入れて買うという行動のデータで、カートに入る商品の総額でいうと、1時間あたり100億円分のデータが取れています。ここをもっと拡大するために、取得している情報をうまく活用して、1つ1つのクライアントのコンバージョンに役立てていくことを考えています。
清水:それは面白いですね。御社の場合はサイト内の購買する回遊データを蓄積し、コンバージョンレートを高めるためのアルゴリズムの精度を上げていくということなんですね。
石黒:そうしたデータをどんどん溜めて、我々自身でDMPのような仕組みを作っていますので、それらをうまく使って、ユーザーに最適なものを出し分けていくことは考えています。
清水:ますます楽しみな動きがありそうですね!貴重なお話ありがとうございました。