検索連動型広告のCPCは上昇を示す:RKG 2015年Q2版調査から

検索連動型広告のCPCは上昇を示す:RKG 2015年Q2版調査から

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RKGのレポートでもCPCは上昇を示す

2015年7月23日、米Merkle|RKG社が四半期ごとに発表しているデジタルマーケティングレポートの2015年Q2版を発表しました。

リンク:Digital Marketing Report | RKG

本レポートは、RKG社の主要顧客(1年半以上継続かつ主要メディアを利用している中堅以上の顧客)のみを定点調査しているもので、サンプル数が少ないものの項目はリスティング広告以外も網羅しており、トレンドを大づかみするには悪くない調査です。

リスティング広告の主なハイライト:

・広告費の成長率は鈍化しているが、前年比14%増
・クリック数の伸びも鈍化し、前年比3%増
・CPCは前年比11%増で上昇傾向が続く
・商品リスト広告は広告費が35%、クリック数が41%と堅調な伸び

先日の記事「iProspectがペイドサーチのトレンドレポートを発表(2015年Q2版)」でも CPC の上昇について言及がありましたが、iProspect より遥かに少ないサンプルだと思われる RKG でも同様の傾向を確認できるのは興味深いですね。

ブランド検索と広告表示オプションの関係

なお、このレポートのフォローアップ記事が Search Engine Land に掲載されています。CPCの上昇、特にブランドキーワードでのCPC上昇についての見解が面白かったので少しだけご紹介します。

リンク:AdWords Brand CPCs Rising? Here’s Why And What You Can Do About It

これによると、CPCの上昇トレンドはPLA(商品リスト広告)の影響というよりは、ブランド検索で顕著に現れているようです。

下の図は、AdWordsのFPB(First Page Bid:1ページ目に必要な上限CPC)の変化率の推移をブランドキーワードとブランド以外で分けたものですが、2014年のQ3からブランドキーワードが急騰しています。ノンブランドも上昇していますがブランドほどではなく、どちらもホリデーシーズンの終わった2015年初頭には一旦落ち着きを取り戻しています。

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2014年Q3からFPBが急上昇

一方で、これは短期的な現象かというと必ずしもそうとは言えず、もう少し長い期間で変化率を追っていくと新たな視点が見えてきます。

下の図はブランドキーワードのみに絞って2011年からの平均CPCの水準を表したものです。この記事では、プレミアムポジション(検索結果の上部:オーガニックの上)に表示されることの多いブランドキーワードと広告表示オプションの関係に言及しています。

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ブランドキーワードの平均CPC水準と推移

例えば、2011年中盤から2012年の中盤までの約1年間はCPCが低い水準にあった期間ですが、この期間は、広告表示オプションに関する幾つかのアップデートが公開された期間と符合しています。

特に、ブランドキーワードのCTRに大きなインパクト与えた拡張サイトリンクが2012年2月に発表されてからはここ数年で最もCPCの下落幅が大きくなっていることから、プレミアムポジションに表示されやすいブランドキーワードで広告表示オプションが強調されることにより、CTRの向上→CPCの低下という関係が示唆されています。

同じように、2013年後半から2014年にかけてもCPCは標準より下落していますが、これは2014年の10月に広告表示オプションが広告ランクの算出に組み込まれた時期と一致しています。(参考リンク→Inside AdWords-Japan: 広告表示オプションと広告ランク: 広告ランクの算出方法が変わります

いずれの場合でも、広告表示オプションに関する大きな変更から数ヶ月をかけてCPCが標準へ近づいていることから、広告表示オプションの更新後の変化をうまくアルゴリズムに組み込みながら、品質や広告ランクの再計算を繰り返しノーマライズ(標準化)してきた歴史が伺えます。

今回のCPC上昇がノーマライズによるものか、他の要因が関係しているかどうかは現時点では分かりませんが、困ったときほど基本に立ち返り、関連性を重視した広告設計をしましょうとこの記事でもまとめられています。「その広告はユーザーにとって有益な情報か?」を、常に意識していきたいですね!

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