プログラマティックディスプレイのみで1兆円
2015年7月21日、米IAB(Interactive Advertising Bureau)はPwCと共同で、「IAB Programmatic Revenue Report」を発表しました。これは、バナーや動画などに代表されるディスプレイ広告のうち、「プログラマティック」や「RTB」と呼ばれる自動売買にフォーカスしたレポートで、今回が初めての発行になります。
レポートによると、2014年通年の米国プログラマティックディスプレイ広告費は101億ドル(約1兆2100億円)にのぼり、純広告なども含むディスプレイ広告全体の52%となり、米国ネット広告費全体でも20%を占めることになるようです。(ネット広告費全体は495億ドル:約5兆9400億円)
フォーマット別ではバナーが全体の8割を占めたものの、モバイルの伸長に伴って動画などのフォーマットの利用率が上がっていることが示唆されているほか、広告費のレベニューシェア(売上配分)については、広告枠を持つメディアが45%、プラットフォーマー等のアドテク企業が55%だと推定しています。
オープンオークションからプライベートオークションへ
取引形態では、101億ドルのうち、70%はオープンオークション制(狭義のRTB)だったものの、レポートで「今後は他の取引形態にシフトしていく可能性が高い」と記載されているように、透明性や広告在庫の品質向上の観点から、プライベートオークション(招待制)やプリファードディール(余剰在庫の固定取引)、プログラマティックプレミアム(限りなく純広に近いRTB)の比率が増えていくだろうと予測されています。
レポートはこちらからダウンロードできます。22ページと短いレポートですが、数字だけでなく用語の定義など、プログラマティック広告の参考資料として充実した内容ですので、ぜひご確認下さい!