以前の記事で米Nanigansの Facebook Q1 のレポートをご紹介いたしましたが、Q2のレポートも発表されましたので概要をお伝えいたします。
リンク:Q2 2015 Global Facebook Advertising Benchmark Report
※2015年Q1のレポートに関する記事はこちらをご参照ください。
ハイライト
2015年Q2のハイライトは、グローバルでCTRが向上し、動画出稿額も増加した中でCPCが下がったことです。
動画広告は2015年Q2の総出稿額の16%を占め、Q1の13%からおよそ23%伸びた形となっています。特に、モバイルの動画広告は全モバイル広告費(グローバル)の21%を占め、Facebook上でも突出したフォーマットになりました。この伸びはゲームアプリの広告主の影響が大きく、Q1はモバイルの動画広告への出稿割合が19%だったのに対し、Q2では36%と約倍の数字になっています。
CTR
Q2のグローバルのCTRは前期比で+8%と緩やかな伸びを見せ、前年同期比では+187%(0.30% → 0.88%)と大きく伸びています。
レポートではデスクトップ、モバイル両デバイスで強力なエンゲージメント率を維持している、と報告されており、カルーセル広告のローンチや右側広告枠の減少等が良い結果を生み出したのではないかと思われます。また、2015年1月にアルゴリズムの大幅な変更が実施されましたが、こちらも微調整を繰り返し軌道に乗ってきた、というところでしょうか。
Eコマース業界の場合、前期比ではほとんど変わりませんでしたが、2014年Q2の0.30%から0.87%と前年同期比では195%伸びています。
ゲームアプリ業界は2015年Q1に9%下落しましたが、Q2ではEコマース同様前期比の数字を維持し、前年同期比で+10%となりました。
CPC
グローバルでは2014年Q2の$0.54から$0.46まで低下し(-16%)、前期比でも-13%となっています。
前期比での減少はEコマース、ゲームアプリの両業界が影響し、Eコマースは-11%、ゲームアプリは-21%で推移しています。なお、ゲームアプリの前年同期比のみ上昇し、$0.50から$0.63と+26%で推移しました。
CPM
デスクトップ、モバイル両デバイスのCPMはグローバルで前期比-6%と微減し、2015年に入ってから安定しています。前年同期比では+142%($1.66 → $4.01)と大幅に上昇していますが、これは2014年夏に右側広告の枠を減少させたことに起因している、とレポートでは伝えられています。
主要業界のEコマースとゲームアプリをそれぞれ見ていくと、Eコマースが前期比-11%、ゲームアプリが-22%とどちらも減少傾向にあります。前年同期比ではEコマースの+91%に対してゲームアプリは+39%と上昇幅が小さいですが、これはゲームアプリの広告主はモバイルへの出稿量が多く、右側広告枠減少の影響を受けにくいからだと推測できます。
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以上が2015年Q2のベンチマークレポートの概要でした。ちなみに、Nanigansのソフトウェアを活用する広告主の広告フォーマット別利用額も発表されており、大半の広告主がダイレクトレスポンスを目標としているようですが、”Unpublished Page Post Ads”、”Mobile App Install Ads”、”Domain Ads”(右側広告)の3フォーマットで予算の95%を消費しているとの記載もありました。
動画広告出稿額の増加がハイライトとして挙げられていますが、やはりごく一部の広告主の利用率が劇的に増加しているのでしょう。