Facebookは、コンサートプロモーターのLive Nationが、同社のAtlasを活用した「人ベースの」測定を行うことによって、モバイル経由のチケットセールスにおいて66%の増加があったと、カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルにて言及しました。
リンク: Cannes Lions Showcase: Atlas and Live Nation Share the Spotlight(Atlasのブログ)
リンク: Facebook Touts Big Atlas Mobile Attribution Success For Live Nation’s Madonna Tour(Marketing Landのニュース)
クロスデバイスにおける広告効果測定の難しさを解決すべく、FacebookがAtlasをロールアウトしたのは昨年の9月。Facebookは、クッキーでなく、Facebookを含む他のオンライン/オフラインのデータソースを合わせて使うことで「人ベースの」(People-based)マーケティングを推進することを謳ってきました。
そのFacebookがAtlasの成功事例をカンヌライオンズで披露しました。米国の大手コンサートプロモーターであるLive Nationは、マドンナの2015年の”Rebel Heart”コンサートツアーにおいてFacebookに協力を求めたようです。
Live Nationにとってモバイル攻略は自然な戦略。同社の内部データによると、コンサートファンの93%はスマートフォンでチケットを探しているものの、Live NationまたはTicketmasterからのメールを開封するコンサート参加者の2/3は、購入の際はPCに切り替えているとのこと。
マドンナのツアーキャンペーンでAtlasを使うことで、Live Nationはモバイル経由のチケットセールスにおいて66%の増加がをモバイルに紐付けることができたといいます。そして、このような測定はクッキーだけではできないと述べています。また、Live NationはAtlasを使って出会い系アプリGrindrにマドンナの広告を配信しました(グローバル放送向けメッセージとバナー広告)。その結果、キャンペーンで最もパフォーマンスがよかったチャネルは、この100%モバイルアプリだったそうです。これもAtlasを使うことで測定できたと主張しています。
発表を行ったFacebookのアドテクノロジー担当ヘッドDavid Jakubowski氏によるとLive Nationも効果は認めているとのことで、本件はグローバルで、コンサートキャンペーンの最初から最後までAtlasを一貫して活用した初のケースであるといいます。その他のコンサートツアーキャンペーンの効果測定に展開を進めているそうです。
ようやく具体的な成功事例が出てきましたね。これに続く事例が出てくると採用を検討する企業も増えてくるかもしれません。クッキーが弱い部分を担うという意味では事実だと思うので、本件のようにクロスデバイス、特にモバイル利用が多い案件が出てくると、より昨今のクロスデバイス利用の状況が浮き彫りになってくるのではないでしょうか。