Facebook広告、アルゴリズムを読み解く:広告予算編

Facebook広告、アルゴリズムを読み解く:広告予算編

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広告アカウントの運用において、媒体のアルゴリズムを理解するのは非常に大切です。当シリーズでは、Facebookがどのように動作しているのかお伝えします。

第一回では、予算のペーシングアルゴリズムを解説します。

リンク:The Importance of Understanding Facebook’s Algorithms (Part 1)

予算消化のペースは、みなさまご存知の通り時間の経過とともに進んでいきます。そうでなければほんの数日・数時間で全体の予算を消化し切ることになりますが、一般的にはそういった状態は最適ではありません。理由はお察しの通りで、後日オークションの入札価格の相場が下がった時に、予算が無いため競ることができなくなるからです。

ペーシングは、最適な入札価格を提供するだけでなく、予測可能な配信量を保証し、全ての広告主はターゲットユーザーに向けてフェアなアクセスを得ることを可能にしています。

現時点でFacebookは、ユースケースごとに異なるペーシングアルゴリズムを適用していますが、ソース元の SocialTimes に寄稿されている Smartly.io (ヨーロッパにおけるFacebookマーケティングパートナー企業の一社)のKalle Tiihonen氏は、ほとんどの広告主が使う「1日あたり」の予算で設定した場合のペーシングアルゴリズムを分析した結果、「最適な入札戦略は、コンサバに”1日あたりの予算”でスタートさせ、慎重に上限を引き上げていくことです。」と伝えています。

これに関しては、筆者も同じ考えです。”通算予算” に設定した場合、やはり大半の予算を期間の前半に消化することが多く、後半はかなり息切れしてしまいます(配信スケジュールの設定は “通算予算” でないと行えないため、曜日や時間の設定をしたい場合は全て手動で運用しています)。

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実際の動作について

ペーシングシステムは、一日を通して予算全体を均等に消化するよう、入札を制御します。下記画像は、予算を ?200/Daily で設定した場合の消化ペースです。

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なお、夕方から夜にかけて消化ペースが遅くなることがありますが、これはFacebookがトラフィックのパターンを考慮した上で制御しているからです。

各オーディエンスグループは自身の生活に合わせてそれぞれ違った動きを見せますが、大半のユーザーは夜にオンライン状態になることや、Facebookのモバイルアプリを使うユーザーはある固定の時間帯に限らず、頻繁にオンライン状態になることなどが加味されています。

一日の途中で予算を増額すると、何が起こるか?

日中に予算を増額させると、入札価格が低すぎる事以外で制限要因がなければ、消化スピードが上がります。予算進捗を高速化させたい場合は有効な手段です。

画像は、?200 から ?400 に増額した際の進捗を図示しています。

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ただし、夜遅くに上限を引き上げた場合、Facebookはその日の内に増額分もなんとか消化しようとするので、本来リーチする予定のなかったユーザーにリーチし、結果的にキャンペーンのパフォーマンスが低下する要因になり得ることに注意してください。

逆に、減額するとどうなるのか

端的に申し上げると、減額したタイミングから消化スピードが落ちます。そのスピードの落ち具合に関しては、減額した時間・金額に当然依存します。消化スピードが落ちているということは、入札機会を制限していることになります。先述した通り、大半のユーザーがオンライン状態になるのが遅めの時間帯だということを考えると、夕方以降の予算設定の変更は好ましくありません。

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ちなみに、Kalle Tiihonen氏は、この状態を “hangover day” と呼んでいるそうです。

もし、キャンペーンや広告セットが、設定している上限予算を使い切れないようであれば、原因は予算設定ではなく、入札価格やターゲット、クリエイティブに起因している可能性が高いと考えられます。一方、上限予算を使いきっているキャンペーンや広告セットで、ターゲットのボリュームが大きく、CPAも良好な状態であれば、日予算を徐々に引き上げていくことでパフォーマンスの向上が期待できます。

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基本的な戦略としては、まずコンサバな “1日あたりの予算” を設定してスタートさせ、パフォーマンスの高い広告セットの上限を徐々に引き上げていく、という方法がベターです。最初から高い日予算を設定して “hangover” させるより、低リスクかつ速く最適化できます。

ただし、ペーシングアルゴリズムは、設定変更後に最適な入札ペースを学習するまで時間を要するため、日に3回以上の変更を行うことはお勧めしません。

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