4月22日、米IAB(Interactive Advertising Bureau)はPwCと共同で、毎四半期発表している米インターネット広告に関する調査の、2014年通年のレポートを発表しました。
2014年の米国におけるインターネット広告売上高は前年対比で約16%増加し、過去最高の495億ドルに達したとのこと。リーマン・ショックから回復した2010年から数えて5年連続で2桁成長をしていることになります。
牽引しているのは、やはりモバイルです。2014年のモバイル広告売上高は前年対比で76%増加の125億ドルに達しており、IABのレポートの中で定義されているカテゴリでは最も大きな成長ドライバーになっています。
それは、以下のグラフでも明示されており、モバイルを抜いた場合の成長率と、モバイルを含めた成長率とを比べると、その差は一目瞭然です。モバイルの複合成長率(CAGR)は110%ですが、モバイルがなかった場合は10%となり、市場の成長性の非常に大きな部分をモバイルが担っていることが分かります。
モバイル広告の内訳では、検索とディスプレイが大半を占めており、引き続きこれまでの運用型広告がマーケットを牽引していることが分かります。
その他、ハイライトとして、動画とソーシャルが挙げられています。
まず、動画広告は前年対比17%増の33億ドルとなり、モバイル以外の分野では最も成長しているカテゴリの1つとなっています。
# ただし、IABの定義では動画広告はPCだけの集計になっており、現在最も盛り上がっていると思われるモバイル動画は含まれていないことに注意です。(モバイル動画は「Mobile」の「Display」に含まれているようです。いずれにせよ完全に切り分けるのは現在のIABの定義では不可能ですが…)
ソーシャル広告は、前年対比57%増の70億ドルとなり、45億ドルだった2013年から大幅にジャンプアップしています。日本でもFacebook広告やTwitter広告はずいぶん事例が増えてきましたので、実感として非常に分かる数値になっています。
IABのトップであるRandall Rothenbergは、「マーケターは、消費者がモバイルを最優先のデバイスとして利用していることを明確に理解し、そのトレンドに従ってモバイルに投資し続けている」と、発表の場で伝えています。モバイルデバイスを起点として、検索やソーシャル、動画や地図情報など、さまざまな分野に拡がっていっていることが、データからも分かるようなレポートになっていると言えるでしょう。
資料は以下のページに格納されていますのでご確認下さい!