Facebook for Businessで日本語化されていない、Facebookのビューインプレッションに対する見解が記載された記事がありましたのでご紹介します。
リンク:The Value of Viewed Impressions
ちなみに、Yahoo!はビューインプレッションを以下のように定義しています。
※ビューインプレッションとは
インターネットユーザーの視認領域に広告が表示された際のインプレッションです。
広告面積の50%以上が1秒以上表示された場合を1ビューインプレッションとし計測します。
単にユーザーの視界に入っただけではビューインプレッションとしてカウントされず、ユーザーが視認できて初めてビューインプレッションになるわけです。
目次
ビューインプレッションの価値
Facebookは、ビューインプレッションで広告効果を測定することに対し肯定的な姿勢を示しています。ビューインプレッションは広告主にとって広告の価値をドライブさせる大きなチャンスを持っていると見ており、Facebook自身もPC・モバイル全体の広告測定においてビューインプレッションを採用しているから、という理由です。
“served”インプレッションと“viewed”インプレッションの違いとは?
双方は、いずれもデジタル領域における広告配信システムに関係しています。
“served”インプレッションは、媒体側が広告を配信するようシステムに命令し、配信に成功すればインプレッションとしてカウントされます。
インターネットユーザーの多くは、ウェブサイトの様々な場所に表示される広告と常時接触しています。ホームページの上部に表示されている広告は視認性も高いですが、下部に表示されている広告はユーザーの記憶に残らないでしょう。また、ユーザーがウェブサイトを訪れ、広告が完全にレンダリングされる前に離脱したかもしれません。
対し、“viewed”インプレッションは厳密な分析を可能にします。より正確にインプレッションの定義付けを行い、ユーザーが視認できた広告のみをカウントするためです。
なぜビューインプレッションをトラックするのか
長い間、“served”インプレッションは効果測定における一般的な基準でした。今日でも、メディアを測定するための標準として使用されていますが、システム側で測定したインプレッション数と、実際に配信されたインプレッション数で乖離が発生するケースがしばしば見られます。
ビューインプレッションで測定することが良い理由は以下です。
1. 価値:Facebookの研究では、たとえ広告の一部のみが短時間で見られた場合であっても、その短時間で視認できていれば広告の価値は生まれている。
2. 整合性:Facebookの測定基準は、全てのインターフェース(モバイル、デスクトップ)と、全ての広告フォーマットに適用され、クロスメディアの測定も可能。
3. フェアな価格設定:ビューインプレッションの採用により、価値の無いインプレッションに費用を支払う必要が無くなる(Facebookも、見られていないインプレッションに対して請求することはありません、と伝えています)。
Facebookのビューインプレッションの定義
Yahoo!の定義を先述しましたが、Facebookの場合、広告がデスクトップのブラウザやモバイルアプリの画面に表示された瞬間にインプレッションとしてカウントしています。システム上は配信している広告でも、画面に映らなければインプレッションとしてカウントされることはないようです。
今後数ヶ月間で、広告ではないオーガニックのコンテンツ(Facebookページの投稿だと思われます)にも、同じような基準が適用されます、とも書かれています。
今後の展望について
従来の“served”インプレッションから、完全にビューインプレッションのみを採用する方向へシフトさせており、この取り組みはアメリカの業界団体であるMedia Rating Council(MRC)もサポートしているようです。
2014年、MRCはデスクトップ上のビューアブルインプレッションを測定するためのガイドラインをリリースしています。詳しくはこちら。
一部の広告主や代理店は、より高精度で広告の成果・有効性を把握するためにこういった基準を追加し、Facebookも分析するメディアの1つに含まれています。
Facebookが目指すゴールは、今後もMRCとの協業によってより厳密なビューアブルインプレッションを開発し、Facebookを代表するフィードベースのウェブサイトやモバイルメディア、新しい広告フォーマットがこの基準を採用するために一役買うことだそうです。
原文の最後では、Facebookのパートナー企業の代表者メッセージも添えられており、本腰を入れてビューインプレッションの標準化に向けて動いている様子が伺えます。
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これまでの基準だと、下記キャプチャのような、横にスワイプすると広告が表示される仕様の場合、CPMで課金されているのかわからないグレーな状況が続いておりました。
これまでは複数の広告主が勝ち取っていた枠を一社が占有する multi-product ads の登場もあり、物凄いスピードでアルゴリズムの変更や見直しを行われているのが予想できます。
ビューインプレッションが標準化されれば、さらなるコスト効率の向上が期待できそうです。