会社が考える魅力。顧客の考える魅力
ある家電メーカーは季節家電のデザイン性もそうだが、たくさんのニーズを応える為に様々な機能を用意する事にこだわります。でも、それを使用する顧客はワンシーズンしか利用しないし、シンプルな機能・デザイン性だけで十分です。
ある一流の料理人は最高の素材にこだわります。でも、それを食べるお客様は美味しければよいのです。
このように、会社側の視点での常識や、作り手の論理で魅力を定義してしまいがちです。しかしそれは、「たんに本人達にとっての関心事」にすぎないのです。顧客が使わない最高の機能は不要であり、顧客が期待しない過剰なサービスも必要ないので、求められているニーズとかけ離れている魅力では利用・購入してもらえませんし、それでは結果的に意味がなくなってしまうのです。
最高の魅力よりも、適正な魅力
これは、運用型広告のシーンからも似ている事があって、アカウント内に登録しているキーワードの中には、表示回数が全く発生していないキーワードが大量に登録している事があります。
これも運用者側の視点で判断し、入稿したものの、消費者ニーズがそこには全く存在せず、せっかく時間をかけて入稿・設定したのにも関わらず、「たんに運用者にとっての感心事」であった結果となってしまうのです。
運用型広告として成果を上げる為に、キーワードから広告文、そしてリンク先ページのコンテンツを見直す各戦術において大事なのは、頭に必ず「顧客にとっての」という言葉をつけて組み立てる、ということです。
「自分だけの最高の魅力」よりも「適正な魅力」を見つけ出し、運用に最大限活かす事が重要であると、感じます。
「顧客からスタートする運用型思考」を
コンサルティング会社のコンサルタントはクライアントのビジネスを成功させる上で、想定した顧客を考えるだけでなく、現場まで足を運び、自らが体験・購入・利用し、顧客としての製品・サービスの足らない事から、必要な課題・解決を見つけ出します。
運用者の場合でも、キーワードツールなどでトレンドを把握する事や、検索語句データで想定するキーワードを生み出すだけでなく、時には顧客としてサイトを利用・コンバージョンする。もしくは現場に足を運んで体験・感じた、本当にバリューのある要素をへ運用に変換していく。
顧客の事を考える、というより、実際に顧客になる、事が重要です。
「顧客からスタートする運用型思考」こそが、運用型広告の効果が生まれると考えます。