モレなくダブりなくがMECE
マッキンゼーやアクセンチュアなどのコンサルタント会社の手法として、イシュー(本質的問題)から構造化ツリー(ロジックツリー・ピラミッドストラクチャー)などを運用型広告に置き換えて紹介してきましたが、このような手法の根本的思考として大事である、MECE(ミッシー)についてお話していきます。
MECEとはミッシーとも、ミーシーとも言いますが、正式名称は「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をとったものです。
Mutually=お互いに
Exclusive=排他的に
Collectively=集めると
Exhaustive=全体を尽くす
ようはパズルみたく、要素や事柄を抜け漏れが、必ずないように思考を区分していく事です。
イシューやツリーを作成する為の原因や根拠を考えるのに、論理思考をもたずに情報を羅列していっても、あまりにも抜け漏れが多くなり、整理することは難しいです。
切り口がどこにあるのか、要素を重複せずに区分する事で、構造を作りやすくしていきます。
例えばネットワークでの配信の中で、性別配信を実施したい場合にMECEで整理すると
このように要素を隙間なく整理する事がMECEです。
悪い例として、OS別のターゲット配信を整理しようとしてモレがあった例です。
これだとAndroidやiOSなどモバイル端末などのOSが含まれていないので、OS別の要素が抜け漏れが発生しています。
もう1つ悪い例として、旅行業界のカテゴリー配信をする場合に重複があった例です。
国内旅行・海外旅行のMECEはできていますが、新婚旅行だと両方の要素と被ってしまうので、これもMECEの思考とはいえません。
MECEを意識しながらも、鳥の目(全体)で把握する
MECEは考えなければいけない事柄を、抜け漏れ、重複なく、区分する事で、勘やひらめきだけの整理よりも、網羅性が高まり堅実なアクションや、むしろ新しいアクションを生み出す事もあります。
ただ、MECEを追求し、縛られすぎて意味のある分解になっていないことにも陥ることがあります。大事なのは『ビジネスとして求められているMECE領域である』 ことです。
最初は難しいかもしれませんが、思考はトレーニング次第で誰でも活用できるので、運用型広告プレイヤーとして今ある、本質的問題やアクションを生み出す際にMECEを活用して、よりインパクトのあるビジネスゴールへの近道にすると良いと思います。