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体制変更:「Y→Zへ」強靭な広告プラットフォームへ飛躍なるか
2019年は、Yahoo! JAPANにとって、これからの広告市場での存在感を高めるための”準備期間”となりました。
まず最初の大きなニュースは、2019年10月1日に実施された持ち株会社体制への移行でした。
Zホールディングス社第2四半期(7-9月期)の決算資料より抜粋
Yahoo! JAPANの事業は、Zホールディングス株式会社の傘下にあるヤフー株式会社が担うことになりました。
事業ごとに会社が分かれたことで意思決定がより素早くなり、広告のアップデートもより進むことが予想されます。
また、同じく傘下のZ financialの事業との連携が進むことも期待できます。 すでにPayPayの販促機能とYahoo!メディアの広告を掛け合わせた「Yahoo!セールスプロモーション」もリリースされています。
「Yahoo!セールスプロモーション」ページより抜粋
参考:
Yahoo! JAPANのビッグニュースはまだまだ続くこととなりました。
9月にはZOZO社の買収によりZOZO社を連結子会社化、さらに約2ヵ月後の11月にはLINE社との経営統合も発表されました。
今後、Yahoo! JAPANアプリは、EコマースやSNS、決済等を統合したスーパーアプリ(※中国の「WeChat」や「Alipay」、インドネシアの「Go-Jek」に代表される、日常生活のあらゆる場面で活用できる統合的なアプリ)を目指していくと発表されており、ヤフーアプリの強力化に伴い、より一層Yahoo!広告の広告プラットフォームとしての存在感も増していくことが予想されます。
そんなYahoo! JAPANに、多く驚かされた2019年に発表された広告関連の主要なアップデートをまとめましたので、振り返りにご活用いただければ幸いです。
Yahoo!広告全体編
「Yahoo!広告」にリブランド
「Yahoo!プレミアム広告」および「Yahoo!プロモーション広告(スポンサードサーチ、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)」の名称を、2020年度にかけて「Yahoo!広告」へ順次変更し、広告・サービスをリニューアルすることが発表されました。
「Yahoo!広告」は「検索広告(従来のスポンサードサーチ)」と「ディスプレイ広告」から構成され、「ディスプレイ広告」のなかに「予約型(従来のYahoo!プレミアム広告)」と「運用型(従来のYahoo!ディスプレイアドネットワーク)」が統合されます。
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)資料より抜粋
配信アルゴリズムもアップデートされ、一律でクリック数の最大化に最適化するのではなく、キャンペーンの目的に沿ったアクション数の最大化に最適化されるようになりました。公式サイトで提供されている資料のご確認を推奨いたします。
参考:
タグの新フォーマット提供開始
2019年は立て続けにITPが2.1から2.3までアップデートされ、Cookieでの正確なコンバージョン計測がより困難になっています。Yahoo!もこれらの対策として2019年にサイトジェネラルタグやコンバージョン測定補完機能タグをリリースしました。 従来版のタグも引き続き利用できますが、今後提供を終了する予定とのことですので早めにタグの貼り替えをおすすめいたします。
参考:
データソリューション
今年、ついにヤフーのマルチビッグデータの一般公開が開始されました。すでに導入企業数は100社を超えています。 可視化ツールのライセンスを提供する「DS.INSIGHT」と分析官がAI技術を用いて検索やメディア・ECなどのマルチビッグデータを分析し、お客様の課題に沿ったソリューションを提案する「DS.ANALYSIS」の2種類が提供されています。
データソリューションのページより抜粋
参考:
Yahoo!検索広告編
Yahoo!検索広告でオフラインコンバージョンのインポートが可能に
オフラインなどウェブサイト外で発生したコンバージョンのデータを、広告をクリックしたユーザーを識別するパラメータ「YCLID」と関連付けてインポートすることで、オフライン・オンラインを横断した広告効果を計測することができます。
参考:
Yahoo!検索広告にて拡張クイックリンクの提供を開始
「拡張クイックリンク」の提供が開始されました。Google 広告のサイトリンク表示オプションの説明文に相当する機能で、クイックリンクオプションに説明文(クイックリンク説明文)を追加することが可能になりました。
参考:
Yahoo!検索広告にて商標権侵害の申し立ての提供開始
商標権者が自社のブランド毀損を防ぐために広告文での商標の使用を制限する申請の受付を開始しました。 2019年2月から開始された試験提供を経て、商標の使用制限の申請フォームと使用許諾の申請フォームは全広告主に公開されています。
リンク:
参考:
Yahoo!ディスプレイ広告編
PCブランドパネル(静止画)の最低入札価格撤廃
YDNの広告掲載方式「PCブランドパネル(静止画)」を選択しているキャンペーン配下の広告グループおよび広告において、最低入札価格(150円)が撤廃されました。 これにより、認知獲得を目的とするキャンペーンに限らず、PCブランドパネルの活用方法の幅が広がったのではないでしょうか。
参考:
動的ディスプレイ広告の機能改善
①商品リストファイルのアップロード方法が「手動アップロード」と「定期アップロード」の2種類にも対応しました。 商品リストの管理がより簡易的になったことで、利用ハードルが大きく下がりました。
参考:
②動的ディスプレイ広告に、広告掲載方式「PCブランドパネル(動的ディスプレイ広告)」が追加されました。 訴求力の高い動的ディスプレイ広告に配信面として強力なブランドパネル面が追加されたことで、動的ディスプレイ広告の存在感が増してきました。
参考:
③ロゴや商品画像と交代で、キャンペーンバナーとして設定した画像を表示できる機能がリリースされました。これにより、通常の商品やサービスの情報と並行して、期間限定のセールなどの訴求が可能になりました。
Yahoo!広告 のヘルプページより抜粋
参考:
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ITPの対応、管理画面のアップデート、機能拡張の対応等、広告効果を上げるために奔走された運用者の皆様、2019年も本当にお疲れ様でした!! 2020年も、より激動の年になると思いますが、皆様が管理画面の先の消費や感動体験を支えていると考えております。私は、運用者の方が管理画面のその先にも視点を向けられるようなトピックを取り上げていきます。2020年もよろしくお願いいたします!