Googleは、2019年7月31日(米国時間)、Google Marketing Platform公式ブログにて、アプリとウェブデータの測定を統一したうえでレポート作成と分析を可能にするいくつかの方法を発表しました。
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これまでウェブサイトのデータはGoogleアナリティクスで測定し、一方でアプリのデータはFirebase 向け Googleアナリティクスで測定していたため、それぞれのデータを統合してレポート・分析することが難しい状況でしたが、アプリとウェブのデータを統一して測定・分析するために、Googleは以下の方法を発表しています。
1.新しいプロパティ「App + Web(アプリとウェブ)」の追加
現在は、ウェブサイトのデータはGoogleアナリティクス、アプリのデータはFirebase 向け Googleアナリティクスと別々で測定・分析をすることができますが、「App + Web(以下:アプリとウェブ)」のプロパティを作成することで、アプリとウェブサイトのデータを組み合わせた測定が可能となります。
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「アプリとウェブ」では上記画面のように、ユーザーやコンバージョンの指標をアプリとウェブサイトを合わせた数字として確認することができます。「アプリとウェブ」は、今後数週間のうちにすべてのGoogleアナリティクスおよびGoogleアナリティクス 360のアカウントに提供される予定です。
「アプリとウェブ」のプロパティはGoogleアナリティクスの管理画面からプロパティを作成する際に選択できます。簡単ではありますが流れを記載します。
作成したプロパティ画面には「プロパティ設定」や「ユーザー管理」の他に、「データストリーム」や「デフォルトのレポートID」などが表示されます。
プロパティを作成したら、データを収集するために「データストリーム」を追加します。
・アプリストリーム
アプリストリーム(IOSアプリ・Androidアプリ)を選択するとFirebase プロジェクトが作成されます。ここでアプリ名やIDなど、必要な項目を入力します。
・ウェブストリーム
ウェブストリームではURLを入力し、「測定機能の強化」 で収集するデータの種類を選択することができます。
ストリームを作成した後は、グローバルサイトタグを新しく追加するか、既存のタグに測定IDタグを追加します。
プロパティ・データストリーム追加の詳しい記載はヘルプページをご覧ください。
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また、AnalyticsとFirebaseをリンクする方法については下記ページに記載があります。
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2.柔軟なイベント測定
先ほどのウェブストリームの作成でも触れましたが、Googleアナリティクスの管理画面の「プロパティ」から「データストリーム」内にある「測定機能の強化」でページビューやスクロールなどのイベント測定のオン/オフを設定することが可能になります。
「測定機能の強化」だけで、これまでも測定できていたページビューの標準の測定に加えて、スクロール数や動画エンゲージメントなど、サイトコンテンツのインタラクションも自動的に測定します。
また、データを収集する際には、個人を特定できる情報が Google に送信されないように注意してください。
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3.クロスプラットフォームの分析
ここまで、「アプリとウェブ」プロパティを作成してデータストリームを設定することで、統合されたデータを柔軟に収集できることを説明しましたが、レポート画面においても新たな視点で分析ができるようになります。
今後は、「探索」「目標到達プロセスの分析」「経路分析」など、これまでGoogleアナリティクス 360に搭載されていたようなレポートが、「アプリとウェブ」にも追加されます。これまでと比べて、分析できる幅が広がりそうです。
Image Source: Google Marketing Platform OFFICIAL BLOG
Image Source: Google Marketing Platform OFFICIAL BLOG
簡単ではありますが、アプリとウェブデータの測定を統一したうえでレポート作成と分析を可能にするいくつかの方法を説明しました。
アナリティクスヘルプのトップページには「App + Web Properties Beta」の項目が追加されているので、ヘルプページの内容も参考にしてください。
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またアプリ計測に関して、2019年10月からGoogleアナリティクスSDKによるモバイルアプリのレポート提供が終了となります。まだ対応されていない方は、 Firebase SDKでアプリをトラッキングするように移行を進めましょう。
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今回の発表は、新しいプロパティの追加、測定方法の変更、レポート画面の追加などをはじめ、それに関連したGTMのアップデートなど、ここ数年でも大きなアップデートといえます。そのため情報を整理したうえで、導入には細心の注意を払う必要があります。一方で、導入によって従来のGoogleアナリティクスとFirebase 向け Googleアナリティクスより深い洞察を与えてくれると思います。アプリとウェブサイトの両方を持っているサービスをはじめ、検討してみてはいかがでしょうか。