伴走型インハウス支援事例:ソニー銀行株式会社
管理画面のその先にある
売上につながる広告運用とは何か?
広告運用のベストプラクティスを
伴走しながら探る
アタラの評価ポイント
・自社に合ったアカウント構築を強力に支援
・運用メンバーの習熟度に合わせた柔軟なメニュー変更が可能
・管理画面の数値ではなく、その先にある売上への貢献を支援
ソニー銀行株式会社
マーケティング部
大矢 理史様
サービスサイト https://moneykit.net/
2001年に開業したインターネット銀行であるソニー銀行株式会社。同社ではこれまで広告運用をアウトソーシングしていましたが、2019年より自社での運用(広告運用のインハウス化)に切り替えるのに伴い、アタラの「伴走型インハウス支援」メニューをご導入いただきました。
本記事では、マーケティング部の大矢理史様に、導入の経緯から具体的なコンサルティング内容、実際の効果までを、アタラマーケティングチームがインタビューしました。
■銀行業ならではの厳格なチェック体制が、アウトソーシングの際の課題に
―まずは御社の企業概要と、自己紹介をお願いします。
大矢:ソニー銀行は2001年開業のインターネット銀行で、私は現在マーケティング部で主に検索連動型広告やディスプレイ広告など運用型広告全般を担当しています。
―2019年より、アタラの「伴走型インハウス支援」メニューをご導入いただいていますが、導入前からインハウス体制で広告を運用されていたのでしょうか。
大矢:もともとは弊社では広告運用は行っておらず、広告代理店にアウトソーシングしていました。取扱商品が金融商品であるため、弊社では広告の掲載内容については厳重なチェックを行っています。例えばクリエイティブを一つ作るのにコンプライアンス部はもちろん、その商材に関わる全ての部署のチェックを通しています。
そのため広告代理店のご担当者さんにはかなり動きづらい思いをさせていたと思います。 クリエイティブだけでなく配信設定も弊社から依頼してはじめて広告代理店が動くスキームだったので、広告代理店にお任せできる部分が少なく、スピード感もないというのが当時の状況でした。
そういった課題を抱える中で、運用型広告経由の利益をどんどんスケールさせていきたいフェーズの弊社にとって、今後もアウトソーシングし続ける体制が、果たしてよいのかと思うようになりました。
―たとえ別の広告代理店に切り替えたとしても、社内の承認フローは変わらないため、アウトソーシングできる内容も変わらないですよね。
大矢:まさにその通りです。どこの広告代理店にお任せするにしても結局、入稿についての指示書は弊社で作ることになるので。それであればいっそのことインハウス運用にしたほうがよいという結論に至りました。
―金融商品の広告だと、どこまでの表現がOKなのか、その線引きが難しそうですね。
大矢:お客さまの資産に関わる広告ですから、誤認を与えないように配慮してクリエイティブを作る必要があります。そういった点でも、自社のほうがクリエイティブで注意するべきポイントも訴求したいポイントも理解しているので、自社運用のほうがよいと考えました。
ただ、自社に合った広告運用の在り方や、広告媒体のアップデートなどの新しい情報のキャッチアップは自社だけでは厳しい部分もあるため、インハウス運用を伴走して支援してくださる企業を探すことになりました。
ちょうどそのタイミングでアタラを紹介してもらう機会を得たんです。私は前職で広告代理店に勤務していたことがあり、アタラの運営するオウンドメディアであるUnyoo.jpもよく読んでいました。もちろんアタラが広告運用のインハウス支援を実施していることも知っていたので、この機会にご相談してみようと思いました。
■自社アカウントへの切り替え・アカウント改善が第一目標
―ありがとうございます。具体的な実施内容について教えてください。
大矢:2019年の2月ごろにキックオフしたのですが、第一の目標はそれまで広告代理店に依頼していた広告運用業務を完全に社内運用に切り替えることでした。アタラに参加してもらったからといってすぐに自社のアカウントでの運用に切り替えられるわけではないため、まずはナレッジトレーニングを受け、その内容に基づいて既存のアカウントをどう変えていくかを2社でディスカッションし、広告代理店にアカウント構成の変更を依頼するところから始めました。
それと並行して、自動でレポーティングできる体制を整えるために運用型広告レポート作成支援システム「glu」の導入を行いました。その後は、広告代理店の運用するアカウントを自社アカウントに切り替えるべく、自社アカウントの構築準備を行いました。
―大矢さんは前職で運用型広告を運用していらっしゃったということですが、他のメンバーは運用初心者の方が多かったのでしょうか。
大矢:はい。アタラにお願いするきっかけとして、まさにチームで運用していきたいという狙いがありました。おそらく私一人であれば、前職での実務経験があるのである程度は運用できたと思います。ただ組織的にやっていくとなると、当然チームのメンバーへの教育や、知識・スキル面でのフォローが必要になるため、組織的にインハウス化を推進してくれるコンサルタントの支援が必要でした。
―現在トレーニングを受けていらっしゃる方は何人いらっしゃいますか。
大矢:今は私を含めて3人です。
―具体的なトレーニング内容はどういったものですか。
大矢:hagakureやMUGENといったGoogle 広告の思想をベースに、運用型広告を運用する上での基本となる考え方や、実際のアカウントを一緒に見ながらさらに効率化するための改善点の洗い出しなどを行いました。
―トレーニングはどれくらいの頻度で行っていますか。
大矢:最初の頃は毎週実施していただきました。アカウントの構築やGoogle 広告の思想、最新のターゲティング設定などについてはもちろんのこと、クリエイティブの作り方についてもナレッジを共有していただいて、メンバー全員でクリエイティブを考えることもしました。
他にも、他部署を巻き込んだ勉強会や、社長や役員も参加して現在のデジタルマーケティング業界全体を俯瞰するサミットも実施していただきました。
インハウスの支援だけでなく、会社全体としての運用型広告の理解促進にもご協力いただいたと思っています。
■管理画面の数値ではなく、その先にある売上への貢献を支援
―いろいろな関わり方をさせていただきありがとうございます。コンサルティングを担当する清水の印象はいかがでしょうか。
大矢:私も前職が広告代理店なので身に覚えがあるのですが、広告代理店の立場になると、どうしても広告管理画面上の数値だけを見て、広告の成果を判断してしまいがちだと思います。
清水さんは初めから「ソニー銀行の事業の売上に対して、運用型広告はどれだけ寄与しているのか」ということに着目されていたのが大変印象的でした。「管理画面上の成果はあくまで参考値です」とよくおっしゃっていて、広告主に近い目線で支援していただけるのは非常に安心感があります。
そのため、ミーティングでは事業の売上を増やすためにはどの広告が貢献しているのか・貢献していないのかという視点で常にフィードバックしてくださり、まるで社員であるかのような姿勢だと感じます。
―当初は週一回トレーニングを実施していたとのことですが、現在はいかがでしょうか。
大矢:ひととおりのトレーニングが完了した2020年の4月ごろからは、毎週のミーティングを隔週実施にしていただきました。トレーニングの成果としては、基礎的な部分のスキルセットが各メンバーに身に付いています。
特に今まで全く手を打てていなかったディスプレイ広告において、目に見えて成果が出るようになりました。運用型広告経由での口座開設件数も、アタラに伴走していただいてからのほうが伸びていると思います。
―では最後に、今後アタラに期待することを教えてください。
大矢:今は口座開設件数や、申込件数にフォーカスしており、それをどれだけスケールさせていくかという観点で運用型広告のコンサルティングをお願いしているのですが、先々を見据えたときには、口座開設後のお客さまの取引をどれだけ活性化させられるかにおいても、運用型広告が寄与する部分はあると考えています。お客さまのLTVを伸ばす観点でも、今後はご支援いただけたらと思っています。引き続きよろしくお願いします。
※参考リンク:gluのご導入事例はこちら [blogcard url=”https://www.atara.co.jp/solution_services/case/sonybank-glu″]
同事例を担当するコンサルタント
特に運用型広告×コーチングを絡めた「人」に寄り添ったコンサルティングを心がけており、伴走型インハウス・広告運用トレーニング・アトリビューション分析を得意としている。
書籍「運用型広告 プロの思考回路」、「海外カンファレンスの歩き方」 MarkeZineでの執筆など多数。
・アドテック九州登壇
・コーチング塾Integrity 卒業