運用型広告最適化 事例紹介: ピクスタ株式会社
私たちが求めることに、向き合ってくれた
※この記事は2016年11月に公開されました。
ピクスタ株式会社
コマース本部 コマース推進部 ウェブマーケティンググループ
櫻田すみれ 様
髙木 恩 様
https://pixta.co.jp/
インターネット上で写真・イラスト・動画等のデジタル素材のマーケットプレイス「PIXTA」や、フォトグラファーと個人をつなぐ出張撮影マッチングサービス「fotowa」を運営するピクスタ株式会社は、2015年からアタラの運用型広告コンサルティングを導入しています。同社でウェブマーケティングをご担当されている櫻田様、髙木様に、コンサルタントの岡田がお話を伺いました。
※このインタビューは2016年10月に行われました。
■ピクスタの事業について
岡田:まずはピクスタさんのサービスのご紹介と、お二人の役割を教えていただけますか。
櫻田:弊社は「PIXTA(ピクスタ)」という写真を中心としたデジタル素材のマーケットプレイスを運営しております。素材の売り手と買い手それぞれを結びつける場として、記事のイメージや広告などにご利用いただくデジタル素材を、イラストや動画なども合わせると2000万点以上を取り揃えています。肩書きやキャリアに捉われず、作品そのもので勝負できるクリエイティブプラットフォームとして多くのクリエイターの皆さんにご利用頂いています。活動しているクリエイター数は全世界で20万人以上になります。 私たちウェブマーケティンググループの役割は集客全般になり、クリエイターのデジタル素材を購入してくださる買い手のユーザーさんを集めるのがミッションです。アタラさんとは、運用型広告を通じての集客でサポートをいただいています。
髙木:2016年3月からは、PIXTAに加えて「fotowa(フォトワ)」という出張撮影サービスを開始しました。フォトグラファーさんと個人とをマッチングさせるプラットフォームです。今後もこういった新しい事業は増えていくのではないかと思います。マーケティングは主にPIXTAに注力していますが、アタラさんとのお付き合いの中では、PIXTAの運用型広告のみならず、fotowaについてもお世話になっています。
岡田:写真という軸で捉えると、2つの事業は非常に親和性がありそうですね。
櫻田:PIXTAのクリエイターさんがfotowaに登録してくれるケースもありますし、PIXTAとは関係なく、fotowaに新たに登録してくれているフォトグラファーさんの方も多くいらっしゃいます。社内的にも、クリエイターのエンゲージメントを担当していた社員がfotowaに異動し、現在はフォトグラファーの誘致に注力しています。新しいクリエイターの可能性を広げながら、PIXTAのクリエイターさんにも機会を提供していく、というかたちで進めているところです。
岡田:社内リソースやナレッジの横展開にもなっているんですね。役割でいうと、櫻田さんは現在マーケティンググループ全体を見るという業務で、髙木さんは運用型広告で集客をメインに見ていらっしゃるということでしょうか。
髙木:PIXTAもfotowaも、海外含めて広告は私が担当しています。
櫻田:髙木が広告を見てくれているので、私はSEOやサイト改善の方に力を入れていますね。
■アタラを選んだ理由について
岡田:ありがとうございます。集客をする上で、アタラをパートナーの一つとして選んで頂いた理由があればぜひ教えてください。
櫻田:そうですね。実はアタラさんと弊社は2回目のお取引になりまして、1度目にスポットでコンサルティングをお願いした2012年の時点では、私はまだピクスタに入社しておらず、今回(2015年)にお問い合わせしたときに初めてアタラさんと出会いました。
私は2013年に入社し、2013~2015年の約2年間はずっと1人で広告を担当していたのですが、その後、髙木と現在fotowaのリーダーをしている社員が入社したので、そのタイミングでチームになりました。広告を活用してもっとサービスを伸ばしていく必要がある時期だったことと、運用型広告をチームで担当していく上で、やはりこれまでずっと独学といいますか、インハウスでやってきているので、この形態を維持しながら、運用型広告について教えてくれるようなコンサルタントに入ってもらいたいと、役員とも相談していました。社内で承認がおりたので、パートナーさんを探し始めて、改めてアタラさんに行き着いたというかたちです。
岡田:一つお聞きしたいのですが、御社はこれまでずっとインハウスで運用されていますよね。PIXTAほどの規模になると広告代理店に任せるところも多いと思いますが、改めて、なぜインハウスなのでしょうか。
櫻田:改めて考えてみると、広告に限らず、各部門で外注できる仕事はあると思うのですが、弊社は「メンバー全員でピクスタをつくり育てる」という文化があります。そのため、基本的にはバックオフィス系の部門から、写真の審査、販促・営業・開発などもすべて社内で内製しているんですね。外注も検討したことはありますが、おそらくインハウスと外注とを天秤にかけたときに、インハウスの方が自然な流れだったんだと思います。
髙木:岡田さんとお仕事させていただく中で、改めてインハウスでよかったなと思う点は幾つか挙げられます。一番よかったと思うのが、海外支社とのやり取りや、社内の部署間というような、内部コミュニケーションが非常に円滑に回ったり、こちらから提供できる情報が増えていることです。広告代理店さんに運用をお任せするより、インハウスのほうが社内で情報やスキルを体系化でき、他のサービスにも横展開できます。PIXTAでのナレッジがfotowaのような新規事業で役立っていることも多いですし、海外支社に居るマーケターと共通言語で会話できるところも、インハウスにしたメリットだと思っています。
櫻田:マーケティングへの投資も増えてきていますし、目指したい成果も増加・多様化する中で、今の規模であればインハウスの方が結果的にノウハウがたまり、意思決定にスピード感を出せるのは間違いないだろうと思っています。誰かに任せずにダイレクトに販促に携われるのは、言い訳をしないという意味でもいいと思います。
髙木:まさに、スピード感を持って運用の判断ができるというのはインハウスならではだと思います。新規事業だとなかなか最初から大きな予算はつきませんから、fotowaの立ち上げ時はきっと広告代理店さんにお願いしてもまともに取り合ってもらえなかったのではないかと思いますし。
岡田:ちなみに、インハウスを強化していく流れの中で、アタラ以外のパートナーは検討されましたか?
櫻田:実は御社に決める前にいくつか相談しているんですよ。ただ、私たちのやりたいことをサポートしてくれるお取引をお願いできる会社さんとは出会えませんでした。「インハウスでやりたいからノウハウなど戦略についてのコンサルティングや、FAQのやりとりをさせてほしい」と広告代理店さんにお話すると、「運用を任せてもらわないといけないです」という回答が多かったです。
髙木:会社によっては「それならアタラさんがいいんじゃないですか」と逆に勧められたりしましたね(笑)。
櫻田:自分たちがインハウスで運用しながらFAQに答えていただいたり、大きな舵取りをする判断が必要なときや、事業に対してマーケティングをどうやっていくかを壁打ちできる方がいいなと考えていたので、結果としてそういったパートナーシップを結べるアタラさんを選びました。一言で言えば、「私たちがやりたいことに向き合って下さった」のが一番の理由です。
■アタラとの仕事について
岡田:せっかくの機会ですので、具体的なワークフローや実装についても改めて触れたいなと思っています。
髙木:質問や相談はほぼすべてチャットワークとスプレッドシートでお願いしています。社内で使っているツールをお話ししたら、「ではその方法でやりましょうか」と提案してくださったので、こちらのやり方に寄り添ってくださるのは非常に助かっています。
岡田:コミュニケーションの方法は企業さんのご希望になるべく沿うようにしています。メール主体のお客さまもありますし、プロジェクト管理ツールでやりとりしている企業さんもあります。コンサルタントなので、「このツールは使えません」といったことは基本ないようにしています。「こっちよりあっちのツールの方がいいですよ」とは申し上げますが(笑)。
櫻田:最初のプロジェクトは、AdWordsやYahoo!プロモーション広告を見直して、成果を出せるキャンペーン構成に変えていこうというところから始めました。それからキャンペーンや国ごとに最適化していくような形でずっとアドバイスを頂いています。fotowaがローンチしてからはそちらもお願いしています。
岡田:最初は上限CPCやマッチタイプ、グループ構成や設定上のボトルネックを外すなど、既存のキャンペーンの見直しを中心にやりましたよね。
髙木:ほとんどすべてを見直した気がします(笑)。
櫻田:アカウントの作り直しではないですけど。かなり手を入れましたね。
髙木:箱ごといじったというわけではないですが、それに近しいことはほぼすべてやったかなと思います。
岡田:その節は本当にお疲れさまでした(笑)。ちなみに、この期間(2015年〜2016年)に御社は株式上場もされています。企業の知名度が上がっていくに従って、以前と比べて実績はどのように変わっていったのでしょうか。
髙木:重要なキーワードやターゲティングについては、平均CPCが1年前と比べてかなり上昇しているんですが、CPAやLTVまで見据えたROASで見ると、獲得効率がほとんど変わらずに伸ばせているのは、正直に言って奇跡に近いと思っています。
岡田:確かに検索で言えば以前よりオークションプレッシャーは激しくなっていますよね。ですので、投資する場所にメリハリをつけることを意識してお伝えしていました。
櫻田: 1クリックあたりのコストは嵩んでいるのは間違いないのですが、この3〜4年はずっと同じ獲得効率を目標にしているにも関わらず、件数がコンスタントに伸びています。普通はサービスが大きくなってくるとだんだん成長率や獲得効率は下がってきますので、効率を保っているというよりは、保っているように見えて本当はかなり改善されていますね。
岡田:間近で見ていて、チームの実行力の賜物だと思います。私はただお伝えしているだけなので、実装されているのはお二人ですから。この流れでfotowaについてもお聞きしますが、立ち上げがうまくいきましたよね。
髙木:広告を開始してからはまだ最初の四半期が終わったくらいですが、岡田さんのご支援のおかげで、fotowaの事業で目標としている数値のほとんどを達成できており、経営陣も「予想以上」だと言っています。
櫻田:髙木は立ち上げの貢献が評価されて社内でも表彰されました。
岡田:素晴らしいですね。新規事業で初年度から達成って、言うのはかんたんですが相当難易度高いはずですから。本当にすごいと思います。この調子だと、目標がさらにアグレッシブになりそうですね(笑)。
髙木:そうなんですよ。また倍じゃん!みたいな。(笑)
■アタラに期待すること
岡田:本人を前にして言いにくいかもしれませんけど(笑)、今後我々に期待することや、抱負などを頂戴できればと思います。
髙木:岡田さんはいつも「返信が遅くてすみません」と仰るのですが、そんなことはなく、むしろ無理して返していただいているのではないかと心配になるほど早いと思っています。
岡田:個人的に一番辛いのは、ご質問をいただけないことです。変な言い方ですが「こいつに聞いても仕方がない」と思われたらこのお取引自体が成立しないので、なるべく毎日のキャッチボールに価値を見出していただけるように頑張りたいと思っています。「今さらこれを聞いてもな」とは思われずに、気軽に質問をいただいた方が私としてはありがたいですね。
髙木:質問の数だけは、たぶん他社さんに負けてないと思います(笑)。
岡田:弊社の新しいメンバーに、ピクスタさんとやりとりしているチャットワークを見せたら「すごい!」と言っていました。「こんなに企業さんとアクティブなやり取りがあるんですね」と。そうではない場所から来ると、すごく新鮮に映るみたいです。
櫻田:事業側からは「サービス開発を頑張っていれば、マーケティングが目標達成してくれるから大丈夫」という期待をもらっているので、我々も必死です(笑)。本来は広告を中心にコンサルしていただいているのですが、それに留まらず、マーケティング戦略やウェブマーケティング全般についてもご意見をお伺いしています。すでに役割を広げて何でもお答えいただいているので、今後私たちも企業努力としてどんどんサービスが増えていくと思うので、引き続きお付き合いいただければなと思っています。
髙木:広告主という立場ですとあまり率直なご意見がいただけなかったりすることもあるのですが、我々は取り扱っている数字もプレッシャーも大きいので、本当のことが知りたいんですよね。ですので、いつも忌憚のないご意見をいただけてありがたいと思っています。岡田さんは「いつも身も蓋もなくてすみません」と仰っていますが、引き続き今の感じでお願い致します(笑)。
岡田:こちらこそ率直なご感想を伺えて嬉しいです。引き続きどうぞ宜しくお願い致します!