運用型広告最適化事例紹介: MOON-X株式会社
企業に寄り添った広告運用コンサルティングで最適解を共に探る
アタラの評価ポイント
・将来のフルインハウス化を見据えた、伴走型の運用型広告最適化
・広告配信精度が高まり、ターゲットがより明確に
・事業ごとに異なる戦略をくみ取った広告運用で、マーケティングの最適解を探る
MOON-X株式会社
CRAFT X マーケティングマネージャー
松岡興平様
コーポレートサイト https://www.moon-x.com/
「日本のモノづくりとテクノロジーの融合」を軸に、クラフトビールブランド「CRAFT X」と、男性用スキンケアブランドの「SKIN X」、女性用スキンケアブランドの「BITOKA」の三つの共創型事業を展開するMOON-X株式会社。同社では運用型広告の配信精度向上や効率化を目的に、アタラの「運用型広告最適化」メニューを導入されました。
本記事では、クラフトビールブランド「CRAFT X」のマーケティングマネージャーの松岡興平さんに、これまで抱えていた課題やコンサルティング内容、実際の効果までを、アタラマーケティングチームがインタビューしました。
■作り手とお客さまとの“共創“を通じて、次世代のJAPAN BRANDSの発射台となる
―まずは御社の事業内容について伺えますか。
松岡:弊社は「日本のモノづくりとテクノロジーの融合」を軸に、クラフトビールブランド「CRAFT X」と、男性用スキンケアブランドの「SKIN X」、女性用スキンケアブランドの「BITOKA」の三つの事業を展開しています。
CEOの長谷川はP&Gで10年間、Pampers・Gillette・Braun・SK-IIなどのマーケティングおよびマネジメントを統括。さらに、創業前はFacebook Japanの代表を務めていました。
また、CTOの塩谷はフルスタックエンジニアとして楽天グループ株式会社のマーケティングやビッグデータ系システムをプロデュースしてきたという経歴があります。そんなマーケティングとテクノロジーに強い二人が創設した会社がMOON-X株式会社です。
―どのような思いで立ち上げられたのでしょうか。
松岡:きっかけはCEO長谷川のFacebook Japan時代の原体験にあります。当時、長谷川は地方創生プロジェクトなどを通じて日本各地を回っていましたが、日本のモノづくりの素晴らしさに触れる機会が多くあり、あらためて感銘を受けたそうです。
素晴らしいモノづくりができる企業・生産者が国内にはたくさん存在するという事実に気付き、現地でヒアリングを進めているとマーケティングやテクノロジーに対して苦手意識を持っている方々が非常に多く、本当に価値のあるモノをエンドユーザーに届けきれていないのはもったいないと心から思ったそうです。
そこで、企業・生産者の皆さまと、自身の経験も含めマーケティングやテクノロジーに強い人材が共創していくことで、より一層素晴らしいJAPAN BRANDを世界に発信していけるのではないかと思い、長谷川は会社の立ち上げへと動き始めます。その思いに共感した塩谷もジョインし「MOON-X」が立ち上がりました。
―御社が作り手とお客さまとの橋渡しになるイメージですか。
松岡:はい。日本各地に存在する良いモノをマーケティングの力で広めること自体は珍しい活動ではないと思いますが、我々はD to C(Direct to Consumer)というビジネスモデルを採用し、お客さまの声を直接拾い上げて、生産者にフィードバックするところまで担います。また、逆の動きもしかりで、弊社を軸に三者が連動し合うことで良いモノがさらに磨かれ、お客さまに選ばれる最高の製品になっていきます。
「CRAFT X」は、長谷川が渡米した際にIPA(インディア・ペール・エール)といわれる香り豊かで味わい深いクラフトビールを飲み、そのおいしさに感動した体験が事業創設の元になっています。日本でもさまざまなクラフトビールが存在していますが、過去の「地ビール」ブームの失敗から、まだまだ「地ビール」への悪い印象も残っており、当時は日本各地に数多く存在しているおいしい本物のクラフトビールがきちんとエンドユーザーに認知されていない状況でした。
長谷川は、マーケティングとテクノロジーを強みとする自社と、最高の職人技を持つ日本各地のクラフトビール醸造所でタッグを組み、エンドユーザーとの対話形式で本当においしいビールを販売したら多くの人に喜ばれるのではないか、という発想から2018年8月にブランドを立ち上げ、2019年12月にテスト販売、翌2020年1月から定期販売を開始しました。
―展開されている3ブランドのジャンルが、ビールや化粧品と多岐にわたるのは面白いですね。
松岡:はい。弊社の強みの一つですね。本来、交わることのない事業が社内に存在するからこそ、今まで誰も見つけられていなかった新しい視点が生まれてくるという思想で、実際にここからさまざまなアイデアが生まれてきています。1事業展開のみの会社も多いと思いますが、弊社はD2Cのブランドポートフォリオカンパニーとして、3事業を同時に進めているため、通常の3倍以上の学びがあり、事業のスピード感もとても速いです。
■将来のフルインハウス化を見据えた、伴走型の運用型広告最適化
―ありがとうございます。3ブランドの運用型広告最適化を2021年月までアタラにお任せいただきましたが、そもそもアタラを知ったきっかけを教えてください。
松岡:もともとは私の前任者が広告運用を一人で全て担当していました。当初は「CRAFT X」だけだったのですが、その後「SKIN X」と「BITOKA」のブランド展開が始まり、さすがに一人で全てを運用するのは手が回らないということで、ご協力いただける企業を探していました。
その際に、前任者が前職時代に一緒に仕事をした中川さんに相談を持ちかけ、アタラさんにお願いする運びとなりました。
アタラさんは広告運用のプロフェッショナルというイメージが強く、またインハウス化支援も得意とされている印象がありました。ゆくゆくは広告もインハウス運用に切り替えたかったので、そういう意味でも先を見据えてアタラさんにお願いしたかったという部分もあります。
一般的な広告代理店だとアカウントオーナーが広告代理店になる場合が多く、先々インハウスで運用する際の障壁が高いという懸念もありました。アタラさんの場合、アカウントオーナーは弊社で、編集権限を付与する形での広告運用を行っていらっしゃる点も魅力的でした。
―アタラの支援内容について、教えていただけますか。
松岡:基本的には3ブランドそれぞれの広告運用を中心にご支援いただきました。掘り下げると、Google 広告やFacebook広告といった運用型広告のアカウント構成の最適化から、弊社で作成したクリエイティブを活用した広告運用全般、チューニングやレポーティングまでを中川さんにお願いしていました。
特に「CRAFT X」はシーズナリティのある商材でもあるので、場合によってはトレンドに合わせて配信ができるTwitter広告などもお願いしていました。
―アカウントマネジメントをアタラで担当し、アタラにない制作機能は御社内で実施していただいているという形でしょうか。
松岡:そうですね。弊社はクリエイティブやブランディングに強いので、我々でできるところはやり、広告運用の部分はスペシャリストである中川さんにお任せしていました。そしてお互いの進捗を、週に一度確認し合う形で進めていました。
■広告配信精度が高まり、ターゲットがより明確に
―アタラにお任せいただいたことで、感じられた効果はありますか。
松岡:効果は二つあります。一つ目は、顧客分析が進んだことです。広告を配信するターゲットを探る中で、弊社として狙いたい層や、弊社に興味を持たれている層が明確になってきました。
例えば、これまではビール好きの方に向けて一気に広告を配信するイメージでしたが、アタラさんにご支援いただいて、ターゲットが明確になってきてからは年代によるセグメントの切り分けや、新規・既存の違いによる出し分けができるようになりました。それにより、どの層が弊社商品に反応しやすいのかがよりクリアになり、どんどん配信精度が高まっていきました。
二つ目は、広告の費用対効果の部分です。一つ目で挙げたターゲットの精度が高まったことで、CPAが昨年と比べて約3分の1になりました。我々スタートアップ企業はリソースが限られているため、その予算内でブランドが磨き上げられ、CPAが下がるのはとても良い兆候です。
■企業ごとに異なるマーケティング戦略に寄り添った広告運用で、最適解を共に探る
―担当コンサルタントの中川の印象はいかがですか。
松岡:まず、弊社の事業規模や商品理解をしっかりしていただいた上で広告を最適化していただけていると感じています。前述したように弊社はスタートアップであり、予算・人的リソースも限られていて、ブランドの認知度もこれからどんどん上げていくフェーズです。
マーケティングの主流はどんどん自動化する方向へ移っていますが、弊社のフェーズをくみ取って、手動で行うからこそ成果が出る部分と作業効率のために自動化すべき部分を考え、弊社にとって最適解となる運用をしていただけたことが成果につながったと考えています。
また、急な依頼でもスピード感をもって対応していただけているのが非常に助かりました。中川さんを含めてアタラの方々は専門性が高いという印象は当初から変わらず、何か悩んでいてもすぐに教えていただけるのがとても良い点だと感じています。
例えば、iOS14のアップデートにより、Facebookの設定を変更しないとトラッキングできず広告運用ができなくなる事態に直面した際も、中川さんからすぐに連絡をいただき、事なきを得ました。そういった広告関連の最新情報のキャッチアップの面でも非常に助けられています。
―では、今後どのように事業を進めていかれるのか、その際にアタラをどう活用されたいかについても教えてください。
松岡:事業の展望については、こと私の担当する「CRAFT X」に関しては3年以内に国内のD2C型クラフトビールブランドとして圧倒的トップになりたいと考えています。具体的には、ターゲットとする方のご自宅の冷蔵庫の中には「CRAFT X」のビールが入っていて、自分へのご褒美として食べるちょっと贅沢なスイーツのような感覚で気軽に楽しんでもらえる存在を目指していきたいです。その足がかりができれば、グローバル展開も検討してきたいと考えています。
そのためには引き続き、Who(ターゲット)とWhat(何を提供するのか)をしっかりと絞り込み、エンドユーザーに認めていただける尖りのある購買体験をどれだけ作っていけるかが勝負だと考えています。
アタラさんにご支援いただいたおかげでどの媒体の広告アカウントも安定してきており、ターゲティングの精度も格段に良くなったため、2021年6月よりフルインハウス運用に切り替える運びとなりました。とはいえ、情報のキャッチアップなどは自社だけでは難しい部分もあるので、今後も引き続き、Unyoo.jpやイベントなどで情報収集をさせてもらえればと思っています。
―ブリュワリー、お客さま、御社の三位一体で作り上げる共創型事業で、3年後には日本を代表するビールブランドを目指されているCRAFT X。その一端をアタラが担えたことを、非常に嬉しく思います。本日はありがとうございました!
※本記事の内容、所属等は公開日時点のものです。