受託システム開発:株式会社QLife

 

手動が難しい規模の広告運用をAPIで自動化。
グループ内広告DX事業加速へ

 

アタラの評価ポイント

・国内でも少ないAPI活用、API開発の実績が豊富
・クライアントのニーズやペースに合わせて柔軟に対応
・開発したシステムを活用し、広告DXをさらに拡大できる

 

株式会社QLife
メディア開発室
シニアエンジニア 神長優舞様

エムスリー株式会社
クロスプラットフォームグループ
グループリーダー 林裕也様

コーポレートサイト https://www.qlife.co.jp/

日本最大級の病院・薬検索サイトなど、総合医療メディアを運営する株式会社QLife。アタラでは2020年より、APIを活用した同社のシステム開発を行っています。株式会社QLifeの神長様と、親会社であるエムスリー株式会社の林様に、感じていた課題やアタラとのシステム開発の取り組み、今後の事業展開などについて、アタラマーケティングチームがお聞きしました。

■API活用の実績と安心感から依頼

―まずは御社の企業概要と担当業務について教えてください。

林:会社全体としては主に三つの事業があり、一つ目が製薬メーカー向けのソリューション提案です。医療系のマーケティング事業で、クライアントは主に製薬メーカーになります。

製薬メーカーには、患者さんに治療を継続してもらえない、患者さんが自分の疾患に気付いていない、といった課題があります。それに対して弊社は、疾患啓発をしながら、受診の推奨や、治療を継続してもらうための仕組みを提供しています。自社で施策・提案から、ものづくりを行って効果検証、PDCAも一気通貫で実施しています。

二つ目が治験事業です。新薬を発売するために必要なプロセスである「治験」に参加してくれる被験者を募集する事業を行っています。患者さんの条件、人数、手段などのプランニングから実施し、申し込みがあった治験希望者を医療機関に誘導します。その希望者が実際に治験に参加すると報酬が発生する、成果報酬モデルが主となる事業です。

三つ目が、エムスリーのマーケティング支援の領域です。QLifeは7年前にエムスリー株式会社の子会社となり、これまでコンシューマーや患者向けに行っていたデジタルマーケティングの知見を生かして事業化しました。現在はエムスリーグループ全体へマーケティング支援を行っています。加えて、病院検索や薬検索、メディアの運用、クリニック向けの情報提供など「患者さん」を軸とした事業を幅広く行っています。

エムスリー株式会社 林さん

神長:私はエンジニアで、最近はプロジェクトマネージメントを担当しています。一般の患者さんに向けた医療機器サービスの提供や、他にもさまざまなメディアの広告運用、エムスリーの広告運用なども行っています。

―ありがとうございます。アタラにお問い合わせいただいた経緯について教えていただけますか。

林:普段からUnyoo.jpを見ており、Webマーケティングのリーディングカンパニーとして認識していたのがきっかけです。アタラさんの情報の出し方がコンサルティングチックだったので、自分たちが望んでいるものにマッチしているなと。

―アタラへ発注された決め手は何だったのでしょうか。

林:最初のセッションのとき、いろいろな相談事項に対して解決策を素早くスライドで分かりやすく出していただいて、プロジェクトの進めやすさを感じました。それとアタラの清水さんから、過去のAPIを活用した取り組みをお聞きして、まさに自分たちがやりたかったことの実績をお持ちでしたので「ぜひ」という話になりました。こうした実績は国内でもそれほど多くないと思いますし、緒方さん(開発担当)も含め、安心して一緒にプロジェクトに取り組めるなと感じたことが決め手となりました。

金額も、自分たちが当初想定していたのとかけ離れておらず、良心的と感じたところも決め手の一つでした。

清水:弊社が運用型広告レポート作成支援システム「glu(グルー)」という製品を長年提供しているのでAPI活用の実績が非常に豊富だったのと、APIの受託開発の実績もあります。おっしゃるとおり、本当に手前みそですけど、見渡してもあまりないポジションなのかもしれないですね。

 

■手動での運用に限界を感じて自動化へ

―もともと、どのような課題をお持ちでしたか。

林:本質的な課題でいうと、もう手運用は現実的に無理な規模感の運用をしようとしていたんですね。それならAPIを使う以外に手段はないと。そこでイノベーションを起こしたかったというのがあります。

清水:2020年にお問い合わせいただいて「Google Ads APIを活用した効率化などについて相談させてください」という、非常に大スペクタクルなご相談内容で。

一同:(笑)。

清水:僕も最初「このお問い合わせには、いろいろな意味があるな」と思いながらコミュニケーションさせていただいた記憶がありますね。

神長:確かに初めは「手動で運用は無理だ」というところからでした。

林:人の手ではできないことを、どうしたらできるんだろうとなったときに「APIという手段が合いそうだ」と考えたんですよね。

神長:広告APIや自動化を進める上で、広告回りのドメイン知識や技術的なつなぎ込みの知識はどうしても必要になりますが、技術的にかなりハードルが高く、一般のエンジニアがすぐに習得するのはなかなか難しいと思います。そういうときにお願いできる企業があるのは、すごくありがたいことですね。アタラさんにお願いしたのは良い判断だったなと思います。

株式会社QLife 神長さん

―実際にお取引が始まってから、アタラにどのような印象を持たれましたか。

林:すごくこちらのニーズやペースに合わせて柔軟に対応してくださるな、と感じていました。

神長:開発サイドの話でいうと、緒方さんと、かなりフラットにお話しさせていただきました。ふわっとした伝え方でも、ある程度やりたいことを理解していただき、ソリューション提案から開発を進める中での設計などについても、技術者目線での話がきちんとできて、非常に仕事がしやすかったな、という印象です。

緒方:実はコードレビューなどをしていただいたんですよね。ソースは私が書いて、実装する際にうまくいっているかを1回レビューしていただき、アドバイスを受けてソースを書き換えるといったこともあり、システム自体もすごく良くなったなと思います。本当にありがたいと思っています。ソースレビューしていただけるお客さまは初めてでした。

神長:今回の場合、成果物が難しいものになってきて、不具合やバグも入り得る確率が高いものだったので、それをあらかじめつぶそう、という判断で行いました。

 

■新事業が生まれるきっかけに

―御社が開発したシステムの概要をお話しいただいてもよろしいでしょうか。

神長:医療従事者に対して医療情報を提供するサービスを提供しており、リアルタイムに対象の医療従事者の方々に向けた広告配信を行っています。そのため、広告をパーソナライズ化するシステムをつくるところで、アタラさんにお願いしました。

具体的には、ターゲットリストと広告の定義をもとに、ターゲットに対して表示される広告の内容、タイミングを設定できる広告作成システムを作ってもらいました。

―システムを納品させていただいた後の効果や変化について、教えていただけますか。

林:そもそも手運用でできなかったものが配信できるようになった、というのがまず一つあります。加えて、リアルタイム配信による利益インパクトとしては、当然ながら波はありますが、ゼロから数百万、数千万規模の新たな利益を生むことができました。

清水:素晴らしいですね。

神長:それが入り口になり、社内における広告DXが重要な一事業の位置付けとして広がりました。現在、広告DXのプロジェクトマネージャーをしているので、自身のキャリア的にも大きかったですね。他にも、今お話しした広告作成のシステムの一部分を活用、拡張することによって、いろいろなサブシステムができつつあります。広告を特定のタイミングでオン/オフする、広告の表示を最適化する、オーディエンスリストの設定を自動で行うシステムなどです。サブシステムの部分でも、アタラさんに関わっていただいています。

また、広告の自動化による新しい事業の実現も目指しています。エムスリーグループ全体に対してもインパクトがあり、事業の広がりの第一歩になったのは、うれしいですね。

清水:それこそが本当にDXだなと思います。IT化しただけではなくて、カルチャーも変わったといった気がしますね。

神長:そうですね。新しい事業がそこから始まるというのが面白いですよね。

―今後の事業展望についても教えていただけますか。

林:現在、医療機関向けの集客プラットフォームを作ろうとしており、アタラさんに最初に開発していただいたAPIをうまく活用しようとしているところです。自動学習に近い形で広告生成を自動化するようなシステムを考えています。

神長:自動でいろいろなパラメータを調整し、利益率が高い広告が残っていくような仕組みですね。事業の規模も広がってエンジニアもより多く必要となりますので、そうした広告DXの領域に共感していただける方がいたら、ぜひ弊社にジョインしていただければと思っています。

―今後アタラに期待することなどがあれば、ぜひ伺えればと思います。

神長:期待値は満たしてもらっているのですが、Google 広告やYahoo!広告、他の媒体、AIなども含め、パラダイムそのものの変化や機能の拡張などを自分たちで全てキャッチアップしつづけるのは難しいと思います。先ほどお話ししたような新事業も、こちらからいろいろとお伝えした上で進めていただいているので、こちらの状況と業界全体、両方の観点からご提案をいただけると、付加価値が大きく生まれるのかなと感じます。

―本日はありがとうございました。

株式会社TS東京 伴走型インハウス支援 事例

 

アタラ清水
同事例を担当するコンサルタント
清水一樹
シニアコンサルタント
WEBデザイナーを経て広告代理店に入社し、運用型広告の黎明期からプレイヤー・管理職を務める。アタラ合同会社から、運用型広告を中心としたコンサルティングだけでなく、テクノロジーによるマーケティング課題にも従事し、アタラの全事業のコンサルタントを担っている。
特に運用型広告×コーチングを絡めた「人」に寄り添ったコンサルティングを心がけており、伴走型インハウス・広告運用トレーニング・アトリビューション分析を得意としている。
書籍「運用型広告 プロの思考回路」、「海外カンファレンスの歩き方」 MarkeZineでの執筆など多数。
・アドテック九州登壇
・コーチング塾Integrity 卒業


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